読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

かつみす
読んだ本
3
読んだページ
747ページ
感想・レビュー
3
ナイス
50ナイス

2024年10月に読んだ本
3

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • 夜間飛行

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

かつみす
この作品集のなかでこれまで読んだ中島敦の作品は、恥ずかしながら「山月記」と「文字禍」だけだった。今回、全11篇を読み通して、この作家の幅の広さを再認識した。中国古典、南洋もの、そして自伝的な作品が収録されており、文体も雰囲気もそれぞれに異なる。それでも、各作品のテーマが互いに少しずつ繋がり合っているようで、同じ一人の作家の手になる作品であることを実感。中国が西洋列強の植民地にされていた時代のなか、漢籍に強い親族の影響を受けて育ったこと。そんな背景から生じる〈存在への疑惑〉にとりつかれた作家だったのでは。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
3

かつみす
遠い昔に『砂』という作品を読んだ。起伏の乏しい地味な話なのに、なぜか心に残っていた。たまたま、同じ作家の別作品を洋書で読んだが、味わいに共通するものがあった。海辺の小村でつつましく暮らす家族が出会う幼い男児。どこから来たのかも不明で、言葉も話せないその子はアダムと命名され、二人の娘たちの宝になる。季節がめぐって到来したお別れと、新しい命との出会い。派手さのない庶民の暮らしが丁寧に描かれ、物語は地味な現実から離れない。そうでありながら、彼方にある別世界の存在をずっと感じさせるような、不思議な読み心地だった。
が「ナイス!」と言っています。
かつみす
16歳の少年が2歳年上の人妻と関係し、その人生を破壊してしまう。邦訳タイトルから猥雑な内容を想像する向きもあるだろうが、書き手がいちばん力を入れているのは、恋愛をめぐる錯綜した心理を繊細に解剖し、披露することにある。愛しているならなぜこんな思いやりのない態度を取るのか、と首をかしげさせるところが多々あり、この少年には正直なところ共感できなかった(自分が小心な俗人である証)。解説を読み、かなり自伝的な作品であると知ってまた驚き。人生のすべてを凝縮させた十代を駆け抜けてこの世から退場した早熟すぎる才能の産物。
が「ナイス!」と言っています。
かつみす
この作品集のなかでこれまで読んだ中島敦の作品は、恥ずかしながら「山月記」と「文字禍」だけだった。今回、全11篇を読み通して、この作家の幅の広さを再認識した。中国古典、南洋もの、そして自伝的な作品が収録されており、文体も雰囲気もそれぞれに異なる。それでも、各作品のテーマが互いに少しずつ繋がり合っているようで、同じ一人の作家の手になる作品であることを実感。中国が西洋列強の植民地にされていた時代のなか、漢籍に強い親族の影響を受けて育ったこと。そんな背景から生じる〈存在への疑惑〉にとりつかれた作家だったのでは。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/09/13(3727日経過)
記録初日
2014/07/30(3772日経過)
読んだ本
433冊(1日平均0.11冊)
読んだページ
131806ページ(1日平均34ページ)
感想・レビュー
425件(投稿率98.2%)
本棚
4棚
性別
現住所
大阪府
自己紹介

仕事と雑用の合間にちょこちょこ読んでいます。
好きなのは文学。小説が多かったのですが、最近は細切れ時間でも読める詩や古典にも興味がわいてきました。
電子書籍端末も愛用しています。自炊ができるよう悪戦苦闘中。。
(2017.1)

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう