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2024年2月の読書メーターまとめ

nozomu
読んだ本
11
読んだページ
2342ページ
感想・レビュー
11
ナイス
203ナイス

2024年2月に読んだ本
11

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

nozomu
ネタバレ西加奈子さんの乳がん発覚から術後までを描いた闘病記ともいえる一冊。バンクーバーの医療事情、子育てをしながらの抗がん剤投与やコロナ感染、手術前後の様子など飾らない言葉で気持ちの振り幅がダイレクトに伝わってくる。他の著者が描いたらよりウェットで悲壮感漂っていたかもしれない内容。看護師や友人の言葉をすべて関西弁で表現したり、医師や看護師のドライな立ち居振る舞いに触発され、ポジティブに受け答えする描写、自分の身体のボスは自分だという考えに至る西さんに強さを感じた。身内のがんサバイバーへの接し方の参考にもなった。
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2024年2月にナイスが最も多かったつぶやき

nozomu

正月休みに順調に読めていたものの結局は読了5冊。だが乗代雄介氏を初読みできたことは大収穫。ジョージ・ソンダースの短編集も消化に手こずるもインパクトが強く忘れられない作家になりそう。辻村深月の描く、誰にでも起こりそうな日常の不穏は感情移入しやすく刺さる。  2024年1月の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:1228ページ ナイス数:133ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/537496/summary/monthly/2024/1

なゆ
2024/02/04 14:40

乗代さん、いいですよね!「それは誠」をオススメしたい私です❤

nozomu
2024/02/04 14:54

乗代さん初心者なので、おすすめ教えていただけて嬉しいです!「それは誠」読んでみます!

