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2024年5月の読書メーターまとめ

rinakko
読んだ本
13
読んだページ
4473ページ
感想・レビュー
9
ナイス
75ナイス

2024年5月に読んだ本
13

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

rinakko
とてもよかった。まず耽美で残酷かつ甘苦い毒滴る作風が好みで堪らないのだが、人の嗜虐性や暴力、どす黒い憎悪(例えば人々を“魔女狩り”へと駆り立てるものの正体)をきっちり描く筆致にも痺れる。表題作では“幽霊とは思考の産物” という件からの、己が己であることの確かさがぐらぐら揺るがされ、自己確立の脆さを突き付けられる展開が頗る響いた。「4W」はシスターフッドの物語としても読めるしそこが好きでもあり、「ウィッチクラフト≠マレフィキウム」で見据えているものは性別に関係なく誰もが考え続けるべきことなのだろう…とも思う
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2024年5月にナイスが最も多かったつぶやき

rinakko

2024年4月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:3980ページ ナイス数:111ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4839/summary/monthly/2024/4

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2024年5月の感想・レビュー一覧
9

rinakko
『人類のヴァイオリン』を愛読してきたので、全三歌集はとても嬉しい。〈サンダルの青踏みしめて立つわたし銀河を産んだように涼しい〉〈めざめれば又もや大滝和子にてハーブの鉢に水ふかくやる〉〈さみどりのペディキュアをもて飾りつつ足というは異郷のはじめ〉〈ゆえ知らずわれに湧きくる不安をば珍熱帯魚として眺むるも〉〈きょうもまたシュレディンガーの猫連れてゆたにたゆたに恋いつつぞいる〉〈躰とは脈うつ大陸それぞれの孤独な奴婢に統べられながら〉〈超新星ばらまき猫という猫の硝子へだてて耳うつくしき〉
rinakko
2024/06/01 11:49

〈みずからを誰もが《われ》と思いつつこの世の埃吸いこみている〉〈君に背を向けて地球を一周しまた戻りくる音速われは〉

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rinakko
再読。病に伏した皇帝カレル四世と3人の側近たちのチェコ版『デカメロン』な設定で、この時代のチェコの雰囲気は格別。ただ、様々な女性についての21篇なのに、如何に敬虔かつ貞淑か(或はその逆か)の話になりがちではある。あと、カレル四世が夫として誠実であろうとしたのはわかるけれど、3人の妻が若くして出産後数年の内には亡くなることに淡々と触れているのが、今回は辛かった(王は独身ではいられない…)とりわけ好きだったのは「オルガ」「ブランカ」「スヴィードニツェのアンナ」──"王たるものは妻に愛されるべきなのだろうか?”
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rinakko
再々読。二度と同じ模様にならない言葉たちの万華鏡を覗くよう。“ほとんどの単語は平和条約を結び合っている。ぶつかり合うことがあっても、すぐに抱き合ってしまう。相手の顔を見なくても済むように。(略)ふたつの単語が出会って、わたしたちの自由を奪う。たとえば、巨匠と文学、声と民主主義、休暇と自然。うんざりするような組み合わせを見ると、肺に力が入らなくなる。” “文字たちと尼僧たちは海に向かって走り出し、睡蓮の刺を探すために、衣の裾をめくりあげて、ひらひらと砂浜を渡っていく。自分の肖像画と似ている人が滅多にいないの
rinakko
2024/05/24 18:59

