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2025年11月の読書メーターまとめ

さとうしん
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2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

さとうしん
今回は明治からアジア太平洋戦争まで時代幅を広げて英米軍などとの比較も加えつつ日本軍兵士の徴兵、兵士の食事と栄養状況、衛生環境と病気の治療、軍備と機械化などを検討。飯盒炊爨の導入が却って薪の調達や調理などで兵士の体力を奪ったことや、薪の必要性から戦地で現地民の住宅の破壊などが行われたこと、食糧の不足から戦地どころか沖縄も含めた国内でも農民などからの食糧物資の略奪が行われたといった事実が興味深い。結局は英米と違って将兵に対する「人間軽視」の発想が軍自身の弱体化を招いたというのは、現代政治への教訓となるだろう。
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2025年11月の感想・レビュー一覧
12

さとうしん
佐藤、伊藤をはじめとする中世武士の○藤氏は佐伯、伊香氏などの古代氏族が母系で秀郷・利仁流藤原氏の血を受けるという当時の武士の字に由来する氏族名で、藤原氏の父系子孫を仮冒するものであり、院政期には院がそれを利用して卑賤の者を取り立てたという趣旨。日本中世史において系譜研究の重要性を示す著作。その手法は当時の草書体での字形の類似や発音の類似を駆使したもので、中国古文字学の手法とも似通っているが、その反面、多くの事例で用例上の根拠も示しているとはいえ、古文字学のそれと共通する危うさも感じる。
さとうしん
2025/11/28 17:03

桃崎説が正しければ私は藤原氏というより佐伯氏の子孫なのかと思うとなかなか感慨深いものがあるが、本書の末尾に言うように北条氏も怪しい、三浦氏も怪しいとなると、頼朝をはじめとする清和源氏の血筋も怪しいということにならないだろうか?ただでさえ始祖の経基の段階から清和源氏か陽成源氏かという問題もあるわけだし。

