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2024年4月の読書メーターまとめ

rinakko
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感想・レビュー
9
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111ナイス

2024年4月に読んだ本
12

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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19世紀におけるゴシック小説が果たした役割を読み解く、“戦術”という切り口が頗る面白かった。フランス革命、バラッド的テーマの流行、当時の自己保存の思想…などが重なって生まれた特異なジャンルが、新しいヒロイン像を描くことで、家父長的な文化に異議を唱えたり女性解放のテーマを推し進めることになっていく。『ユドルフォの謎』の想像力と空想力の件、『放浪者メルモス』にある結婚というメタファー、『嵐が丘』の「内なる神」という思想、マイノリティ性を抱える人たちのヴァンパイア物語…など、「なるほど!」と頷きまくりだった。
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2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

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2024年3月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:4172ページ ナイス数:139ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4839/summary/monthly/2024/3

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2024年4月の感想・レビュー一覧
9

rinakko
再読(角田源氏は初めて)。「若菜」から「鈴虫」まで。「若菜」は流石の面白さで、容赦ない因果応報の巻。もうそんなことも起こるまい…と安心していた矢先、光源氏に信頼を裏切られた紫の上は、それまで考えてもみなかった将来への不安まで抱く(辛…)。女三の宮を迎えることを決めた光源氏が、以前と同じように紫の上が妬いてくれると思い込んでいる辺り、如何なものか。紫の上から見て、女三の宮は嫉妬するには身分が高過ぎるし、そもそういう気持ちが薄れて心が離れつつあることもわからないのか…など。女三の宮もただ気の毒で…。
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再読。目白連作の短篇集、面白くてつい読み耽ってしまう。未熟で鈍感な自己愛を持ち、慢性的な幸福に陥った人たちの “憎々しいおかしさ” が、これでもかと絶妙な按配に描かれていて堪らない。とりわけ、長々しい手紙を書く癖(ヘキ)をお持ちのアキコの造形には引きこまれた。(“おちこぼれ系” のおばさんや桃子たちは相変わらず)
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rinakko
ダンテの抱いた神の真理に近付くことへの絶望の深さが、この作品を書かせたのかと思うと気が遠くなる。以下、解説からの覚書。神がいる至高天は満たされているので静謐であり、原動天(天使の世界)は最も至高天に近いので神を最も欲し最速で回転する。その愛ゆえに天体は神と一体になろうとして回転する。自由意志は神から人類への「最大の贈り物」で、神との契約(誓願)は自由意志の放棄で成立する。神の本質は知性であり、その知性による認識から自由意志による神への愛がもたらされるとされ、その結果、天上と地上の愛の照応関係が成立する
rinakko
2024/04/22 13:26

(ゆえに、教皇達が神の調和の表現である法を無視するのは駄目)。

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再々読。金井美恵子を読みだすと後を引く(特に目白連作)。善彦がナボコフの『青白い焔』を読んでいたので、私も読み返したくなってしまった。
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とても素晴らしかった。まず、〈らせん訳〉とは何ぞや…それは、A・ウェイリーが成した『源氏物語』の英語版から日本語に訳す〈戻し訳〉が、多層的時間空間を巻き込んでらせん状になる(直線的な翻訳ではない)ことから名づけられた。例えば、光源氏の“光”がシャイニングという単語に置き換わったとき、光源氏のこの世を越えた神々しさが、いつか月に帰るかぐや姫と同様なものとして伝わってくる(だから彼の色好みはゼウスのそれに近い、とか)。源氏物語の重層性(和歌の本歌取りや歴史書への言及など)に共鳴させるように、(続く)
rinakko
2024/04/16 10:33

A・ウェイリー版ではシェイクスピア詩の引用や聖書的語彙が使われている、という話。全12章のうちの2章が末摘花(サフラン姫)に割かれているのにも感嘆した(末摘花はミス・ハヴィシャムで、眠りの森の美女で…)。他にもプルースト『失われた時を求めて』との時空を超えた響き合い…などなど、面白くてわくわくする一冊だった。

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再読(角田源氏は初めて)。今のタイミングで「蛍」の物語論を読むと、「光る君へ」のまひろの声で響いてくるような気がする。そして「藤裏葉」の大団円。おそらくここまでで紫式部は一旦筆を置いたのではないか、という話を聞いた。いよいよ次巻で「若菜」。(あと、玉鬘にねっとり執着する光源氏、普通に気持ち悪いんだが? と思いましたw)
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再読。──“そこに夢見るものなんか、何もないけれど”。『小春日和(インディアン・サマー)』からほぼ10年後の、桃子、花子、小説家のおばさんたちを描いた姉妹作。少し本整理をしようとして目に留まり、懐かしさについ読み耽ってしまった。(フローベール『紋切型辞典』が出てくるとにやにやしてしまう)
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rinakko
引き続き、素晴らしい各歌解説のお蔭でとても面白い。以下、解説からの覚書。ダンテは地獄のような世界を糾弾し、その報われない現実の中で人はいかに生きればよいのかを考察している。煉獄篇は〈友情篇〉という別名を持つ(友情をもとにした調和の世界の再構築)。第九歌から主題と表現が更に高度化し、読者にアレゴリー的解釈を呼びかけている。愛と自由意志との関係の前提に、タブラ・ラサ「白紙」理論がある(神がそこに“第一概念”を書き込む)。第21歌から第26歌までの主題は詩。
rinakko
2024/04/08 19:15

可能的知性(事物の認識を可能にする能力としての知性)があって初めて人は神と対話できる。そしてダンテはその対話を〈愛〉と呼ぶ(〈愛〉の捉え方の違い→清新体派からの決別)。

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19世紀におけるゴシック小説が果たした役割を読み解く、“戦術”という切り口が頗る面白かった。フランス革命、バラッド的テーマの流行、当時の自己保存の思想…などが重なって生まれた特異なジャンルが、新しいヒロイン像を描くことで、家父長的な文化に異議を唱えたり女性解放のテーマを推し進めることになっていく。『ユドルフォの謎』の想像力と空想力の件、『放浪者メルモス』にある結婚というメタファー、『嵐が丘』の「内なる神」という思想、マイノリティ性を抱える人たちのヴァンパイア物語…など、「なるほど!」と頷きまくりだった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/07/22(6066日経過)
記録初日
2008/02/17(6222日経過)
読んだ本
3502冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
1052559ページ(1日平均169ページ)
感想・レビュー
1770件(投稿率50.5%)
本棚
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性別
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/rinakko_may
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