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2024年3月の読書メーターまとめ

Nobu A
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8280ページ
感想・レビュー
29
ナイス
2919ナイス

2024年3月に読んだ本
29

2024年3月のお気に入られ登録
6

  • ひろし
  • Carlyuke
  • yuunoo
  • 飯田真人
  • jjj
  • MASA123

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Nobu A
朝井リョウ著書4冊目。図書館で貸し出し中だった為、前日譚「何様」を先に読了。若手作家の文体に慣れてきたのか、一番読み易かったかも。ただ、最後の最後にどんでん返しのような結末。それまで大学生の就職活動の葛藤とある意味ライバルでもある同級生との駆け引き等、心理描写が延々と続く展開に読み手としてはやや息切れ気味。他方、X等のSNS使用法が時代を反映。情報化時代ならではの心理戦宛ら。前書のスクールカーストといい、私の時代はそこまで感じたことがなかったような気がする。ネット全盛の今だからこその人間関係なのかな。
Nobu A
2024/03/29 16:54

小説を読む際の評価基準の一つ、現実性と言う意味ではとても現実的なんだろうけど、140文字に収めるツイッターそれぞれが文脈もなくそこで完結。字面だけ追っている感覚。物語がどのように変化しているのか分かりづらい。加えて、登場人物の心理描写の方が行動描写より多い印象で置いてけぼりを感じるのは俺だけ?

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

Nobu A

美術の造詣を深めたく、最近読んできた関連書。先日読了の朽木ゆり子&福岡伸一共著「深読みフェルメール」で紹介された映画「真珠の耳飾り少女」(2003年)を借りてきた。 今晩は「活字読解」でなく「視覚読解」を堪能。

美術の造詣を深めたく、最近読んできた関連書。先日読了の朽木ゆり子&福岡伸一共著「深読みフェルメール」で紹介された映画「真珠の耳飾り少女」(2003年)を借りてきた。

今晩は「活字読解」でなく「視覚読解」を堪能。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
29

Nobu A
朝井リョウ著書4冊目。図書館で貸し出し中だった為、前日譚「何様」を先に読了。若手作家の文体に慣れてきたのか、一番読み易かったかも。ただ、最後の最後にどんでん返しのような結末。それまで大学生の就職活動の葛藤とある意味ライバルでもある同級生との駆け引き等、心理描写が延々と続く展開に読み手としてはやや息切れ気味。他方、X等のSNS使用法が時代を反映。情報化時代ならではの心理戦宛ら。前書のスクールカーストといい、私の時代はそこまで感じたことがなかったような気がする。ネット全盛の今だからこその人間関係なのかな。
Nobu A
2024/03/29 16:54

小説を読む際の評価基準の一つ、現実性と言う意味ではとても現実的なんだろうけど、140文字に収めるツイッターそれぞれが文脈もなくそこで完結。字面だけ追っている感覚。物語がどのように変化しているのか分かりづらい。加えて、登場人物の心理描写の方が行動描写より多い印象で置いてけぼりを感じるのは俺だけ?

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Nobu A
朝井リョウ著書3冊目。著者の作品は好き嫌いがはっきり分かれると改めて思う。まずタイトルが目を惹く。今風が故に今まで敬遠。読書理由は次回の読書会課題本が著者の代表作の一つ「正欲」だから。その予習。タイトルの主人公、桐島を巡り繋がる同校高校生一人一人にスポットを当てた青春群像小説。物語構成に趣向を凝らし、文中至る所に彼等の会話を挿入。主語、述語、目的語抜きや文脈なし等、本人達だけで成立するものが多く、補助的説明も殆どなし。TV番組「テラスハウス」を思い出す。正直好みではない。大学在籍中の執筆には恐れ入る。
が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
先日読了の「書庫を建てる」共著の一人、松原隆一郎著書2冊目。前書で端正な文章で景観に対する思い入れが綴られ、気になり手に取った。4つの事例を通して現在の国内景観事情を検証及び考察。学者らしく丹念に調べ上げ、とても勉強になった。アメリカや欧米主要都市のような電線地中化が遅れた理由及び実現の困難さ、ロードサイド商業化の現状等、興味深い内容。他方、筆者はかなり悲観しているが、例えば、台湾のカオスのような景観(失礼!)もある種の独自性。地中海の街並みには憧れるが、個人的には国内全土の電線地中化を実現してほしい。
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Nobu A
朝井リョウ著書2冊目。16年刊行。「武道館」以来約8年振り。好みはさておき、前書ではそこまで感じなかったが、改めて朝井本を読み、心の機微の描写に舌を巻く。特に異性。思わず家族構成が気になりググってみた。回答は見つからなかったが、高校時代はバレーに打ち込み体育会系ぽかったような。物語構成も例えば「指の腹が痛い。汗で滑りそうになるピックを、もう一度ぎゅっと掴む」と唐突にミクロ視点で始まる。定石の全体像を示すマクロ視点からではなく。時折中盤でもこの手法が取られ徐々に全体像を映し出す。他の作家とは一線を画す。
Nobu A
2024/03/24 18:43

