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2024年3月の読書メーターまとめ

ろば
読んだ本
8
読んだページ
2602ページ
感想・レビュー
8
ナイス
1774ナイス

2024年3月に読んだ本
8

2024年3月のお気に入り登録
11

  • akemi
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  • 逆丸カツハ
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2024年3月のお気に入られ登録
7

  • yutaka
  • とーこ
  • テイネハイランド
  • 逆丸カツハ
  • Kenji Misaki
  • こくご
  • マッピー

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ろば
16年刊、全八章。室町から戦国にかけての時代感覚が知りたくて再読。ベストセラーとして話題を呼んだが、登場人物が膨大で政治動向も複雑、一般読者には難解かも。興福寺の二人の僧侶による日記をもとに応仁の乱を再構成するという特徴があり、なるほど興福寺のある大和国の混乱と対立が事細かに描かれる。ただ基本的には京都の戦乱をオーソドックスに描写し、同時期の京都史料も多数使われている。流暢な文章で読みやすいが、史料の直接紹介が比較的少なく、この時期の雰囲気が伝わりにくい。政治情勢が複雑怪異で、再読しても難しい本でした。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

ろば

予想だと今ごろはソメイヨシノが開花しているはずですが、今日も朝から曇り空で寒さが身体にこたえます。近所の桜もまだつぼみのままですが、根元にはいろんな草花が開花し始めました。鮮やかな色合いでやはり気持ちも浮き立ってきます。

予想だと今ごろはソメイヨシノが開花しているはずですが、今日も朝から曇り空で寒さが身体にこたえます。近所の桜もまだつぼみのままですが、根元にはいろんな草花が開花し始めました。鮮やかな色合いでやはり気持ちも浮き立ってきます。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
8

ろば
呉座勇一『応仁の乱』からこちらへ。90年刊、全4章。平成の代替わりの時期に出された研究だが、足利義満の時期を中心に中世後期の幕府将軍と天皇家の関係を検証する。将軍義満は自らを上皇になぞらえ、子息の天皇即位を図ったことを紹介し、それを王権簒奪計画という刺激的な言葉で表現した。天皇の祭祀・仏事を義満が吸収し、また室町殿に紫宸殿を設けるなど、自らの地位を天皇に当てはめていく様子が刺激的で、天皇に関する網野説も痛烈に批判している。ネットで調べると異論・問題はあるらしいが、興味深い研究でした。
ろば
2024/04/02 11:34

新書にかかわらずこの本には多数の史料が引用・紹介されていて、それがたいへん参考になりました。意訳の場合もありますが、多くは訓読文を掲載しているので、この時代の言葉遣いがそのまま伝わります。たいへん助かりました。

が「ナイス!」と言っています。
ろば
呉座勇一『応仁の乱』からこちらへ。全10章。77年刊で昭和52年にあたる。14世紀半ばの幕府混乱から山城国一揆頃までを描くが、人民・闘争・戦争などの用語が頻出し、唯物史観と階級闘争を基本とする戦後歴史学の特徴がよく出ている。ルビが少なく人物相関表が無いため難しさを加速しているが、しかし、争乱の内部の構造を描いている点が特徴的で分かりやすいかもしれない。ある意味社会構造を単純化した見通しが示されている。章立ても細かく巻末に年表もあって、呉座勇一研究より分かりやすいかも、と思わせました。
ろば
2024/03/29 11:44

昭和50年代の歴史学の特徴がよく伝わりますが、この時期の歴史学はこのような唯物史観と階級闘争が主流だったのですね。これだと大学生の初心者が理解するのは先ず無理で、独特の理論や用語が頻出していることに驚きます。そういう時代相を知ることができたことも収獲でした。

が「ナイス!」と言っています。
ろば
77年刊、著者76歳の時の著作、坂上康俊『唐法典と日本律令制』からこちらへ。主に隋唐時代の知見を得たくて書棚から引っ張り出すが、東洋史の分野では法制史研究はマイナーなテーマであることを知る。隋唐の歴史はともに武力簒奪から始まるように、その歴史も武力闘争や政権抗争が中心で法制史は小さな比重、極めて波乱に満ちた時代だった。唐王朝を象徴する律令も、本書が描く歴史の中では意外に存在感が小さいようだ。また、冒頭で展開される時代区分論や地域関係の議論が印象的で、広い視野と長い時間に対する知見に圧倒されました。
が「ナイス!」と言っています。
ろば
18年刊、ベテラン刑事を中心とした警察小説。「ラストライン」の意味がずっと分からなかったが、読後に調べてみると「捜査の最終防御線」とのこと、下町の警察署に配置された刑事が殺人事件に直面し、あわせて自殺事件にも遭遇して、その二つの関係が次第に明らかになる。そしてその背後には数十年前の疑獄事件が関連していた。読書中は全体像が見えずにやきもきしたが、捜査に関わる中年男性の生活や内面が描かれ、物語は静かに進行していく。最後には意外な展開を見せてそれまでのモヤモヤが一気に晴れていく、その爽快感がいい。
が「ナイス!」と言っています。
ろば
05年刊、刑事音道貴子シリーズの短編6作を収録。猟奇殺人や幼児虐待などを描いた推理小説だが、事件そのものより、どうしても主人公の心情に注意がいってしまう。多くは都会の片隅に棲む人たちの孤独な姿を浮き彫りにし、同時に主人公が抱える孤独にも引き込まれる。意外なドンデン返しは登場しないが、その代わりに犯人が抱える心の闇を細かに描写し、いつの間にか彼らを犯行に駆り立てた理由と深層心理が明らかにされる。謎解きを中心とした普通の推理小説と違い、都会に住む人、特に女性の孤独で錯綜した心理描写が魅力的でした。
が「ナイス!」と言っています。
ろば
06年刊、刑事音道貴子シリーズの短編4作を収録。実は初めての作家で、テレビのサスペンスで名前は知っていても内容は見当がつかなかった。実際読んでみると派手な事件は登場せず、都会の片隅に生活する人たちの内面が印象的、特に苦労しながら毎日を送る人々を丁寧に描いている。解説によると派手なアクションを扱った作品もあるようだが、本書はそれらと異質で、作者は事件そのものより都会生活の苦しさを伝えたかったのではないだろうか。重苦しい雰囲気と誰もが抱える闇が伝わり重苦しい読後感だったが、しかし面白い作品でした。
が「ナイス!」と言っています。
ろば
16年刊、全八章。室町から戦国にかけての時代感覚が知りたくて再読。ベストセラーとして話題を呼んだが、登場人物が膨大で政治動向も複雑、一般読者には難解かも。興福寺の二人の僧侶による日記をもとに応仁の乱を再構成するという特徴があり、なるほど興福寺のある大和国の混乱と対立が事細かに描かれる。ただ基本的には京都の戦乱をオーソドックスに描写し、同時期の京都史料も多数使われている。流暢な文章で読みやすいが、史料の直接紹介が比較的少なく、この時期の雰囲気が伝わりにくい。政治情勢が複雑怪異で、再読しても難しい本でした。
が「ナイス!」と言っています。
ろば
23年刊、三部全14章。日唐律令の緻密な分析をもとに、日唐の外交関係を明らかにする一方で、国内支配の特質も紹介した。律令の規定を分析した第一部が特に圧巻、細々とした法制史料を見事に分析し、平易に日唐の相違や日本律令の細部を証明した。第二部は日唐の対外関係の復元、第三部はそれらをもとに、あらためて日本社会の変遷を具体的に跡づけた。特に令集解をはじめとする法制史料の分析が秀逸で、唐律令の深い理解をもとに実施された論証は他の追随を許さない。難解な史料を平易な言葉で説明する文章力にも感服しました。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/02/06(3368日経過)
記録初日
2015/02/01(3373日経過)
読んだ本
1409冊(1日平均0.42冊)
読んだページ
438115ページ(1日平均129ページ)
感想・レビュー
1409件(投稿率100.0%)
本棚
14棚
性別
自己紹介

 読書記録のために読書メーターを利用させてもらっています。おかげで同じ本を購入するようなダメ習慣が減りました。手当たり次第に本を手に取っていますが、気づいてみると、三島由紀夫、藤沢周平、逢坂剛の三人の文庫本はほぼクリアーしました。気晴らしにミステリを楽しみ、娯楽として日本史の本に手を出すことが多いようです。

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