と同様、昼食の席で緑色のくしゃみをしながら熱帯の沼地を思い浮かべる人間もめずらしい。

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rinakko
とても読みやすくて面白かった。そも、チェコという国の一貫した通史を書くことはできるのか。中世のチェコ王国と現代のチェコ共和国を、単純につなげて解釈するのは違うのでは…という観点から、時代ごとに特定の人物をとりあげることでチェコ史をたどっていく。お目当てはカレル四世の時代だったけれど、もっと遡ったモラヴィア王国や聖人アネシュカの章も読めてよかったし、ハプスブルク家の崩壊後の 経緯も、そういうことだったのか…と興味深い内容だった。(窓外放擲事件の件があると、思わず「待ってました」となってしまうw)
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rinakko
原書での意図に沿うようにつけられたという日本語版タイトル(同名の短篇はない)が、内容にぴったりで素敵だ。選んだ訳ではない与えられた環境にいる、間違いみたいに生まれた世界にいる、旅路の果てにたどり着いた星にいるそれぞれの登場人物たちを、一見頼りなくか細い線(でも確かな)で繋いでいく読み心地だった。例えば、その世界からは出ていく者と、何処へも行けずに見送る者とのすれ違いほどの邂逅と別離を描いていても、それを哀しい物語にはしないところがとてもよかった。好きな作品は「ブレスシャドー」「古の協約」「キャビン方程式」
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rinakko
とてもよかった。まず耽美で残酷かつ甘苦い毒滴る作風が好みで堪らないのだが、人の嗜虐性や暴力、どす黒い憎悪(例えば人々を“魔女狩り”へと駆り立てるものの正体)をきっちり描く筆致にも痺れる。表題作では“幽霊とは思考の産物” という件からの、己が己であることの確かさがぐらぐら揺るがされ、自己確立の脆さを突き付けられる展開が頗る響いた。「4W」はシスターフッドの物語としても読めるしそこが好きでもあり、「ウィッチクラフト≠マレフィキウム」で見据えているものは性別に関係なく誰もが考え続けるべきことなのだろう…とも思う
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rinakko
再読。素晴らしかった。遠い日々の記憶が弛んで寄り集まり、褪色したモザイク模様になる。過去に凝る茫洋とした時間の淵から掬い上げられる、鮮やかなイメージと繰り返すその語り直しに、ふと眩暈する読み心地だった。とりわけ、何度も出てくる “まゆみの生垣” をめぐらし曲がりくねった狭い道の描写は、時間を行き来してとめどない語り口そのものとも重なる。“それとも、いつかこの今の瞬間、今こうして見ている月と、この道と、風と、こうして今わたしの感じているすべての感覚を思い出すことがあるだろうか。”
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rinakko
偏愛本。子どもの頃から繰り返し読んだお話。メアリとコリンが大人たちに都合のいい ”良い子“ ではないところが、今も昔もこの作品を好きな理由として大きいことを、あらためてしみじみ(かんしゃくをかんしゃくでもって鎮めるとか素晴らしいw)。そして『デカメロン』を読んだ時もそうだったけれど、文学の中で描かれたパンデミックについて、そこに居合わせた人々の恐怖を少なからず身を以て知った今だから、そこは感じ方が違っているはず。幼いメアリがひとりで味わった怖さを思うと、“秘密の花園”や友達に出会えて本当によかったねぇ…と
rinakko
2024/05/09 13:00

昔読んだ本は手元にないので、愛蔵するのにぴったりな素敵な装幀でお迎え出来てとても嬉しい

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rinakko
先日の『神曲』の訳注でボッカッチョに触れている箇所が幾つもあり、ますます読んでみたくなった。まずは上巻の3日分(1日に10人で10話)。一日目はまだ小手調べな感じで、二日目以降からじわっと面白くなる(まあ、概ね大らかにエロい…w)。ダンテの聖職者批判とも通底する話や、ダンテのパロディのようにも読める話があって興味深いし、シェイクスピア作品の材源になった話を読めたのもよかった。『終わりよければすべてよし』を読んだ際のあのもやもや~っと割り切れない感じが、元になった話には殆どない(大らかにエロいのでw)…とか
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/07/22(5976日経過)
記録初日
2008/02/17(6132日経過)
読んだ本
3463冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
1041662ページ(1日平均169ページ)
感想・レビュー
1750件(投稿率50.5%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/rinakko_may
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