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2023年4月の読書メーターまとめ

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読んだ本
11
読んだページ
4068ページ
感想・レビュー
11
ナイス
190ナイス

2023年4月に読んだ本
11

2023年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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ネタバレ面白かった。『世界の終り』のその後を描いたような作品だが、物語が深化しているようで興味深い。壁に囲まれた街というのは、外界からの苦痛をシャットアウトする心的風景の暗喩だろうか。『世界の終り』では街に残るラストだったが、今回は街を出た影の側を描いているように見える。しかし「私」は現実の中を生きているもののその世界に上手く馴染めていない。物語は街に残る側も出る側も否定してはいないが、「私」自身は現実とリンクすることを求めている。そしてその思いがラストにつながっているように見え、わりに前向きな印象を受けた
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2023年4月にナイスが最も多かったつぶやき

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今月は『自転しながら公転する』『82年生まれ、キム・ジヨン』が良かった。前者は30代女性のリアルな恋愛模様が、後者は女性の生きづらさを描く切実な内容が心に残った。また再読の『羊をめぐる冒険』『ダンス・ダンス・ダンス』が傑作であることを再確認した。 2023年3月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:4082ページ ナイス数:184ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/51204/summary/monthly/2023/3

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2023年4月の感想・レビュー一覧
11

qwer0987
ネタバレ面白かった。『世界の終り』のその後を描いたような作品だが、物語が深化しているようで興味深い。壁に囲まれた街というのは、外界からの苦痛をシャットアウトする心的風景の暗喩だろうか。『世界の終り』では街に残るラストだったが、今回は街を出た影の側を描いているように見える。しかし「私」は現実の中を生きているもののその世界に上手く馴染めていない。物語は街に残る側も出る側も否定してはいないが、「私」自身は現実とリンクすることを求めている。そしてその思いがラストにつながっているように見え、わりに前向きな印象を受けた
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聞くための技術を語っているが、基本的に書いてあることはシンプルだ。相手の話を聞くためには話を聞いてもらう技術が必要で、そのためにも相手と同じ場所に体を置き時間を共有し、横にいる第三者として相手に心を開いてもらう、ってとこか。聞くための技術という技術的問題以上に、まずは聞いてもらうという状況をつくりだす。その事実は単純な分だけ真理をついている。対話は下手をすると相手を悪魔化してギスギスした状況に陥らせるが、それを防ぐためにもまずは対話ができる状態にもっていくことが大事なのかもしれない。ためになる内容だった
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物語としてはツッコミどころが多く、ご都合主義的でラストもいまいちだ。だけどかつてズッコケシリーズが好きだった身としては、三人組がどんな大人になったか知れ、そちらの意味で楽しく読めた。基本的な部分はみんな変わらない。ハチベエは行動力があって女好きで思い上がりが強く、ハカセは頭が良いのに要領の悪い面があり、モーちゃんは食いしん坊でのんびり屋。そのキャラのまま、それぞれ大人になり家庭を持ち、働き、人生のしがらみは抱えている。それらすべて納得できる面が多く、旧友に会ったかのような懐かしい気もちにさせられた
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主人公の哀切さがにじみ出たミステリだった。スカダーはアル中で酒の誘惑に幾度もさらされている。そういった揺れ動く心理ゆえか、捜査においても迷いが多いように見える。脅迫のため危害を加えようとした男の骨を折るときも後でぐちぐちと自問するし、疑心暗鬼から拳銃を撃とうか悩む場面などはどこか苦しげだ。そこには英雄に程遠い、弱い人間の姿がある。そしてそれがこの小説の美点だろう。また事件の展開も読ませるものがあり、総じて楽しんで読める作品だった。
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すばらしかった。陸軍幼年学校に進学した省治は積極的に入学したわけでなく、死をこわがる普通の少年だった。だがイデオロギー色の強い閉鎖空間に身を置くうち色々変わっていく。彼の友人鬼頭は硬直化した組織の欺瞞を見抜き退学するが、それとは対照的だ。だから玉音放送を前にして省治たち幼年学校生徒は動揺する。その放送を否定し、戦争継続を目指そうとする者もあれば、聖断を受け入れあっさりと変節する者まで様々だ。そこには滑稽さと醜さと自己欺瞞と身勝手な論理と潔癖さに溢れている。そんなこの時代の空気をうまく救い上げた傑作である
