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2025年12月の読書メーターまとめ

湿原
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感想・レビュー
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2025年12月に読んだ本
5

2025年12月のお気に入り登録
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  • wadaya

2025年12月のお気に入られ登録
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  • Yuri Sato
  • wadaya

2025年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

湿原
砂丘モードというシリーズが有名な、写真家植田正治の生涯と写真群を紹介する一冊。紹介された写真の中でも、『少女四態』『カコとミミの世界』『妻のいる砂丘風景(Ⅲ)』『さくらを持つ少年』『白い道』はとりわけ印象が深い作品である。 おそらくであるが、これらの写真に共通しているのは空間の絶妙な使い方である。これを言葉に表すことは非常に難しい。写真芸術には、どうしても言語化しきれない領域があるからだ。 しかし、あえて音楽で例えるなら、それは一種のリズム感のようなものだろう。→
湿原
2025/12/17 17:15

これらの写真を何度見返しても飽きがこないのは、そのリズムが画面全体に流れているからだと思う。またモノクロ写真ゆえに、情報量が少ないからこそ、被写体の特徴が浮かび上がってくる。 戦後の土門拳が牽引したリアリズム主義とは正反対のスタイル、つまり演出写真を、植田正治は得意としたが、後期はリアリズム寄りの撮影に挑戦している。 また旅嫌いで山陰地方を中心に撮り続けた植田であるが、晩年はヨーロッパにてスナップ撮影を行った。この作品群も趣深い。なぜここまで人を惹きつけるのだろうか。→

湿原
2025/12/17 17:15

本書を最後まで読んでこの問いを考えてみた。それは、彼があくまでアマチュア精神で撮影し、撮りたいものを撮っていく自由なスタイルを貫いていたからだろう。この自由なスタイルを維持もしくは拡張していくことほど難しいものはない。亡くなる最後まで写真機を手に取り、撮影を続けたその熱意、そして植田の真骨頂である演出写真を止揚しつつ、違うジャンル、違うスタイル、違う場所でも果敢に写真を撮り続ける彼の姿に心を打った。

が「ナイス!」と言っています。

2025年12月にナイスが最も多かったつぶやき

湿原

仏教関係本、写真関係本、『失われた時を求めて』、『実践理性批判』、『純粋理性批判』読書会の要約作業などなど、幅広いジャンルを読み書きできた。2025年11月の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:1603ページ ナイス数:184ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/464017/summary/monthly/2025/11

が「ナイス!」と言っています。

2025年12月の感想・レビュー一覧
5

湿原
写真には基本的に「良い」ものと「悪い」ものがあるわけではない。写真自体は記録するものであり、たとえ構図やピントが悪くても伝達媒体として機能するだろう。しかし写真芸術としては「良い」「悪い」の区別はあるだろう。「悪い」写真であればそれはアートにはならない。しかし川内倫子さんの『うたたね』写真群にはこの良し悪しを超越したところにある。彼女の作品の中には、構図が崩れていたり、ピントが合わずブレていたり、真っ黒に写った写真が存在する。単体で見れば明らかに失敗作と感じられるものもあるが、それらをあえて写真集の中に→
湿原
2025/12/21 15:45

よく世界を見渡せば、私たちは日常の至るところで死に出くわしているはずだが、それを無意識に避けて生きているのではないだろうか。しかしこの写真集は、その距離の近さをはっきりと突きつけてくる。そこには温かさも冷たさもなく、ただ死があるだけである。このような構成ゆえに、『うたたね』は鑑賞者の状態によって印象が大きく変化する。体調が良いときには、題名の通りうたたねをするような心地よさがあるが、疲れているときに読むと、重く、時に苦しく感じられる。→

湿原
2025/12/21 15:46

彼女の作品は感情を導くのではなく、鑑賞者の心の状態をそのまま映し出す。『うたたね』は、私たち自身のありのままを静かに映す鏡のような写真集なのだと思った。

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湿原
砂丘モードというシリーズが有名な、写真家植田正治の生涯と写真群を紹介する一冊。紹介された写真の中でも、『少女四態』『カコとミミの世界』『妻のいる砂丘風景(Ⅲ)』『さくらを持つ少年』『白い道』はとりわけ印象が深い作品である。 おそらくであるが、これらの写真に共通しているのは空間の絶妙な使い方である。これを言葉に表すことは非常に難しい。写真芸術には、どうしても言語化しきれない領域があるからだ。 しかし、あえて音楽で例えるなら、それは一種のリズム感のようなものだろう。→
湿原
2025/12/17 17:15

これらの写真を何度見返しても飽きがこないのは、そのリズムが画面全体に流れているからだと思う。またモノクロ写真ゆえに、情報量が少ないからこそ、被写体の特徴が浮かび上がってくる。 戦後の土門拳が牽引したリアリズム主義とは正反対のスタイル、つまり演出写真を、植田正治は得意としたが、後期はリアリズム寄りの撮影に挑戦している。 また旅嫌いで山陰地方を中心に撮り続けた植田であるが、晩年はヨーロッパにてスナップ撮影を行った。この作品群も趣深い。なぜここまで人を惹きつけるのだろうか。→