このような構成の仕方は朝井リョウが初めてではないはず。先代の作家の筆致を模倣しているはず。どなたかご存知の方はご教示くださいませ。気になる。

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Nobu A
今井邦彦著書2冊目。01年刊行。20年以上も前の著書で知見は新しくないが、語用論入門書なので問題はないだろう。意味論のある意味対極にある語用論。オースティンの発話行為論やグライスの語用論等、大学院時代に学んだことを思い出した。統語論や意味論のようにある程度整然と解析できる領域でない語用論。長らく「言語学のゴミ箱」とも称されてきた。もしかして今でも?最近の語用論はどこまで進展しているのだろうか。ただでさえ煩雑な領域、これ以上複雑なると理解が難しいようにも思える。そんなことを考えた一冊。ざっと流し読み読了。
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Nobu A
この手の本は今まで何冊購入しただろうか。特に雑誌ターザンのランニング特集を含めると両手では足りない。タイトルに惹かれてまたやってしまった。学生時代、陸上部で今でも月100Kノルマを熟すランニング好き。いや、生活の一部になっていると言っても良い。ジョギングとランニングの境目1Kアンダー5分を辛うじて堅持する準高齢者。若い時のような柔軟性もなくなり、足腰も弱体化し満身創痍に近い状態。「走りがグンと軽くなる」って響きいいな。丹田、肩甲骨、骨盤を意識する。惰性になりがちな日々の運動。復習がてらざっと流し読み読了。
が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
高橋源一郎著書初読。02年刊行。「小説を書きたい」と言うより「より深く読める」ヒントがあるのではと手に取った本書。「少し長いまえがき」「ぐっと短いあとがき」と趣向を凝らし、小説書きをボール遊びに喩え、指南している点は独自性を感じる。しかし、禅問答と言うか言葉遊びに映り、肩透かし感は拭えない。定義付けが難しい「小説」を敢えてするのが物書きの仕事では。「東京の昔」しか読んだことないが、衒学的な吉田健一を真似ている時点で興醒め。全般に消化しづらい本書だが、評価は数週間後に内容が記憶に残っているかどうかだと思う。
Nobu A
2024/03/22 17:00

それから、文中に夥しい数の丸括弧があるのが気になり読み辛い。著者著作とも忘れたが、例えば文末に(笑)を付けて笑いを誘おうとする書き手は文章力のなさを自ら見せているようなものといったことを書いてあるのを思い出した。(えへん)等、そんなものに頼らないで笑わせるのが王道。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
原田マハ著書24冊目。専門領域の美術史以外のことに挑戦する心意気は評価するが、残念ながら凡作。チェリストの母の勧めで幼少期に始めたチェロを挫折した主人公、梶ヶ谷和音が再び音楽に目覚める物語。母のプリオン病、偽装結婚の同じくチェリストの富塚真弓の突発性難聴、仲良しクラスメートの文斗が音大を、朱理が音楽家マネージメントを目指すのといい、小説だから何でも有りは良いが、その為の丹念な物語構築は?奇病プリオン病をどこまで研究したのか。小説ではなく、宛ら漫画を読んでいるような気分。好きな作家だけに苦言を呈したい。
Nobu A
2024/03/22 12:35

鳴かない鳥にしてもそうだし、そもそも多感な女高生に偽装結婚の真弓の最初のアプローチは非現実的。常識を持った社会人なら責任感からもっと慎重になるはず。機嫌損ねたら関係性は一発で終わり。巻末の病院でのコンサートが最初にあり、御涙頂戴の物語展開を考えていたのが透けて見える。あまりにも総花的で表層的。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
「本と新聞の大学」シリーズ第3巻読了。16年刊行。ここまで巻付けしてきたが、期別けで本書は第4期、そして「講義録」タイトルでない前日譚があることに気付く。先に言ってよ。分かり易く毎巻末に紹介付けといてよ。と言うことで第4期の本書は「戦後の日本」がテーマ。まだ記憶に新しい集団自衛権問題等も扱われて興味深いが、かなり壮大且つ複雑な命題。内田樹先生の真摯に内省する比較敗戦論と上野千鶴子先生の人口減少に有効な政策介入なしとシングルマザー支援の国際比較が特に瞠目に値する。さて、第1期だけ所蔵なしは良くないよな。
が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
少々久々の原田マハ本。12年刊行。昨日から準一気読み。「日本農業新聞」連載の単行本化。こんなテーマも書くのかと驚いた。母子家庭、イジメ、認知症、昔ながらの米作り等を題材に相変わらずの端正な文章で物語構築。主人公、麻生人生と周りの人達との交流に人は決して一人では生きていけない、いや生かされていると気付かされる。父と母の子への想いが胸が締め付けられるぐらい伝わってくる。アート小説だけかと思いきや、原田マハはポスト東野圭吾や宮部みゆきを狙っているのか。抜け目なく東山魁夷を入れているけどね。原田マハ著書23冊目。
Nobu A
2024/03/19 20:57

まあ、大御所だったら認知症やイジメの社会問題をもう少し巧妙に物語に組み込むだろうけど。でも、卒なく纏めて読み応え十分だった。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
アン・ウォームズリー著書初読。16年刊行。翻訳を手掛けたのは先日読了の「読書会という幸福」著者、向井和美。出合いも当該本から。日本の現状は勉強不足だが、多種多様な人々が営む社会で他者への共感を育むことが可能な読書、そして複眼的な視点を与えてくれる読書会の良さをカナダの刑務所で開催された実話が教えてくれる。簡単ではない。運営費の捻出、課題本選定、ファシリテーターの力量、参加者の協調性等、複数の要因が絶妙に絡み合い起こる現象。出所後再び犯罪に手を染める者もいる現実は厳しいが、社会復帰への教育の大切さを感じた。
Nobu A
2024/03/18 14:49

本文でカナダだけでなく、イギリス、イタリアの刑務所でも読書会プログラムがあることに触れている。日本の刑務所はどうなんだろうと思った。先日、経産省が減少する書店を支援するプロジェクトを行うと言うニュースを見たが、問題の本質は読書人口と読書量の減少。人材育成を含めて日本も見習うべき。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
奥泉光著書初読。14年刊行。先日の読了本で大澤真幸が言及していた本書。幕末の辻斬り柿崎幸緒から始まり現世の郷原聖士まで輪廻転生擬(だって途中で同時代の榊春彦から友成光宏に変わるし)で歴史を俯瞰するように物語が展開。猫や鼠にもなり集中力が切れた。晦渋な表現は皆無だが、話が終始淡々と進むだけに疲れる。例えば、接点がない複数の人生がある交通事故をきっかけに交錯していく映画「クラッシュ」のように、練ってあるかと言うとそうでもない。根性なしが言う資格はないが、もう少しメリハリが欲しかった。途中で挫折し流し読み読了。
Nobu A
2024/03/17 23:49

着想自体は悪くないだけに、この手は本格的なミステリー仕立てにした方が読み甲斐があると思うのは私だけ?

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
HONZ推薦本。10年刊行。フランス人筆者の本書を読み進めると流れるような翻訳に「ロリコン」「ブルセラ」等、フランス原語が気になった。訳者あとがきには筆者が日本のSM雑誌に連載もしていたくらいの日本通だとか。得心。日本人でも知らないような性文化を「恥の文化」「大人の玩具」等の章別けで詳述。このような外国人の存在に驚いた。日本文化論とも言える。他方、「ピンサロは安いので学生に人気」等、英語と仏語の研究文献に依存の為、疑わしい文言もある。また、知己の翻訳者が適宜修正している点はどちらかと言うと共著に近い。
Nobu A
2024/03/17 16:03

2点。修正なしの原書は本国フランスで随分売れているらしい。夥しい数の必ずしも適切でない写真も挿入されてあり、フランス人の日本人観が気がかり。それから、本文に日本で日本人にインタビューを敢行しているが、日本語でコミュニケーションが取れる程ではないように見受けられる。それで日本通と言えるのかは疑問。日本語が出来ないと情報がどうしても限られてくる。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
小田光雄著書4冊目。04年刊行。出版業界に関することなら右に出る者はいないではと思う。そもそもこの手の本を書きたい人が多くいるのかも疑問だが。近代小説の嚆矢とも言えるセルバンテス著書の「ドン・キホーテ」が17世紀初頭にスペインで出版。欧州の書物市場は既に現在の印刷、流通、販売体制が粗方整っており貸本屋まで存在。高価だったからこそ。表現の自由や政府の抑圧等、時代の変遷に触れ、とても興味深い内容。現在ネットの影響で大きく変わりつつある出版業界。グーデンベルグの活版印刷の影響力を改めて痛感。歴史に想いを馳せる。
が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
藤原智美著書初読。14年刊行。先日読了本での佐藤優の言及がきっかけ。本書の良さは言及でも秀逸な要約だが、ネット全盛の現代、SNS等の普及で文語体と口語体の中間体、推敲しない「ネットことば」の氾濫に伴って読解力低下を指摘している点。他方、本書の分類上、考察はやや脆弱。複数学者名を挙げたり「英語では上下関係がない」と言った一般化し過ぎた補強を散見。言語学者の著書に触れて母語話者と言語使用者を分別しないのは少々雑駁。ネットニュースの誤植の多さは資本主義が一役買っていると感じる。資本力ある大企業のには見られない。
Nobu A
2024/03/14 13:05

08年出版の水村美苗著書「日本語が亡びるとき」を思い出した。両者ともやや煽り過ぎ。確かに英語の影響力は看過出来ないが、1億人超が住む日本で英語が全く分からなくても生活出来る現実を直視すれば、少なくとも日本語が消滅することはないのは分かるはず。しかし、50年後、100年後、人口が5千万とかになれば、話は変わってくる。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
WIXでHPを作成したく購入。16年刊行。頁を繰ったのは数年前。今もそうかもしれないが、当時それ程この手の指南書はなく、アマゾンで他書と比べる限り良さげだったので選書。豊富な写真挿入と分かり易い説明で悪くない。結局、WIXの無料カスタマーサポートで事なきを得た。iPhoneに分厚い取扱説明書が付かないように、この手は自分でアレコレと弄りながら分からない箇所を教えてもらうのが一番効率的。まあ、体系的な知識獲得に手元に置いておいても良いかな程度。でも、やらないんだよな。本棚整理整頓月間。
が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
岩本晃一著書初読。12年刊行。著者は通産省地域経済産業グループ産業政策分析官。現在は経済産業研究所研究員。風力発電関係の書籍は少なく、従って著者も少なくその中の一人。10年以上前に本書だが、国内においての状況はあまり変わらず情報が古い印象はない。陸上の風車数は格段に増えているが、洋上に関してはあまり進展がない。だからだろうか、現在、筆者は専門をAIと経済の関連性に鞍替え。世界の情勢や国別の問題点や課題が勉強になった。また、洋上風車による魚介類の被害はなく、逆に魚が増えた事例もあるが、因果関係は不明。
が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
斎藤孝先生著書10冊弱目かな。正直覚えていない。02年刊行。確か前回食傷気味になり著者本はもういいと思っていた。半無意識に本書を取った理由は読書会に入会し読書という認知活動を見直したいと思った為。著書には「質問力」「古典力」等、造語のタイトルが並ぶ。本書に関しては「読解力」の明確な定義もなし。データの裏付けもなく日本は読書立国だとか。読書と体験を二項対立にし後から読書=体験だとか。素読による身体性、三色ボールペン等、既視感。換骨奪胎でダラダラと紙面を割いている印象。後半流し読み読了。今度こそ著者を卒業。
Nobu A
2024/03/11 10:44