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植物学者だけあって、植物の名前の正確さに対するこだわりはさすがのもの。たとえば藤とフジのように、日本にあるフジを中国の藤に漢字へと置き換えたことでその正確性が失われてしまったことを著者は大いに嘆いている。そしてそういった例はかなり多く、著者は植物の観察結果と文献とを照らし合わせて、何がどう違うのかを懇切丁寧に説明する。そこからは植物をひたすらに愛した著者のこだわりと学者らしい態度が見える。実際学術名にはMakinoの名のついたものがいくつも言及されており、この世界における著者の存在感を示すかのようであった
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賤ケ岳七本槍の視点から同じ小姓であった石田三成の姿を描く。人口に膾炙されたエピソードを描きながら、独自の解釈を多分に盛り込み、新しい三成像と各武将との関係を描いている点が目を引いた。特に対立していた加藤清正と福島政則との関係を新たに立ち上げているのはユニークだ。石田三成は頭もよく、物事がよく見えすぎる人だが、それゆえ七本槍たちの才能や悩みに気づき接する優しさがある。そして新たな政権構想を語り、自分が敗れた後にも家康のために布石を打つ様はすばらしい。そのスケールの大きなほら話に感嘆とした。
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ズッコケシリーズの中で一番好きだった作品だが、思い出補正もなく今読んでも充分面白くて何だかホッとする。とにかくテンポが良く、物語の二転三転具合などプロット構成は鮮やか。だが本書の良さは子供達が出資金を集め大人と同じように会社を作り商売を始めていくことだろう。金の管理もしっかりしていて、実際の会社経営のようなリアリティのある点が良い。労働の大変さも描いており、読み手である子供たちに大人の世界を垣間見せてくれる。エンタテイメントとしても、大人の世界を追体験できるお仕事小説としても楽しめる見事な児童文学だ。
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子供の頃読んだ時は微妙と思ったけど、ふしぎと本書は今でも記憶に残る作品だった。再読してみて記憶に残るのも納得の素晴らしい作品と感じた。親の再婚を巡る話だが、モーちゃんが母親の再婚に賛成しきれない気持ちもわかるし、実父一家のあまりに素っ気ない態度や母親の事実にショックを受ける気持ちもわかる。だがその経験からモーちゃんは自分なりの結論を出せたし、母親にも本音を話せている。そしてそうできたのもハチベエとハカセの友情があったからだろう。大人の事情を描きながらも、子供の自己決定と友情を描き上げる。児童文学の佳品だ
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子供の頃読んだ時は微妙だと思ったけど、ふしぎと本書は今でも記憶に残る作品だった。大人になり再読してみたが、かなり面白い内容にびっくりする。特にこの歳になって気づくのは、子供らの意見に口をはさまず辛抱強く見守る宅和先生の教育者としての姿勢と、新谷先生の屈折した心理だ。特に宅和先生が子供たちの後始末をしていく様はいじましく素晴らしい。子供視点で見ても自分たちで劇をつくり上げる過程はワクワクするし、地味な題材なのに盛り上がるように構成されたプロットは素直に感心する。大人だからこそ心に響く児童文学の名作だ
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世界インフレはウクライナ侵攻以前から兆候はあり、著者は要因をコロナによる傷跡効果に求めている。消費者と労働者の行動変容、グローバル供給網の停滞が供給不足となり世界同時インフレを引き起こす結果となったようだ。日本は物価が上がらず賃金も据え置かれインフレ予測も極めて低い国だ。そんな中海外からのインフレの波で賃金が上がらず、物価だけ上がる状況が続いている。それに対し著者は賃金を解凍させ、インフレ予想を共有させること等を問う。現時点の状況もそういう方向に向かっているだけに、ここで得た知識をもとに注視したい
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/02/06(5255日経過)
記録初日
2010/11/11(4977日経過)
読んだ本
1880冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
563847ページ(1日平均113ページ)
感想・レビュー
1537件(投稿率81.8%)
本棚
32棚
性別
職業
技術系
現住所
宮城県
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/qwer0987
自己紹介

本が好きな中年化学系エンジニア。
読む本は小説が中心。ほか歴史関係のものを読むことが多い。
好きな作家は、村上春樹、芥川龍之介、川上未映子、アゴタ・クリストフなどなど。

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