湿原
2025/12/17 17:15

本書を最後まで読んでこの問いを考えてみた。それは、彼があくまでアマチュア精神で撮影し、撮りたいものを撮っていく自由なスタイルを貫いていたからだろう。この自由なスタイルを維持もしくは拡張していくことほど難しいものはない。亡くなる最後まで写真機を手に取り、撮影を続けたその熱意、そして植田の真骨頂である演出写真を止揚しつつ、違うジャンル、違うスタイル、違う場所でも果敢に写真を撮り続ける彼の姿に心を打った。

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湿原
川内さんの写真は一度、Gallery916の個展「The Rain of Blessing」にて拝見したことがある。その時の私は彼女の写真にただ美しいとしか形容できなかった。 それから約9年が過ぎ、写真集『Illuminance』を手に取って読んだ。これから思ったことを書いていこうと思う。 まず私が感じたのは、皆既日食ではじまり皆既日食で終わる写真のページ構成についてである。 私たちは本を読むとき、因果関係を無意識のうちに探そうとするところがある。→
湿原
2025/12/09 16:43

さて、私は彼女の写真集を読み、プルースト『失われた時を求めて』の一節を思い出した。「美しい作品は、真摯に耳を傾けた場合、われわれをもっとも失望させることになる。われわれが所持する既成概念のコレクションのなかに、そんな個性的な印象に対応する概念などひとつも存在しないのである」(『失われた時を求めて』5 ゲルマントのほうⅠ)これは主人公がラ・ベルマという舞台女優の演技をはじめて鑑賞したとき、予想と違って幻滅したが、2回目に彼女の演技に感嘆し、その美について理解したときを記した一節である。→

湿原
2025/12/09 16:44

私はこの一節が川内倫子さんの写真にも同じように当てはまるのではと思う。 彼女の写真にはわれわれが所持する既成概念は存在しないからだ。 既成概念群の間隙に存在するゆらぎを撮影しているからであり、その写真には個々の未知なるものを引き出さなければ、本質を理解することはできないだろう。 これこそ本当の美であり、写真芸術の本髄であると私は感じたのである。

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湿原
本書を読み進めてまず痛感したのは、解説書でありながら一読ではほとんど理解が追いつかなかったということである。とりわけ「自由」の概念や、道徳法則と最高善の関係といった核心部分は抽象性が高く、カントの議論を繰り返し追っているにもかかわらず、私自身の理解は未だに五里霧中であり、本書を読んでもそれは変わらなかった。『実践理性批判』本体と同じく、繰り返し読み、時間をおいて熟成させなければ理解に至らない書物だと改めて感じた。
湿原
2025/12/07 21:12

そして方法論で出てくる「誘惑に屈せず実直であれ」の例を読んだとき、私は遠藤周作『沈黙』のロドリゴを思い出してしまった。彼は道徳法則に反した選択をするが、私はどうしても彼が“誤っている”とは思えない。むしろ、他者の苦しみを前にしたときに義務を貫き通すことの難しさ、人間の限界のようなものが浮き彫りになっている気がする。こうした文学との対話ができた点は、自分にとって大きかった。理解はまだ断片的だが、だからこそ次につながる読書になったと思う。→

湿原
2025/12/07 21:13

単に整理して終わりではなく、カントの議論を自分の生活や判断にどう活かせるか、そしてその限界はどこにあるのかを、これからもゆっくり考えていきたい。

が「ナイス!」と言っています。
湿原
題名の通り、カメラの技術の話ではなく、写真を撮ることで、どのように世界を見るかという視点で書かれている。構図などの撮影技術に関する章もあるが、この書籍で一番伝えたいことは、「写真とは何か」、そして「私たちは写真とどのように向き合うべきなのか」であり、著書は写真撮影について、暗闇の中で答えを探すようなとても孤独な作業としている。このように書くと暗いテーマに見えるかもしれないが、全体的にはどのように楽しく、そして自分だけの写真を撮れるかを述べているので、写真好きの人でなくても楽しめる書籍なのではないかと思う。
湿原
2025/12/06 16:46

私はJPEG撮って出し派であり、スマホで写真を撮ることをあまりしてこなかったが、本書を読み、編集の大切さとカメラでなくても、目の前に素晴らしい被写体があれば撮るべきである……ということを学べたのは良かった。ただ編集は奥が深いので、自らの感性が受けた被写体を忠実に再現するのは、私にとって至難の業である。だから写真よりも被写体に対してじっくり見つめていく必要があるのではと思った。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/05/21(4249日経過)
記録初日
2014/05/05(4265日経過)
読んだ本
416冊(1日平均0.10冊)
読んだページ
133716ページ(1日平均31ページ)
感想・レビュー
392件(投稿率94.2%)
本棚
24棚
性別
職業
自営業
自己紹介

湿原と申します。思考しながらの読書を実践しています。ゆえに遅読ですが、じっくり読書を楽しんでいます。よろしくお願いいたします。
【追記】2025年から写真趣味を再開しました。写真集や写真論の書籍をよく読むようになりました。

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