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2024年2月の感想・レビュー一覧
11

nozomu
ネタバレ今まで李氏の作品に登場してきた同性愛に悩み傷つく主人公とは違い、同性愛かつ自身の身体を嫌悪し、他者に興味のない兼業新人作家慶子目線で描かれた雰囲気の違う作品。作家として持つペンネームのエゴサで同名Vtuberを発見して揺らぐ気持ち、希薄な身体感覚を文章で表現したいがためにSM体験するも実を結ばない。実体としての自己に関心がないからこそ作家としてのアイデンティティに執着しているように読め、パワハラで退職した福島の新人賞デビューは衝撃だったに違いないと想像。不穏な結末だが生き延びてその経験を執筆してほしい。
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nozomu
八木氏の作品は『空芯手帳』に続いて2作目。ラテン語を話せるホラウチリカが、休館日の博物館へヴィーナスと会話するアルバイトに訪れる冒頭。ヴィーナスと過ごす月曜日の描写はファンタジー的だが、掛け持ちしている冷凍倉庫バイトや、住まう古いアパートでの大家や隣の子との会話は生活感があり現実的。人に頼まれたら断れないリカがヴィーナスに恋して物語が動き出す。彼女が常に着用している黄色のレインコートは他者を隔てる自己防衛壁なのだろうか。その存在はヴィーナス解放と引き換えに、いずれなくなることを予想。不思議な読後感だった。
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nozomu
読メで紹介いただいた2作目の乗代作品。高2佐田誠の修学旅行回顧録として綴られる。地方の私立進学校、休みがちな誠が欠席した日に決まった寄せ集めのような面々の男子4人と女子3人の三班。遅々として進まない自由行動先の話し合い、直前まで肝心なことが決まらないゆるさなどの高校生らしい描写、あまり関わりのなかった彼らの、ある逸脱行動が結末にかけてぐっと班員の心距離を縮めていく様子にグッときた。修学旅行後の教室ではほとんど喋らなくなりそうな面々だが、誠が得た仲間への信頼感、触れた優しさは何にも代え難い。清々しい読後感。
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ネタバレ『ときどき旅に出るカフェ』続巻。コロナ禍中もオーナーの円は通販やキッチンカーの運営で工夫を凝らし、再開したカフェ・ルーズでも表紙のブレッドクリームケーキ@スロベニアなど新しい世界のスイーツ等を紹介する10編の連作短編集。カフェを訪れるのはコロナ禍の閉塞感も相まって近しい人との関係についての悩みを抱えた人々。人の気持ちに寄り添う円と常連の瑛子の助言が本作も光る。美味しいスイーツを食べてすべて解決!ではなく、ビターな日常だからこそ束の間のホッとする時間を過ごすというスタンスの作品。より現実的で共感できる。
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ネタバレ宇都宮に住まう高校生の達也目線で描かれる。自由な気質でアンプマニアの父を「英雄」と捉え、センシティブな母や妹との関係の機微を苦手とした家庭内の描写、男子進学校での秀才としての立ち位置、父と共有する真空管アンプの世界、モデム時代のインターネット接続からゲイの世界への興味など、どこか千葉氏を彷彿とさせる要素に満ちた青春譚。 そう考えると時系列は本作→『デッドライン』→『オーバーヒート』と考えた。父子で踏み込んだあのビルに探し求めたアンプがある結末、心を揺さぶる音響、達也の中で何かの転機になったと捉えた。
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『緊急事態下の物語』にて冒頭表題章は既読。コロナ禍を含んだ玲奈の中学から高校時代、部活の友達、不倫中の母ユリ、それを公認している父奏斗との日常が描かれる。ポリシーを持って不倫している母への複雑な気持ち、友達の悩みやトラブルなどを瞬発力高く言語化できる玲奈の真っすぐさ、素直な感情表出が眩しい。また、不在がちな母や共感しにくい父とは違った立場から玲奈に助言するイーイーの存在が光っていた。『デクリネゾン』でも公然不倫の母と中学生の娘が登場しており、金原さんはこの構図で色々な引き出しを持っていそうな気がした。
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独身の作家、藍が西日の当たる物件を探して中古マンションを内見する冒頭から不穏な雰囲気が漂う。4人家族の娘2人が毎日のように転居先から訪ねて来て、そのうち、その母までも藍の家となった旧宅に上がり込むようになり、互いの家の行き来が始まる。中盤から米ホラー映画のような結末が予想できるだけに、あり得ない、早く断ろうよ!と藍にイラつきながら読み進めた。この歪な家族の核がありさにあるような雰囲気、依存させて支配関係に移行する描写の気味悪さ。初期とは違い、近年は身近な不穏さを描く作風の青山作品、今後も目が離せない。
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nozomu
ネタバレ2013年版。初期の書下ろし塩田作品。50歳ベテラン警部補の本宮が30歳間近の巡査部長平原と市議会議長殺人犯を追う。いかにもな風情の被害者の息子が呆気なくシロと判明、その後は被害者、容疑者共にバブル期に鬱屈した家族関係が事件に繋がっていく結論まで、2人の根気強く地道な捜査が動機を埋める過程を一気に読ませる。登場する女性達の置かれた環境、男性に頼らなければままならない生活力の描写は何とも苦しかった。態度の堅い女性巡査平原とのやりにくさを覚えながらも本宮が素直に実力を認め、信頼関係を築いていく過程もよかった。
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昨年から読み漁っている石田作品。今回は社内の花形部署「プロセス部」からひょんな出来事で人事部へ左遷、新卒採用を担当する小野が主人公。理不尽な左遷理由への憤りを独自の尺度で採用業務に昇華させ、成果に喜びを感じるくだり、彼女の合理性、ぶれなさが社にとって有益に見られているところ、実は自身へのジャッジが厳しい故、転職せず長期的復讐に身を投じているらしいところなども痛快。終盤の判断は自身の尺度に沿っているものの、彼女が人事部に骨を埋める覚悟にも思えて震えた。石田作品の孤高の会社女子にハズレなし、今後も益々楽しみだ
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nozomu
安堂さんは『ジャクソンひとり』に続いて2冊目。前作はブラックミックスという属性集団の個々について日本人が着目していない現実をライトに、本作はその属性を嫌悪する感情を表出せずに傷付けるヘイトクライムを淡々とした筆致で描く。ゲイ事情の描写は千葉雅也氏の著作を数冊読了したため特に抵抗なかったが、彼ら特有の、あまり言葉を重ねない関わりの内側に深い相手への想いがあること、いぶきの被害を経て主人公の中で想いが増幅し、直感的に迷彩色の男に行き当たっていること等から、ヘイトクライムよりも恋愛物語として読了していた。
が「ナイス!」と言っています。
nozomu
ネタバレ西加奈子さんの乳がん発覚から術後までを描いた闘病記ともいえる一冊。バンクーバーの医療事情、子育てをしながらの抗がん剤投与やコロナ感染、手術前後の様子など飾らない言葉で気持ちの振り幅がダイレクトに伝わってくる。他の著者が描いたらよりウェットで悲壮感漂っていたかもしれない内容。看護師や友人の言葉をすべて関西弁で表現したり、医師や看護師のドライな立ち居振る舞いに触発され、ポジティブに受け答えする描写、自分の身体のボスは自分だという考えに至る西さんに強さを感じた。身内のがんサバイバーへの接し方の参考にもなった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/01/05(3601日経過)
記録初日
2014/12/10(3627日経過)
読んだ本
1588冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
395219ページ(1日平均108ページ)
感想・レビュー
1587件(投稿率99.9%)
本棚
12棚
性別
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