悪いことはしてないんだけど、読みながら後ろめたいドキドキが止まらない！殺意はなかったのに一瞬の激情で隣に住む6歳の子どもを森で殺してしまった12歳のアントワーヌ。捕まってしまうのか、逃げ切れるのか、物語はどっちに転がるか全くわからないまま進んでいく。その間のアントワーヌの気持ちの浮き沈みがやたらわかってしまう！あぁもうダメだ。いや、やり過ごせるのでは!?なんかもう吐きそう…とか。そんな状態が続き少年は大人になり、さらに災難が訪れる。そして思いがけないラストと最後のページ。ピエール・ルメートルにハズレなし！

ほぼ10年前にジョーカーゲームを読んで、スパイなのに上司にしたいとか思ってたわ。敗れざる者。戦時下のがんじがらめの体制や思想のなか、それぞれの矜恃を持つ男たち。勝つことはできなくても。クロサキを出し抜く雲雀がおもしろかった。

螺旋プロジェクトの最後。誰がメインなのか、次から次へと出てくるカタカナの人物たちに、あコレついていけないかも、と挫折の予感。それでも懐かしいキーワードが現れると、やっぱり物語は繋がってるんだと。でも今までみたいに山と海の激しい対立はほとんど無いのが少し寂しくさえ感じられた。本当はひとつになりたいからふたつに分かれる。これまでの物語たちはそれの長い前フリだったんだね。王子と姫と美しい天使。こうして螺旋プロジェクトは幕をおろす…のか？

インタビュー形式でひとりの女性の生涯が見えてくる。戦後、バブル期、コロナ禍と、豊かで安心して暮らせる世の中なんてあったんだろうかと思えてきた。人々に語られるハルさんも、お金は持っていたけれど自分の思うようなワガママな生き方は叶わなかったと思う。多かっただけに、それ以外が寂しいひとだったんじゃないかな。経済はいつの時代もヘタクソにまわってる。

悪いことはしてないんだけど、読みながら後ろめたいドキドキが止まらない！殺意はなかったのに一瞬の激情で隣に住む6歳の子どもを森で殺してしまった12歳のアントワーヌ。捕まってしまうのか、逃げ切れるのか、物語はどっちに転がるか全くわからないまま進んでいく。その間のアントワーヌの気持ちの浮き沈みがやたらわかってしまう！あぁもうダメだ。いや、やり過ごせるのでは!?なんかもう吐きそう…とか。そんな状態が続き少年は大人になり、さらに災難が訪れる。そして思いがけないラストと最後のページ。ピエール・ルメートルにハズレなし！