読書メーター KADOKAWA Group

2024年3月の読書メーターまとめ

佐屋
読んだ本
11
読んだページ
4678ページ
感想・レビュー
11
ナイス
216ナイス

2024年3月に読んだ本
11

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

佐屋
安心信頼の澤村伊智作品。やはり巧い。同じ登場人物でも、語り口、切り取り方によって恐怖の質が変わる楽しさがあるので、シリーズものでもダレずに飽きない。何より、描かれる怪異もさることながら、ふとした瞬間に滲む人間の悪意の描写が、とっても素敵にいやな気持ちにさせてくれる。すき。表題作と「とこよだけ」のすっぱり終わる切れ味のよさがよかった。ただ、個人的にはそろそろ爆弾級のヤバい恐怖に出会いたい。読んだら眠れなくなるほどのやつを求めてる。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

佐屋

気になっていたハノックのキャロットケーキ、お取り寄せしたのですが、とってもおいしい。スパイスがきいたお菓子自体がだいすきなんだけども、甘すぎなくてレーズンやナッツがごろごろ入っていて、口の中がしあわせになる。1つ一度に食べるのはもったいないので、写真撮った後半分にしました。

気になっていたハノックのキャロットケーキ、お取り寄せしたのですが、とってもおいしい。スパイスがきいたお菓子自体がだいすきなんだけども、甘すぎなくてレーズンやナッツがごろごろ入っていて、口の中がしあわせになる。1つ一度に食べるのはもったいないので、写真撮った後半分にしました。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
11

佐屋
わたしが今推している作家、それが献鹿狸太朗である。待っていた2作目、やはりこの人は文章がうまい。これが漢字と語彙の暴力かと云わんばかりに滔々と語られる、他人が舐め尽くした後の生活の沈渣、その澱の溜まった底の下に更なる地獄があるのだと数多の糞虫を見下ろして悦に入る主人公だが、結局彼の啜る上澄みは世間が垂れ流した糞尿泥濘のそれでしかないのである。純文学のトレンドなのか何なのか、表層だけを追う身ながらも近頃は何か似たような文体ばかりだなと思うけど、しかし献鹿狸太朗は唯一無二だと思う。この道を直走ってほしい。
佐屋
2024/03/31 21:18

ネタバレだから書かないけど、読み終えた後に土井の「はじめまして、桜子さん」の文章を読むと心臓が縮むような、尚むごたらしい思いになるのだった。「地ごく」の回収の仕方が最高。【負の塊の化け物など、正に干渉するだけで悪なのだ】【なんにもない自分に神様が下すった美しい厭世、今の久野を支える唯一の蛍火】【地獄に堕ちるこは罪を犯した者なのかもしれないが、地獄に堕ちる人間によって現世を地獄にされている生き物の方がずっと苦しく救いがなかった】どうやったらこんな文章が書けるのだろ、薦め難いがしかし推したい、たまらなくいい。

