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2023年11月の読書メーターまとめ

nozomu
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1851ページ
感想・レビュー
7
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177ナイス

2023年11月に読んだ本
7

2023年11月のお気に入られ登録
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2023年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

nozomu
冒頭の児童ポルノ摘発記事から予想した展開を見事に覆された。検事の寺井、男性に抵抗のある八重子、ある種のフェチを隠して生きている夏月、大也、佳道らの視点で描かれる。多様性とされているものは、自分の中で無意識にほぼLGBTQを示すものと括られていたことに気付き愕然とした。性的嗜好をカムアウトする必要はないが、カムアウトしても理解されないと諦めた人生は想像し難く、マイノリティであろう八重子が大也の嗜好を決めつけて接した場面には嫌悪を感じた。世間が多様性とするものは、まだまだ多様ではないことを思い知る読書だった。
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2023年11月にナイスが最も多かったつぶやき

nozomu

10月もかろうじて5冊読了を死守。下回らないようにしたい。石田夏穂2冊目にして、自己すら俯瞰する視点、淡々と辛口な筆致が気に入ってしまった。模索する主人公と共に、懐かしい世界にすんなり戻って読めるのが吉田篤弘の描く世界。何れも読み続けたい作家たち。 2023年10月の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:1128ページ ナイス数:99ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/537496/summary/monthly/2023/10

が「ナイス!」と言っています。

2023年11月の感想・レビュー一覧
7

nozomu
食品会社に勤務するアラサー女子、菜々、愛美、麻衣、彩子各々の目線で描かれた連作短編集。仕事と育児との両立、正規と非正規の違い、家族の理解など、それぞれの環境で悩みながら前に進んでいく姿が描かれる。冒頭から不遜だった菜々の夫、拓也には、こんなに昭和然とした感覚の30代世代が生息可能なのか…とがっかり。ほぼワンオペに見える愛美の、家族や後輩、友人のことも俯瞰で見られる視点は管理職向きだと感じた。状況が違いながらも、ミドルノート世代の彼女達が集まり勇気づけ合う読後感のよい結末。「白」朝比奈さんといえる作品。
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nozomu
江國さんの著書のような表題だと感じ、何度か著者名を確認してしまった。カリフォルニアで子ども時代を過ごした60代の朝見目線で、当時の友人アン、カズとの再会、交流がゆるやかに描かれる連作掌編集。コロナ禍の不穏さや健康の不安の中、ほどよい距離感で頼り頼られ一緒に過ごせる関係の心地よさを感じる。エピソードや世代的に川上さんとリンクする部分も散見され、『東京日記』と異なる表現で川上さんの一部を垣間見たような感覚。眠れない夜に、バッハのゴールドベルク変奏曲を聴きながら藤枝静男の著作を読んで、作品の雰囲気に浸りたい。
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nozomu
2012年から2022年まで雑誌等に連載されたエッセイの単行本化。しをんさんの全エッセイを読了済だが、本書もほどよい自虐と軽快なテンポ、愉快な家族の登場で裏切らない。本が山積みの部屋に暮らしていながら意外に(失礼)行動的で旅慣れており、熱く紹介された三重に俄然興味津々。オタク気質(反芻、分析)に納得しつつ、しをんさんの掲げる三大エンタメ要素(輝き、プロフェッショナル、仏像感)の深さに感嘆しきり。栗の渋皮煮と赤ワインという味覚の合致が嬉しく、しをんさんの認めた自己流アクアパッツァを必ず作ると誓いながら読了。
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nozomu
熟練の溶接工、伊東目線で描かれる。周囲に溶接の上手さを認められ、知識もプライドも持つ伊東。浜松の現場で検査員からフェール(不合格)を告げられることから少しずつ自信が揺らぎ、内省的になっていく様子が詳細な現場作業と共に描写される。先輩溶接工の職業病、同僚の離脱、現場の第三者からの基礎的な作法の指摘など、キリキリと追いつめられる伊東の心情に相まって一気読み。一過性のスランプならともかく、火を制しているというプライドが砕けた時、伊東はどのような道を選択するのか。石田さんの身体感覚をテーマにした文章はやはり秀逸。
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nozomu
冒頭の児童ポルノ摘発記事から予想した展開を見事に覆された。検事の寺井、男性に抵抗のある八重子、ある種のフェチを隠して生きている夏月、大也、佳道らの視点で描かれる。多様性とされているものは、自分の中で無意識にほぼLGBTQを示すものと括られていたことに気付き愕然とした。性的嗜好をカムアウトする必要はないが、カムアウトしても理解されないと諦めた人生は想像し難く、マイノリティであろう八重子が大也の嗜好を決めつけて接した場面には嫌悪を感じた。世間が多様性とするものは、まだまだ多様ではないことを思い知る読書だった。
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nozomu
自爆を覚悟するウクライナ女性の冒頭に続き、左手移植手術直後の男性の場面となる。謎めいた冒頭にひるむが、ハンガリーで看護師をしていたアサトが誤診で健康な左手を失った後の幻肢痛、他人の左手移植後の違和への苦しみと、2014年のマイダン革命後にクリミアにロシア勢力が流れ込み、ウクライナ人の妻ハンナが故郷から離れることを余儀なくされた苦しみ、それぞれの状況、怒りへの苦悩と行動が融合されて描かれる。”日本人だから受け容れる”という視点も新鮮。 ウクライナとロシアの関係はだいぶ前から不穏だったことすら今更知る島国民。
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nozomu
3年前の本屋大賞。先天的に偏桃体が小さい失感情症のユンジェが主人公。理解者である母と祖母が事件に巻き込まれた後、理解のない環境での過酷な高校生活。愛されることを知らないゴニからの一方的で執拗な関わりからユンジェの感情が少しずつ揺らぎ、ゴニのために行動を起こすまでに変化する様子が描かれる。予定調和的な結末ではあるが、学校で異質と見なされる2人のストレートな交流の積み重ねが丁寧に描かれ、ユンジェだけではなくゴニの苦悩も読ませる。シム博士の距離感もよかった。ソン・ウォンピョン作品は今後もチェックしていきたい。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/01/05(3601日経過)
記録初日
2014/12/10(3627日経過)
読んだ本
1588冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
395219ページ(1日平均108ページ)
感想・レビュー
1587件(投稿率99.9%)
本棚
12棚
性別
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