以前はコメンテーターとしてよくテレビで拝見。物腰の柔らかな先生然。当たり障りのないコメント。筆者に何の恨み辛みもないが、著書もそのまま当たり障りのないものが多い印象。はっきり言うと刺激がない。著者の本は数冊読めば十分。読書の意義も一言で言うと教養の為。選書も何のルールもない文庫百選ではなく、成毛眞著書「本棚にもルールがある」にある「科学」「歴史」「経済」とバランスが良いのが大人の教養なのでは。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
「本と新聞の大学」シリーズ第2巻読了。15年刊行。先日読了の前巻が14年出版。1年縮まった。本書の良さは手に取らなければ読むことのない筆者に出会えること。8名中6名は著者の著作を既に読んで馴染みの方。初読の上昌広の「高齢化社会と日本の医療」が興味深い。また、前巻に引き続き登場の一色清の論考も筋が通って読み易い筆致。元々宮台真司の著作を読みたく選書。しかし、固有名詞やカタカナ英語含む名詞が夥しい数頻出。例えば、人にインストールってどう言う意味で使っているのだろうか。堤未果も相変わらずの煽り文章。
Nobu A
2024/03/11 09:45

現代の知の巨人、佐藤優が文中で推薦本を紹介。無視出来ないな。ついでに、本シリーズの続刊も購入決定。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
柳広司著書3冊目。前書「風神雷神」上下巻読了後、著者の著作をもう少し読みたく選書。一度は上映予定がなかった映画「オッペンハイマー」封切り前の予習に。科学者オッペンハイマーと将校レズリー・グロービスを中心に史実を基に現実と幻想の世界を構築。読了後まず思ったのが著者はなぜ本作を執筆したのか。参考文献欄に「翻訳した」と明記。広島原爆後の惨状等、目を覆いたくなるような描写があり、日本人には様々なことを考えさせられるテーマ。比較的淡々と物語が終始展開する印象。独自性と言うか柳広司の明確なメッセージが見えなかった。
Nobu A
2024/03/10 14:22

参考文献を「翻訳した」と明言するのであれば、個人的にはオッペンハイマーの視点からの心理描写がもっと欲しかった。いずれにしろ、非常に重いテーマ。気軽には描けないのは分かる。結果的に中途半端。何で書いたのと思ってしまう。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
佐々涼子著書初読。20年初版、同年第4刷。HONZ推薦本。終末医療現場ルポ。近年構成に難があったり脚色を疑うような似非ルポを散見するが、本書は筆者の母親を含む在宅医療の現場で死を迎える人と家族、医師、看護師ら周りの人達の苦悩、葛藤、想いを丹念に綴ったもの。当然やり取りは時に冗長だったりする。その点は筆者の正直な気持ちや考察を挿入しとても読み易い仕上がり。誰もが直面する「死」をどう受け止めるか正解はない。読書中、涙腺が緩み涙するのはある意味簡単。踏ん張りしっかり学び取ろうと思った。受賞に値する珠玉の一冊。
が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
朝日新聞社と集英社共催の連続講座「本と新聞の大学」を書籍化した本書。14年刊行。きっかけは宮台真司の他著選書中に目に留まった本シリーズ。折角だから最初から読もうと思った次第。6人の講演を文書化し読み易い。内容的には10年も前で古さが否めないが、それぞれ基本を押さえた上での展開に興味深い箇所が随所にあり、特に「東北アジア」の姜尚中、「中国との関係」の吉岡桂子、「メディア」の一色清が目を引いた。でも、やはり情報が古い。続巻を購入するか思案中。多数論考収録は魅力的。取り敢えず手元の次巻を読んで決めよう。
Nobu A
2024/03/09 09:07

でも、こういうのはやはり生の講演を聴きたいな。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
向井和美著書初読。発端は読書会に同じく参加しているから。メンバーの一人としてどのような気持ちで臨んでいるのか興味があった。自分と重ねて共感することも多く、そんな工夫をしているんだと気づきや学びもあり、とても興味深い内容。他方、海外の読書会についてもっと情報が欲しかったが、エッセイというジャンルを考えると仕方ないか。また、当該集団はかなり特殊。翻訳者が多く在籍し課題本が海外文学翻訳版ばかり。翻訳業に同じく携わり一言一句精読する職業柄、原作者の気持ちでなく、どうしても翻訳者の解釈や訳出に目が行く傾向がある。
Nobu A
2024/03/07 09:44

読書会で原作も持ち込んで議論されいるようなので、ある意味かなり高度な読書会。ただ、やはり日本にも多く優れた文学があるので、個人的にはそちらも多く読み、良書を発掘して欲しい。恐らく翻訳本の方が海外文化の機微にも触れる機会があり、必然的に話す事柄が増えるんだろうな。意識しているのならその点も書いて欲しかった。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
齋藤幸平先生著書2冊目。前著で凄い論客だと驚嘆したが、いつの間にか大阪市立大から東大准教授に。納まるところに納まった感。私が挫折したマルクスの「資本論」を軸に現代の暴走気味の資本主義を一刀両断。相変わらずの切れ味。今回は経歴に目が行った。東大を中退しフリーマン奨学金で米国ウェズリアン大学で学士号修得。その後カール・マルクスの故郷で「資本論」を研究し博士号を。筆者ならではの解釈と考察を堪能。また自らウーバーイーツを体験したのは驚いた。ただね、前回同様、若干頁数多めの本書の値段は正に資本主義の商品そのもの。
Nobu A
2024/03/06 07:53

マーケティング広告やコンサルタント業は使用価値を生まない。そのような仕事は削られて良いと言った脱成長コミュニズムを提唱。理論的には大いに納得する。一方で、教育一つ取ってもドイツやイギリスのように無償化することが人口問題も抱えている日本では不可能に近いことは分かっているはず。資本主義が破綻していることを知らしめたことは意義があるが、現実的な解決法がないのが虚しい。

Yuko Kimura
2024/03/10 17:48

😅

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
知らない人は皆無、いやもしかするとデジタル・ネイティブの中にはいるかも。マイクロソフト創始者のビル・ゲイツ著書初読。95年刊行。読了本に言及があり購入。でも、集中出来なかった。理由は構成の不備とテーマの「高速ハイウェイ」。大勢の人が執筆に関わり、著者が代表(編者)として読者目線になっていない。本文の翻訳は読み難くはないが、大事なタイトルはいただけない。俺だったら「目の前に広がる世界」にする。意訳も良いが飛躍し過ぎ。現在のことを多く予言し興味深い点もあるが、如何せん既に終えたこと。残念ながら流し読み読了。
Nobu A
2024/03/05 13:04

インターネットの普及が「情報スーパーハイウェイ構想」に差し代わったということなのね。「情報家電(インフォメーション・アプライアンス)」も頻出し、何のこと?って思った。いずれにしろ、人口に膾炙していない表現は認知負荷を与えるだけ。いかがなものかなと。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
原田マハ著書22冊目はヘレン・ケラー日本版翻案。アート小説を主軸とし、毎回文体を少しずつ変え様々なテーマを執筆する筆者。相変らずの読み易い筆致。前半緩やかに始まり中盤から加速。後半は一気読み。最後は不覚にも琴線に触れ目頭が熱くなってしまった。学習に貴賎なし。文中から人間らしさやコミュニケーションの大切さが伝わってくる。そして教師と生徒の信頼関係の重要性。他方、読書中、津田梅子が浮かんだ。幼少期に留学した彼女は日本語がままならなかった。そう言う意味で去場安の人物設定には無理がある。が、まあ良しとしよう。
Nobu A
2024/03/04 08:34

一方で、原田マハが日本版ヘレン・ケラーを書いたのはサリヴァン先生、所謂去場安に焦点を当てたかったんだろうなと類推。昨今のモンスターペアレンツや学力低下問題、教師もサラリーマン化して情熱を持って教える先生がいなくなった。「教える」と言う意味を再考させてくれる。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
HONZ推薦本。大学教授の施主と建築家、そして建設に携わった様々な人達の個人書庫が出来る迄の話。下手な小説より遥かに面白い。最初に延々と施主の実家の話が続き構成に疑問を感じたが、読み終わり不可欠な部分だと認識。父との絶縁等、人の人生とは十人十色。何よりも稀有で興味深い物語を支えたのは文才豊かな著者二人。両者とも主に自身のことを詳述しているので当然と言えば当然だが、大学教授は別として、隈研吾もそうだが建築家って何でこんなに理路整然と惚れ惚れする綺麗な文章を紡ぐんだろうと思った。「百閒は五感にしかず」は名言。
Nobu A
2024/03/03 09:03