が「ナイス!」と言っています。
佐屋
安心信頼の澤村伊智作品。やはり巧い。同じ登場人物でも、語り口、切り取り方によって恐怖の質が変わる楽しさがあるので、シリーズものでもダレずに飽きない。何より、描かれる怪異もさることながら、ふとした瞬間に滲む人間の悪意の描写が、とっても素敵にいやな気持ちにさせてくれる。すき。表題作と「とこよだけ」のすっぱり終わる切れ味のよさがよかった。ただ、個人的にはそろそろ爆弾級のヤバい恐怖に出会いたい。読んだら眠れなくなるほどのやつを求めてる。
が「ナイス!」と言っています。
佐屋
芦花公園作品を読むのは本作で2回目なのだが、前に読んだ時も感じたように、どうにも合わない。因習に囚われた村で起こる怪異という垂涎もののテーマに惹かれ早速読みだしたものの、冒頭の「頷き仏」から、登場人物が何故そんな行動を取るのかが全く分からず頁が中々進まない。というか、全体を通して人物のキャラクターが定まっていないように感じる。厭なホラー展開は大変すきなのだけども、もっと心理描写にも筆を割いてほしい。ホラーとしての後味悪さでなく、展開のためにとってつけたようなあれこれにこそもやもやした。
が「ナイス!」と言っています。
佐屋
ネタバレ真夏の裁判が閉廷する。何故、誰が、何が正しいのか。自殺は自分を殺すことという、あえて述べるまでもない事実に物語は行き着くのだが、本作の肝は「本当の」真実を導くことではないのだから、それでよかったんだろう。何が真実かはわからない、柏木少年は死者で語ることは出来ない。聖書に「ソロモンの審判」という一節があるけども、そこでソロモンは当事者以外判断しようがない争いにある裁定を下す。裁定者が常に真実を語るとは限らない、そのシンプルな事実に中学生の彼彼女達は真摯に向き合ったのだ。本作のソロモンは誰だったんだろうね。
が「ナイス!」と言っています。
佐屋
遂に学校内裁判開廷。優秀過ぎる中学生とは確かにその通りなのだけど、しかしやはり中学生じゃないと成立しにくい話なんだろう。「ごっこ」だからこそ生々しく見えてくる証人の背景、検事も弁護士も当事者として事件に深く向き合えること。私の通った公立中学にも、確かにめちゃくちゃデキる子もちょっと落ちこぼれ気味の子も等しくいたけど(当の私は限りなく無味無臭平凡)、考えてみれば、自分の何の選択もなく放り込まれるコミュニティって中学が最後だった。一体彼彼女達が、どんな真相に辿り着くのか、このままの勢いで読み切りたい。
が「ナイス!」と言っています。
佐屋
学校内裁判に向け、検事側弁護側双方は調査を開始する。その過程がじっくりと描かれる4巻。読み手はどちらの調査内容も当然知り得るのだけど、それでもまだ何が真実なのかは見えないまま、むしろかえって分からなくなるほど。真実の裏にもう一つの真実があるのではないか。真実の裏が偽りとは限らないのではないか。以前に登場した人物が、改めて別の視点から描写されると、全く違う印象になるのも、何とも複雑な思いをさせられる。誰も嘘を言っていないんじゃないかと思うが、だったら、この物語はどう決着するんだろう。
が「ナイス!」と言っています。
佐屋
自分たちで真実を見つける。「学校内裁判」開廷が決まり、物語も新たな局面へ。子どもを遠ざけようとする「尤も」な大人の言い分は、自然主人公側に立つわたしにも気持ちの良いものではないけれども、でもわたしもいい大人だから、一方でそれなりにその気持ちも分かってしまうのである。涼子達が行うのは結局「裁判ごっこ」なのだ。彼女達を見守る北尾先生達もそれを分かっている。でもその上でそれを尊重している。中学生の、やっと大人の入口の入口に立とうとしている年頃の、まだ残った幼さからくる率直さ。多分高校生だったらこうはならない。
が「ナイス!」と言っています。
佐屋
どうしよう、めちゃくちゃに面白い。こんなに1日中頁を追っているのは久々じゃないか。「人間は弱く強い」或いは「強く弱い」。文章にするとひどく陳腐な矛盾だけれども。様々な人物のともすれば矛盾した様々な顔を読み手は知るけども、一方、2巻を終えても、この「事件」の発端である柏木少年の素顔は一向に見えないまま。彼は何故死んでしまったのだろう?彼はどんな人だったんだろう?残された人は、答えを探すか、或いは時が問い自体遠くに押しやるのを待つか、選ぶことができる。持ち重りする選択。自分自身の中学時代を思い返してしまうな。
が「ナイス!」と言っています。
佐屋
急に宮部作品が読みたくなり、すぐさま買いに行く前々から気になっていた『ソロモンの偽証』。5、6年前の作品の印象でいたけども、文庫化刊行ですら10年前なのだった。1巻時点ではまだ物語は動き出してすらいない、といった感ながら、しかしスローな展開に反し頁をめくる手は止まらない。地に足のついた丁寧な文章の運び、様々な人物の視点から描かれる心情は、どれもリアルで時にいやらしく、宮部みゆき、凄いの一言。高校時代、私は宮部作品愛読者だったのだけど、ああやっぱりすきだと改めて気付かされる。早速次巻へ。
が「ナイス!」と言っています。
佐屋
読むと呪われる本『ゆうずど』を巡る連作短編集。1編々々完成度が高くひねりがきいて飽きない、これは面白かった。「あなた自身が当事者になる」のあおりの通り、呪いが連鎖していき読み手を巻き込んでいく作りなのだが、その怖さ以上に呪いに呑まれていく人間の描写がうまい。ことごとく救いがない、いや〜な小説である。最後の尻切れ蜻蛉感は否めないものの、おすすめしたい1冊。最近は文庫も高いなあと思うけども、古本屋や図書館で見かけたら是非読んでみてほしい。
が「ナイス!」と言っています。
佐屋
銃乱射事件によって廃墟化した遊園地に、謎の富豪によって招待されたゲスト、そして起きる凄惨な殺人。舞台設定は大変好みなのだが、如何せん人物造型が甘く、展開に入り込めず。前半、名乗る前に佐義雨の名前が地の文に出るという校閲漏れから、早くも気持ち詰まりだしたかも(慣用句かと調べてしまった…)最後に明かされる犯人の動機もそうなのだが、登場人物の諸々の言動に納得感がない。でもコンビニスキルの汎用性の高さはおもろい。え、コンビニバイトシリーズだった?って思っちゃった。ただ廃墟ファンたるもの、現場の物の持ち帰りはだめ。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/06/26(3591日経過)
記録初日
2014/06/20(3597日経過)
読んだ本
1581冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
429998ページ(1日平均119ページ)
感想・レビュー
1567件(投稿率99.1%)
本棚
11棚
現住所
神奈川県
URL/ブログ
https://note.com/mu0s
自己紹介

ふとんにくるまって本を読むのがすきです。漫画の登録は気まぐれ。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう