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2023年5月の読書メーターまとめ

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感想・レビュー
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243ナイス

2023年5月に読んだ本
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2023年5月のお気に入られ登録
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  • どりーむとら   本を読み深めたい

2023年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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自分も映像作品を倍速する人なだけに、作品を鑑賞するのでなくコンテンツを消費している、という指摘には概ねうなずけた。情報のあふれる現代はそのように、作品すらも情報として摂取する面はなくはない。だが若い人はさらに事情が異なっている。友達との話題のため作品をチェックする必要があり倍速にするという話には大変だなと思う。またストレスを感じたくないから説明過多のセリフやネタバレを求め、作品の求め方も人が推すものを摂取し、深い突き詰め方はしていない。その意義はともあれ、そういう時代だと理解する必要があるようだ
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2023年5月にナイスが最も多かったつぶやき

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今月の白眉は『帰らざる夏』。陸軍幼年学校という閉鎖空間での心理が読み応えあり。『街とその不確かな壁』もさすがの一品。春樹らしい世界観と前向きな最後は良。再読の『ズッコケ文化祭事件』『うわさのズッコケ株式会社』『ズッコケ結婚相談所』は児童文学の佳品と気づけた。 2023年4月の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:ページ ナイス数:190ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/51204/summary/monthly/2023/4