自分の書庫を所有する筆者が羨ましいが、俺も少なくとも収蔵しきれない本を整理するために本棚を増設したい。

が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
上巻に続き下巻も読了。19世紀初頭から第二次世界大戦までの約150年の絵画美術の旅、純粋に楽しかった。群雄割拠の様相を呈するフォーヴィスム、キュビスム、シュルレアリスム等がどの様に発生し浸透したか、また「芸術の都」とも形容されるパリの土壌形成等、諸説も含めて筆者の解説と考察が知識の扉を開いてくれた。俄絵画ファンにとっては有り難い限り。欲を言えばもっと巨匠の代表作の絵画写真を挿入して欲しかった。75年初版、23年増補版4版。多くの人に読まれている名著。高階秀爾著書2冊目。知識欲はルネッサンス時代へ向く。
が「ナイス!」と言っています。
Nobu A
伊藤弘了著書初読。21年刊行。3千本強鑑賞した映画好きとしては惹かれるタイトルに思わず購入。所々興味深い記述、例えば小津安二郎と是枝裕和の共通点等があるが、全体としては中途半端。学術論文を一般読者向けに書き直したらしいが、タイトルに「教養として」と付けるならどう教養となり得るのか独自の見解を述べて欲しかった。映画、美術、読書は教養と相性が良い。そもそも「コンテンツ」と言っている時点で疑問。映画館での鑑賞の良さやハリウッドだけでなくもっと埋もれた海外作品が多数あるのに。書くのも「映画メーター」があるじゃん。
Nobu A
2024/03/01 21:01

例えば、東京ならミニシアターが多く偏在。地方で上映しないインディー系を上映しそれぞれ個性があり紹介の価値有り。最近の均質化したシネコンにない趣を体感するのは映画ファンとしては楽しみの一つ。この手の本はもういいかな。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/01/27(3735日経過)
記録初日
2014/01/27(3735日経過)
読んだ本
1379冊(1日平均0.37冊)
読んだページ
392498ページ(1日平均105ページ)
感想・レビュー
1371件(投稿率99.4%)
本棚
0棚
性別
職業
専門職
現住所
東京都
自己紹介

仕事に関係なさそうな本は、基本的に一度しか読まないので図書館へ。と言いつつ、最近はアマゾン等のネット中古通販が便利でついつい買ってしまうことも。知識偏重にならないようにというのもあり、もっぱら気の向くままに何でも。社会の一員として社会問題全般に興味があり、小説を含めた関連書を通して知識を深めたい。ここは読了記録として感想を付けて利用。

「お気に入り」にしてくださる方には承認欲求をくすぐられ、とても嬉しく思い感謝感激。一方で、管理能力の無さもあり「お気に入り」には殆どせず。予めご了承ください。代わりに、同じ本を読まれた方の感想には殆どナイス押し。それから、個人的に興味深い感想にはゲリラコメントを残す場合も。ご容赦を。お返事も不要。

同じ趣味を持つ素敵な方々と繋がりたい反面、十分な読書時間も確保したく悩ましいところ。年間書籍出版数は、国内だけでも8万点以上。限られた時間の中で読めるのは、残念ながらその内わずか。

頁を捲った本は、筆者に敬意を表して批判的に読み、個人的に感じる良い点だけでなく悪い点も感想文に含める。しかし、感想は、同分野を多く読む程目が肥えてくる等の読書遍歴と読書時の心情が大きく影響するのも確か。畢竟読解は、人それぞれ。同じ本をどう感じたのか他の方の感想文を読むのも楽しみの一つ。

ここを通して良書の情報交換及び知的交流ができ、自分に合った本に巡り合え、読書をより楽しめたら嬉しい。どうぞよろしくお願い致します。


「古今を通じて良書は最善の友である」タッパー

2020/12/20更新

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