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2024年10月の読書メーターまとめ

Major
読んだ本
86
読んだページ
25551ページ
感想・レビュー
10
ナイス
1867ナイス

2024年10月に読んだ本
86

2024年10月のお気に入り登録
16

  • 彩菜
  • Roco
  • yajimayajiuma
  • アナーキー靴下
  • umeko
  • tonpie
  • たまこ
  • のんくん
  • 名無し
  • ミカママ
  • 智湖@ベルばら同盟副会長
  • 玄趣亭
  • だんぼ
  • コニコ@共楽
  • 加瀬しもん
  • kieth文

2024年10月のお気に入られ登録
16

  • 彩菜
  • Roco
  • umeko
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  • たまこ
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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Major
そこに神の手で置かれた西部があるー名優ジョン・ウェインはかつてそう言った。神が試練を人間に施すような大きな命のリズム。鳥を刺殺す団扇仙人掌、憩いの広葉箱柳、そして死者のように転がる厳めしい岩々を乗せて、幾つもの丘を越え河を越え、どこまでも続く赤茶けた砂土のベールの上を、4人の若者を背に乗せ鬣を靡かせ駆け抜けてゆく美しい馬たちのしなやかなフォルムが眸裏に映じて離れない。ハイウェイが走るテキサスを青春そのものが横切っていく。夢、冒険、恋、暴力、そして友情・・・それらが見事に平衡を保って青春物語の傑作を生んだ。
Major
2024/11/20 17:54

新田さんそうですよね。評価の高い映画の方も観ましたが、個人的にはただ1点、あの主人公が正当防衛で殺しを行う場面を。原作と同じようにマトリックスよろしく、部分的にスローモーションで回してほしかった・・・(ただ、全体のバランスを壊す可能性があるので、たぶん駄目でしょうけれど。

Major
2024/11/20 17:54

原作のあのシーンは、マルケスの『予告された殺人の記録』の殺しのシーンを思い起こさせてくれました。殺人の細かな描写というのは、それだけで文学的なモチーフになるのだなと改めて思いました。殺人の動作を精緻に叙述することで、殺人そのもの惨さから解放され、読者にその描出を味わわせるのだろうと思います。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

Major

昨日朝、道端に咲いたサフランの花束。読友様に捧げます(^_−)−☆ この生き生きとした花姿と色合い、、、元気をもらいました。

昨日朝、道端に咲いたサフランの花束。読友様に捧げます(^_−)−☆  この生き生きとした花姿と色合い、、、元気をもらいました。
momo
2024/10/27 15:52

薔薇のタモーラがお庭に咲いているのですね♪羨ましいです。シェークスピア「タイタス・アンドロニカス」に毒のある美女タモーラが出てきますね。

Major
2024/10/27 16:19

いやいや、通勤途中の道端で待伏せされたのですよ😆 タイタスの方のタモーラです。先週から『タイタス』のノートをUPしているものですから。タモーラの父性性なんて吊し上げましたから💦 庭に咲かれるのは生きた心地がしなくなるかも、、、😅

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
10

Major
【 Note5 】Note2からタモーラの台詞を追いながらいかに母性性が男性性へと変貌していったかを観てきた。ここからは、タイタスの父性性の減退、喪失を観ていこう。それはとりも直さず、タイタスがアンドロニカス一族の家父長の責務とローマの大将軍(武人)の誉をかなぐり捨て、いかに自らの恥と汚名を晴らすために、復讐の私人と化していったかを観ることになるだろう。
Major
2024/10/30 18:39

かくして、タイタスは頼みにする武人の誉れと家父長としての誇り共に傷つけられ、第二幕に進んでいく。

Major
2024/10/30 19:28

コメント5の訂正です。シェイクスピアが最も好んだ韻律、弱強45歩格(iambic pentameter)をきれいに踏んでいる。 でした。

が「ナイス!」と言っています。
Major
【 Note4 】引き続きタモーラの台詞を追う。第四幕四場 My gracious lord, my lovely Saturnine,/Lord of my life, commander of my thoughts,/Calm thee and bear the faults of Titus’ age,/Th’ effects of sorrow for his valiant sons,/タイタスから放たれた数本の矢を持った皇帝サターナイナスがタモーラと二人の息子を伴い宮殿前に登場する。
Major
2024/10/29 17:25

「陛下、その名にふさわしい皇帝の心をおもちなさい。蝿が飛びこんだくらいで太陽の光が暗くなりますか?ー中略ーあなたにとって気まぐれなローマの民心も同じこと。ですから元気を出しなさい。ご心配はいりません。✴︎皇帝陛下。私がアンドロニカスをみごと口車に乗せてみせます。釣り針の餌はおいしいけれど食いついた魚は傷を受ける、クローバーのくきはこうばしいけれど、食べすぎた羊は死んでしまう、だがもっと甘く危険なことばで私はあの老人をたぶらかします。」✴︎はMajor訳を挿入。

Major
2024/10/29 17:35

小田島訳では、このEmperor の訳を省いたが、ここでEmperorと改めて呼ぶことでタモーラ自身の権威づけにもしているのだろうと解した。このあとは、最終幕でタモーラと息子たちの稚拙な劇中劇が展開されて、ラストシーンに繋がっていく。以上、台詞上に見られるターモラの男性性への移行を観てきた。次のNoteでは、タイタスの父性性の減退を観ていきたい。

が「ナイス!」と言っています。
Major
1914年鴎外52歳のエセーである。鴎外のエセーは簡潔明瞭にして深い。白山下という土地柄から、おそらく20分程の散策中に立寄った花屋で購入した洎夫藍だろう。これに係り自身の幼少時の生活から、その和名の造り、栽培までつらつらと書かれている。最後の20行にこのエセーの面白さは凝縮されている。10行余り漱石風(というか漱石をオマージュして真似ている)の文章を綴り、最後8行ほどで鴎外の文章に戻る。青空文庫で5分で読めるのでお薦めだ。この年漱石は47歳、4月〜8月まで『こころ』が連載され、9月に出版されている。
が「ナイス!」と言っています。
Major
【Note 3】第1幕1場  Tamora: I’ll find a day to massacre them all, /And raze their faction and their family, The cruel father and his traitorous sons / To whom I sued for my dear son’s life,
Major
2024/10/26 15:17

ここでも松岡さんの翻訳と比べてみると面白い。「いつの日かきっと、この連中を皆殺しにして一族郎党を根絶やしにしてやります。血も涙もないこの父親と裏切り者の息子たちは私が大事な息子の命乞いをしたのにしりぞけた、女王ともあろう者を街中でひざまずかせ、慈悲を乞わせ、それを無にした、それがどういうことか思い知らせてやる。」小田島訳では、前段の母親としての恨みの台詞を一度句点で切り「そして」と続く。これは役者が演じる時に、母の恨みから女王として「恥」をかかされた怒りへと台詞のトーンや表情を変える動機にしやすい。

Major
2024/10/26 15:18

これに対して松岡さん翻訳では、前半の母親の恨みの語りから女王としての怒りへ「読点」で滔々と続けられていくが、明らかに後半の女王としての怒りに重点がおかれている翻訳になっている。両者の翻訳の視点は、【Note2】で挙げたあの冒頭、それぞれの翻訳による「タモーラが息子の命乞いをする台詞」から見事に整合性をもって引き継がれている。

が「ナイス!」と言っています。
Major
悲劇の観劇、読書で費やしたエネルギーは、喜劇で補充しようかと(^^)
が「ナイス!」と言っています。
Major
【 Note 2 】 タモーラとタイタスの交錯を台詞の上で観ていこう。第一幕一場:長男が生贄として引っ立てられる場面。 Stay, Roman brethren! Gracios conqueror, Victorios Titus, rue the tears I shed, A mother's tears in passion for her son; And if thy sons were ever to thee, O, think my son to be as dare to me.
Major
2024/10/23 17:03

