京極版歌舞伎の原作本。「了」のスピンオフ作品とも言えるかな。京極作品としてはページ数が少ないが、中禪寺洲斎の出自も明かされるし満足の内容。又市達は絡んでなかったのね。彼岸花の呼名がこんなにもあるとは驚き。これ歌舞伎で観たら面白いだろうな。

読み始めてこれはマニアック過ぎたかと心配したが、途中からはその筆致のおかげかグイグイと引き込まれていった。イエスの事はザックリとしか知らないが、何故に皆から崇められその後は蔑まれ策略に絡められて刑場に向かったか。イエスはいつ何時でも人々の同伴者であることを望んだのだろうと思う。イエスという人物像を知る事ができて良かったし、結構面白かった。

初読み作家さん。2つのミステリーが交互に語られていくので頭を切り替えるのが大変。最後の手紙にはウルッときたが、ただのお涙頂戴で終わらせなっかたのが良かった。将来を悲観して目の前の現実から逃げてはいけないというメッセージにもなっていて清々しい気持ちになる。結構複雑な話なので謎がスッキリとしない部分もあった。自分の理解が足りなかったのか。

吉村昭氏との対談が読みたくて借りてみた。やはり面白い。お二人とも同学年で戦争体験者なので話が合うし気に置けない友人の様で読んでいて楽しい。お二人とも気骨があるよなぁ。他に講演録と亡き妻への遺稿。どちらも良かった。

京極版歌舞伎の原作本。「了」のスピンオフ作品とも言えるかな。京極作品としてはページ数が少ないが、中禪寺洲斎の出自も明かされるし満足の内容。又市達は絡んでなかったのね。彼岸花の呼名がこんなにもあるとは驚き。これ歌舞伎で観たら面白いだろうな。

今回は北極圏において狩りをしながらの漂泊旅。相変わらず無謀とも思える挑戦なのだが、目的が漠然としすぎているせいか自分的にはイマイチでした。ただ単にエスキモーやイヌイットの生活に憧れているだけじゃないのとも思える。角幡さんはストイックだけどノー天気で、私の好きな宮田珠紀氏と似ているではないかとハタと気付いた。なんだかんだ言っても犬のウヤミリックは良き相棒だし可愛いくて好き。

水問題に関するルポルタージュ。地球上には水不足で困っている国のなんと多い事か、日本人は川や雨が身近に有り過ぎて水というものの大切さを考えてこなかった。それが今後どう響いてくるのか。外国資本による土地買収の禁止や雨水の積極利用が課題となるだろう。国際河川・国有河川やバーチャルウォーターという言葉を知れたのも良かった。

初読み作家さん。破滅した世界の荒涼たる台地を父と息子2人で歩き続けるロードノベル。何処からきて何処へ行くのか分からない日々を淡々と描く。最後はウルッときてしまった。ピュリッツァー賞を取った作品らしいが、やはり聖書文化が身についていないと本当のところは分からないのだろうな。

久しぶりの再読。ほとんど忘れていたので初期の雰囲気も含め面白かった。なぜ御手洗さんがコーヒーを飲まなくなったのが分かったし「糸ノコとジグザグ」の名前が出てきたのも嬉しい。「水晶のピラミッド」はもうこの時に考えていたのかと感慨深い。それと、浅草橋に関する事件が2件もあったのはなぜなんだろう。と、結構楽しめた。

人間の生命力とはこんなにも凄いものなのかと思わせてくれる一冊。名クライマー山野井夫婦がヒマラヤのギャチュンカン登頂後に数々の困難に襲われる。絶望的状況でも決して諦めないその不屈の精神力が素晴らしい。帰還後は凍傷で手足の指を失うが、また山へと戻っていく。数多の有名登山家や冒険家がチャレンジ中に命を落としているが、一度でも命を削る様な極限状態に身を置くとまたそれを求めてしまうのかもしれない。