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さとうしん
ナショナリズムの諸相、帰属意識、愛国心、排外主義三者の関係、ナショナリズムとスポーツ、出版、音楽、言語、学校教育、経済格差、移民の増加等々との関係などを、統計調査の結果をもとに議論する。本書によると、通俗的にいろんな文脈で特殊であると言われてきた日本、あるいは中国、韓国のナショナリズムの諸相も決して特殊なものではなく、普遍的に見られるものということになりそうである。スポーツの国際的な大会や選挙との相関性や隠れた反移民感情をあぶり出す手法の話が面白い。
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さとうしん
コナン・ドイルの生涯と、ホームズ物をはじめとする彼の作品が書かれ、読まれた時代的背景について。妖精事件との関わりなど既知のこともあったが、クリスティー失踪事件やタイタニック事件をめぐるバーナード・ショーとの論争など知らないことも多く、楽しめた。彼の心霊主義についても当時の時代的背景や彼本人の宗教に対する否定的なスタンスと絡めて論じている。ホームズを心霊主義者にしなかった理由に対する考察がなかなか興味深い。
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さとうしん
出だしの描写の陳腐さにめげそうになったが、そこを乗り越えた後は普通に香港ノワールというか現代武侠という感じで楽しめた。今回は前作より増して女性キャラが少ないので、そのあたりの違和感もない。前作ともども映像なら盛り上がりそうな展開も文章にしてしまうと陳腐なものになってしまうのだなあと気づかされた。結末は映画版につながりそうでいて、必ずしもつながらない部分もある。
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さとうしん
世界各地の創造神話と人間・文化(火)・食物のはじまりの神話に関して。世界のはじまりの神話と終末神話は一致するという話や、巨人型神話の裏返しのような形で人間のはじまりが説かれることがあるというのは面白い。ただ、中国の洪水神話としてポピュラーな禹の治水について触れられていないのが気になる(何となくその理由は察せられるが)。
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さとうしん
江戸中期の五つの判例から見る江戸時代の司法のあり方。公事方御定書が明律の影響を受けているとか、細かいところまで規定があるわけではないので奉行らは過去の判例によりつつできるだけ妥当な判決を導き出そうとしたという話が興味深い。自白に頼らず物証を重視する、厳罰百戒的な発想でもなくできる限り客観的な吟味を心がけるというあたりは現代日本の警察の取り調べよりも近代的なのではないかと思わせられる。
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さとうしん
エジプト、ヒッタイト、ミュケナイ、ミノア、キュプロス、カナン、ウガリト、ミタンニ等々地中海域の諸国、諸地域の間で築かれていた緊密な国際関係が崩壊し、後期青銅器時代の文明が終わりを告げた顛末について。従来その原因がこれら諸国に押し寄せた「海の民」の侵略であると考えられていたが、彼らはどちらかというと崩壊した後にやってきた移住者と見るべきのようだ。文明崩壊の原因も大地震、気候変動など複数の要因があると指摘する。同様に緊密な国際関係・経済の下で成り立っている日本の末路を暗示しているのではないかと思わせられる。
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さとうしん
タイトルから想像・期待される内容と実際の中身とで少しくズレがあるなあという印象。特に海商について扱う(はずの)第Ⅱ部でそれを強く感じた。また現代とのつながりを強調するのはよいのだが、結びつけが強引な部分があるのも気になった。内容自体は、林道乾ら東南アジアで活躍した中国海賊の事跡と現地での信仰の関係など、興味深いものも多い。
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さとうしん
世紀の奇書、待望のというかまさかの第2弾。蘇った始皇帝に易之の裏切り、李世民の行方、そして舞台は華夏を飛び出し神々の世界へ。登場人物の名前と設定のマッチのキレは相変わらず(狄仁傑が宦官にされているのには笑ってしまったが)、そして始皇帝の政治思想や政策がまんま社会主義のそれであることはどう評価すべきだろうか?おそらく完結編になるであろう第3弾にも期待したい。
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さとうしん
理論と主要な研究者に着目した入門書。というか社会学史。社会学前史からウェーバー、デュルケーム、そしてマルクス主義との関係、現代の社会学が置かれた苦境、すなわち経済学や文化人類学、心理学などとの競合と今後を論じている。入門書としては結構歯ごたえがあると思うが、完全版で加えられた補講3編はもともと中級者向けの文章とあって門外漢には難しい内容。
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さとうしん
呉座騒動、オープンレター、Colaboなどの活動をめぐる「暇アノン」問題などに対するTwitterの日本史界隈の動きをまとめる。彼らの言動をこうして振り返ると「酷い」のひとことに尽きる。それはそれとして亀田氏の2000年代半ばからのネットでの活動を見てると、Web2.0が喧伝されていた頃の状況を思い出して懐かしさを覚える。本書は図らずも「裏・電脳日本史学」的な内容ともなっている。
さとうしん
2025/11/04 17:13

ただ、本書の可読性はあんまりよくない。ツイートのスクショ画像やブログの魚拓画像を中心とする構成なので、老眼になりかけの身にはちょっとしんどい。

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さとうしん
今回は明治からアジア太平洋戦争まで時代幅を広げて英米軍などとの比較も加えつつ日本軍兵士の徴兵、兵士の食事と栄養状況、衛生環境と病気の治療、軍備と機械化などを検討。飯盒炊爨の導入が却って薪の調達や調理などで兵士の体力を奪ったことや、薪の必要性から戦地で現地民の住宅の破壊などが行われたこと、食糧の不足から戦地どころか沖縄も含めた国内でも農民などからの食糧物資の略奪が行われたといった事実が興味深い。結局は英米と違って将兵に対する「人間軽視」の発想が軍自身の弱体化を招いたというのは、現代政治への教訓となるだろう。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/01/19(4340日経過)
記録初日
2014/01/19(4340日経過)
読んだ本
1787冊(1日平均0.41冊)
読んだページ
519909ページ(1日平均119ページ)
感想・レビュー
1565件(投稿率87.6%)
本棚
8棚
性別
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/xizhou257/
自己紹介

歴史関係の本を主に読んでます。

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