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2025年1月の読書メーターまとめ

こひつじ
読んだ本
3
読んだページ
937ページ
感想・レビュー
3
ナイス
5ナイス

2025年1月に読んだ本
3

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

こひつじ
ネタバレ1970年代、朴正熙政権時代の高度成長のさなかの韓国。各短編が厳しい検閲を潜り抜けるために、さまざまな媒体に散発的に発表されたという。数学教師の語りから、いざりとせむしの話へ、そしてこびと一家の話へ、そこからピラミッドの底辺から頂点にいる人々それぞれに光があたり、彼らの影が映し出され、再び話はぐるりと戻ってくる。執筆に制約が加えられたからこそ、この構成の美しさと、過剰さと無縁な平易な文体が生まれ、苦しみばかりがもたたされる生の悲しさと美しさが描き出せたのだろう。そして、分断と搾取の構図はいつもある。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
3

こひつじ
語り手による暴力の中を生き延びてしまった人たちの物語。同時にそれは、「語り」という行為に魅せられた人の物語でもある。語りたい、語らずいられないということは、語りの対象に激しく自分の心を掴まれてしまったという、ある種の暴力に晒された後の姿でもある。そして、その暴力は語る自分の空虚さを忘れさせてくれる、とても甘美なものなのだ。
こひつじ
ネタバレ1970年代、朴正熙政権時代の高度成長のさなかの韓国。各短編が厳しい検閲を潜り抜けるために、さまざまな媒体に散発的に発表されたという。数学教師の語りから、いざりとせむしの話へ、そしてこびと一家の話へ、そこからピラミッドの底辺から頂点にいる人々それぞれに光があたり、彼らの影が映し出され、再び話はぐるりと戻ってくる。執筆に制約が加えられたからこそ、この構成の美しさと、過剰さと無縁な平易な文体が生まれ、苦しみばかりがもたたされる生の悲しさと美しさが描き出せたのだろう。そして、分断と搾取の構図はいつもある。
が「ナイス!」と言っています。
こひつじ
ネタバレ「魔」となることのある「間」を恐れるところに「むなしさ」が生まれる。人の心の発達にその根っこを探れば、母子一体化のユートピアを失う所にあると言う。胎児期の「密」(ミツ=「蜜」に通じる)は失われ、「血」「乳」「父」と(チ)へのつながりへと移行させられる。この「むなさしさ」は無意識領域である心の沼にそっと置いて味わうものであり、意識をオフに近づけて遊ぶことでやり過ごせ、母子一体の代替としての文化もそこから生まれる。 フロイトの心理学を土台にしつつ、表音文字の意味連関で「むなしさ」を捉えているのが面白かった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/02/16(4020日経過)
記録初日
2014/01/02(4065日経過)
読んだ本
568冊(1日平均0.14冊)
読んだページ
163943ページ(1日平均40ページ)
感想・レビュー
38件(投稿率6.7%)
本棚
0棚
性別
血液型
A型
現住所
東京都
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