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2023年5月の感想・レビュー一覧
14

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完全に理解しきれたか自信はないけど、非常に刺激的だった。幾分エリート主義的で保守的に過ぎる感はあるも、その内容はあまりに現代的。著者が規定する大衆は凡俗で平均的な存在だ。しかしその凡俗であることの権利を主張し、それを他者に押しつけようとする。彼らは権利を主張するが義務に関心がなく、自分と違うものを憎んでいる。この辺りは現代のポピュリズムを見るようで目を引く。そんな中著者は貴族の義務を求め、安易に流されず責任を持ち、過去を備え持つことを要求する。胸に留めたい内容だ。また国家観も見るべきものがあり感銘を受けた
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東北の歴史を各時代ごとに叙述していて勉強になる。雑多な感も受けなくはないが、どの内容も興味深い。個人的に最も目を引いたのは遠藤家文書のコラム。貴重資料の発見に研究者たちが興奮していた様が伝わってくる。他、蝦夷の服属には唐を意識した日本型小中華思想がうかがえること、移民でエミシを服属させていたが予算の関係で在地官人に採用する方針に切り替えたこと、奥州藤原氏が婚姻などで奥州王安倍氏の遺産を受け継いで正当性を訴えたこと、戦国期の奥羽は北と南で別様相だったこと、北奥羽の戦国史の展開などが印象に残った。
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原爆投下当時の絶望にいたたまれない気もちになる。そんな絶望の中でも人は人を助けようとしていたのだけど、彼らに打つ手はなかったし、原爆後には原爆病などで苦しみ、自殺を選ぶ人だっていた。その事実は本当に苦しい。しかしそれでも自殺しない人たちはいたし、絶望しているだけでなく何かをなそうとした人たちもいた。そこには人としての威厳がある。それだけに彼らが味わった恥や屈辱を忘れてはいけないのだろう。そんな人間としての苦しみを起点として核兵器の廃絶を訴えようと願う、平和運動に対する著者の思いが心に響いた。
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十代向けにわかりやすく書かれていて、非常に勉強になる。鎌倉武士という現代から遠い存在を、衣食住、合戦時の様子、武芸、教養、娯楽、宗教、仕事内容、ジェンダー、そしてその後の展開というように、些細なものを含め丁寧に紹介している。個人的に興味深かったのは、有名な熊谷直実の家来は二人しかいなかったこと、よろいのすき間に矢が射られないよう鎧づきという体を揺する行動をしていたこと、などなど。その後鎌倉幕府は滅亡するが、滅んだのは北条氏関連だけで、御家人たちは国人へ変化していく。その流れも含め面白い内容だった。
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ネタバレ名古屋に土地勘があるので必要以上に面白かったが、それを抜きにしても優れた作品だった。まず終戦間もない時代の空気が良い。いきなり男女共学になったことの戸惑いや、戦争の傷跡が残る雰囲気、民主をやたら主張しながら戦前の価値観が残っているところなどは当時の貴重な証言と言え興味深い。そして戦時は戦争賛美を行ないながら、戦後はあっさり態度を変える醜い大人も多かったらしく、表題の意味がわかったときはぞくりとした。ミステリとしてもよくできていて、伏線の貼り方や、ラストと冒頭が重なるあたり見事な出来であった
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ネタバレいろいろ難はあるが、雰囲気は非常に良かった。難と感じたのは、ドラキュラが思った以上に弱いという点だ。実際ドラキュラはラスボスなのに、追手に対して逃げることしかできず、最後の死に方も呆気ない。追う側で唯一死ぬキンシーもドラキュラと直接手を下して死ぬわけでなく拍子抜け甚だしかった。だがおどろおどろしい雰囲気は見事。特にルーシーが少しずつ異常を示すあたりは何が起こっているのかわからず、不穏な空気が漂っているのが良い。吸血鬼としての本性を見せるあたりもホラーらしい味わいが出ており、何かと心に残る一品だった
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面白かった。内容としては、たらればの後悔や恨みつらみをうじうじと語ったもので、そこまでの失敗という感じはなく、失敗の内容も個別の事案で、「学」とつく割に普遍性はないように見える。だが体験したことは事実なだけに生々しくその分、心にぐっと来るし、業界の裏話的な意味でも興味深かった。しかし作家というのは、芥川みたいな芸術至上主義のイメージがあったけど(著者にもそういう自負は多少あるようだけど)、基本的には生活のため小説を書いているのが現実のところのようだ。そのあけすけな感じも個人的には好ましく感じた。
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ネタバレどれもよくできた短篇集。個人的な好みは『雪と泥』。女性経験のないぼんぼんの転落物語で、自業自得と憐れな部分がないまぜになっており痛ましく感じた。『鵜』も好き。出会いがどこか非現実だが、女は実在し事情もある。だが男はそれを知らない。取り残されたゆえの哀切感はしみるものがあった。他 ロマンチックコメディの要素が楽しい『女は同じ物語』、臆病者ゆえに取った方法がユーモラスな『ひとごろし』、性善説すぎるが人間に対する信頼を見るような展開がじんとくる『裏の木戸はあいている』の順で楽しめた。
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内容があまりに悲惨で読んでいる間はきつくて仕方なかった。断片的な証言をいくつも取り上げることで原発事故のとき周囲で何が起きたかを本書は突きつけてくる。事故を矮小化し隠ぺいしようとする政府や、それを信じて防護服もつけずに作業する作業員たち、そして強制的に移住して帰ることを許されない人たちの姿には暗澹とする。だがそうして被ばくして死んでいく作業員や住民たちにも家族がいるわけで、残された家族の悲しみや苦しみは胸に迫ってならない。特に障害を持って生まれる子を産んでしまった親の苦悩は辛かった。必読の書である
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信長の事績を当時の目線で細かく追っており、色々な発見があって興味深く読めた。基本的に事実の羅列だが、そこから信長の人物像が透けて見える。相撲と鷹狩りが好きで、幾分規則に潔癖なところがあり、佐久間みたいに使えない奴には厳しく、敵に対する報復は過剰、そして精力的に行動し果断なのである。1573年以降の動きは慌ただしく、勢力を着実に広げていることがよくわかる。また本書を読むと、秀吉が本当に優秀とわかるし、跡取りの信忠が実績と経験を積んでいることがうかがえ、信忠が生き延びたら違った歴史だったのにと惜しく思えた
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ネタバレ当人や周辺の人物を描くことで梟雄宇喜多直家の人物像を浮かび上がらせている。一作目の『宇喜多の捨て嫁』では非道としか見えない父親だったのが、『夢想の抜刀術』で少年時代の過酷な状況が描写され、『貝あわせ』で直家の純粋な人間像が立ち上がってくる。この構成は見事。特に『貝あわせ』での家族に対する愛や思い、考えはしんしんと胸に響く。この作品では浦上宗景が悪人としか見えないのだが、『ぐひんの鼻』でその宗景の多面性が描かれておりよくできた趣向だった。そうして描き上げられた直家の人生に思いを致すことができた
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自分も映像作品を倍速する人なだけに、作品を鑑賞するのでなくコンテンツを消費している、という指摘には概ねうなずけた。情報のあふれる現代はそのように、作品すらも情報として摂取する面はなくはない。だが若い人はさらに事情が異なっている。友達との話題のため作品をチェックする必要があり倍速にするという話には大変だなと思う。またストレスを感じたくないから説明過多のセリフやネタバレを求め、作品の求め方も人が推すものを摂取し、深い突き詰め方はしていない。その意義はともあれ、そういう時代だと理解する必要があるようだ
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ネタバレ前半の作品はノリが合わなくて全く入り込めなかったが、後半三作品はどれも楽しめた。個人的に好きなのは『ホワイト・ステップ』。雪の上に文字を書くというアイデアから、ファンタジカルでしんみりさせる作品に仕上げる手腕はさすが。それぞれの平行世界での交流が心に残る。『王国の旗』も良い。児童文学のようなファンタジー感がまずすばらしい。子供たちは現実の世界で居場所を見いだせていないのだろう。そんな中少女が逃げることではなく向き合うことで、大人としての一歩を踏み出す展開は印象的であった。
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ネタバレすばらしい小説だった。サスペンス性に富んだ内容で、物語として面白い点がまず良い。同時に差別される側の黒人の心理や社会的な立場も描かれており読み応えある。黒人たちは白人と明確に線引きされており、そのため白人を恐れながらも反発心も持っている。またビッガーは教育もまともに受けなかったせいか短絡的で、それも黒人たちを取り巻く環境の悪い結果と言えよう。裁判では残虐な黒人というステロタイプを当てはめられしまい、ビッガーだけでなく黒人全体が憎悪の対象となる。そこには社会の分断があり、いまだ解決されない分現代的と感じた
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/02/06(5264日経過)
記録初日
2010/11/11(4986日経過)
読んだ本
1884冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
564817ページ(1日平均113ページ)
感想・レビュー
1541件(投稿率81.8%)
本棚
32棚
性別
職業
技術系
現住所
宮城県
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/qwer0987
自己紹介

本が好きな中年化学系エンジニア。
読む本は小説が中心。ほか歴史関係のものを読むことが多い。
好きな作家は、村上春樹、芥川龍之介、川上未映子、アゴタ・クリストフなどなど。

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