いずれにしても、英語は一つで文脈によって、いかようにでも日本語的には意味を変えます。しかし、日本語はたとえば一人称を表す語は、ざっと数えても10は超えそうです。「吾輩は猫である」I am a catとしか、英語では翻訳するよりないのですが、これは日本語の「吾輩」のもつニュアンスやそこから生まれる想像、味わいは伝えられませんので、翻案するなら、それにあたる英語を追加せねばならないでしょう。

新田新一
2024/10/23 18:27

Majorさん、いろいろ教えてくださり、有難うございます。全く知らないことばかりで、勉強になりました。Majorさんの知識の深さには驚かされます。深く尊敬します。自然科学の分野では研究が進んで、定説が変わったりしますが、人文科学の分野でもそれは同じと気づかされました。私は詩が好きなので、押韻にこだわった河合さんの訳を読んでみたくなりました。

が「ナイス!」と言っています。
Major
やはり、英語原書に戻らなくちゃ•••。
Major
2024/10/23 04:58

新田様、「作者には権力は空しいという思いがあり、それにくらべて自分の分野である芸術は時間を超えて受け継がれていくという自負を感じました」ーこれはその通りでしょうね。実際に劇中で幾人もの人物に語らせた台詞(詩行)やソネット詩集は数世紀を超えて、世界中の人口に膾炙リチャード三世などは史実よりも劇の中で描かれたモノの方が、長い間史実のように扱われて来ました。きっと、墓場で彼はほくそ笑んでいるでしょう。

Major
2024/10/23 04:59

つぶやきって一ヶ月の賞味期間なんですね。はじめて知りました。こんなつぶやきに繋がって頂いて、皆様に感謝感謝です。

が「ナイス!」と言っています。
Major
【 Note I 】この作品の人物造形と悲劇へ至る展開は、言うまでもなく、かの四大悲劇へのモチーフとして引き継がれている。初めてこの作品を読んだ時に、復讐劇ではあるが、どこが悲劇なのだろうかと訝った。そして誰の悲劇かと?タモーラの悲劇であってもおかしくないだろう。だが今回これがタイタスの悲劇だと確信した。では、それは息子を殺されたこと悲劇か?それとも、ラヴィニアが強姦され、手首や舌を切り取られたことの悲劇か? コメントへ
Major
2024/10/21 19:40

強烈な自己疎外状況である。かくして、ここで武人タイタスとしての悲劇は完結したのだ。冒頭に述べたが、ここまでの考察でも、すでにリア王やマクベスのモチーフが散見せられ、興味深い。また、書きながら気づいたが、貞操を奪われ、舌と両手を斬られたラヴィニアが舞台に配置されている効果は大きい。それは、観客にとってのメッセージだからだ。尊厳を奪われ、話せず、文字も書けないその人体が劇の進行を暗示している。

Major
2024/10/21 19:41

ある意味、もの言わぬ道化けの役割を果たしているのだ。舞台演出の視点から見ても、実際の舞台にこのラヴィニアの存在がある中で、シェイクスピアのあの名台詞と詩行が謳われようと、虚しい世界を創ってしまうだろう。実際にマーカスは犯され拷問を受けたラヴィニアの変わり果てた姿を見て、弔辞にも近い詩行を並べている(Set speech)。

が「ナイス!」と言っています。
Major
「3世紀の危機」と呼ばれた混乱時代の古代ローマ帝国を舞台にした復讐劇とも悲劇とも言われる。国家や権力が滅びゆく時代や革命の時代を映す演劇は荒々しく、野蛮で勇ましい。虚空間であることを知った上で観客も鑑賞する《身体と声の表現芸術である》舞台劇ではそうした時代背景の悲惨をデフォルメして創作することで、逆にリアリティをステージ上で描出しうるであろう。むき出しの欲望と復讐の情念と共に切刻んだ身体が、舞台の進行役を果たすこの戯曲は、ロンドン辺りの大衆を惹きつけ、かなりの上演回数をこなしたことだろう。コメントへ続く
Major
2024/10/20 12:11

絶対王政・重商主義政策の下にヨーロッパ覇権を巡る戦争と外交を展開し、見かけは強く勇ましい国家を演出していたエリザベスの時代である。ローマ帝国時代の戯曲は国威高揚に一役買い、多くの観客をカタルシスに浸らせただろうと思う。

Major
2024/10/20 12:11

さて、他のシェイクスピア劇にみられる箴言にも似た名台詞や美しい詩行が極端に少ないこの作品の文学的な味わい、悲劇の本質はどこにあるのか。ローマ時代の家父長制を体現する権化・象徴としての武人タイタスが、その男性性を失っていく過程、そして交錯するようにしてタモーラが女性性(母性性)から男性性(ある論文では、より強い母性性としている)に転じていく展開にあると思う。この展開はマクベスとレディマクベスのそれに似ているように思う。後日にこの点について考察する。

が「ナイス!」と言っています。
Major
そこに神の手で置かれた西部があるー名優ジョン・ウェインはかつてそう言った。神が試練を人間に施すような大きな命のリズム。鳥を刺殺す団扇仙人掌、憩いの広葉箱柳、そして死者のように転がる厳めしい岩々を乗せて、幾つもの丘を越え河を越え、どこまでも続く赤茶けた砂土のベールの上を、4人の若者を背に乗せ鬣を靡かせ駆け抜けてゆく美しい馬たちのしなやかなフォルムが眸裏に映じて離れない。ハイウェイが走るテキサスを青春そのものが横切っていく。夢、冒険、恋、暴力、そして友情・・・それらが見事に平衡を保って青春物語の傑作を生んだ。
Major
2024/11/20 17:54

新田さんそうですよね。評価の高い映画の方も観ましたが、個人的にはただ1点、あの主人公が正当防衛で殺しを行う場面を。原作と同じようにマトリックスよろしく、部分的にスローモーションで回してほしかった・・・(ただ、全体のバランスを壊す可能性があるので、たぶん駄目でしょうけれど。

Major
2024/11/20 17:54

原作のあのシーンは、マルケスの『予告された殺人の記録』の殺しのシーンを思い起こさせてくれました。殺人の細かな描写というのは、それだけで文学的なモチーフになるのだなと改めて思いました。殺人の動作を精緻に叙述することで、殺人そのもの惨さから解放され、読者にその描出を味わわせるのだろうと思います。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/12/27(3621日経過)
記録初日
2014/12/29(3619日経過)
読んだ本
2532冊(1日平均0.70冊)
読んだページ
825584ページ(1日平均228ページ)
感想・レビュー
143件(投稿率5.6%)
本棚
6棚
性別
自己紹介


20年、10年も前に読了した本、数分前に読み終えた本に関係なく、蔵書から引っ張り出してきて整理できた本からUPしていますので、読了の日付はでたらめです。レビューについては昔読んだものは再読をして、UPしています。
なかなかにレビューというか、趣味の一つとしての自己本位のNoteが追いつきませんが、楽しんでいます。先日読友の方から「Majorさん、自分ばかり楽しんでないで(笑)、Majorさんの蔵書から、たまにはわたしにお薦めの著作のレビューをあげてください(笑)」とお叱りを受けました、あはは(汗)
「鋭意努力しま〜す🙇」と答えましたので、少しずつそちらの方もトライしたいと思います。
シェイクスピア全作品のNoteを綴ること。
漱石『草枕』の論考をまとめること。
カント『基礎づけ』の論考をまとめること。
が当面の目標です。きっとかなり寄り道しながらになりますが(苦笑)
仕事から離れて、皆様と読書と思索を共に
愉しみたいと思います。レビューやつぶやき、コメントに絡んでくださったり、こちらからの絡みにお付き合いくださる皆様に心より感謝しております。

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