なんと清々しい結末。タイトルの「あだ」が平仮名なのも良く分かった。木挽町の面々の切なく苦い過去も、たくましい生き様も、太平の世の武士の葛藤もみんなまとめて素晴らしいエンターテイメントにしてしまった今作に感動です。「権力を持った奴を追い落とすのはなかなか楽じゃねえな」というセリフに過去も現在も無いのだなと思いました。良かった。凄く良かったです。

大河ドラマを見る上で、苦手な平安時代を学ぼうと、古典好きの母に借りて読みました。どの話も魅力的でわかりやすく、初心者向きで大変面白く読めました。大河ドラマに関係する人物の話は特に興味深く、今後ドラマを見るのも楽しみになりそうです。

東日新聞埼玉支局の記者・古山が気がついた30年以上前からの女児連続誘拐殺人。同じく事件現場が近いのではと思っていた千葉県柏市局の松島。二人がタッグを組んで調べ始めたこの事件には、巨大な力が働く警察を巻き込んだ闇があった。胃がんを患い、定年間近の松島の体が心配です。下巻に続く。

とても豪華な顔ぶれでしかも密室。時代も国もまったく違う様々な密室を楽しみました。個人的に良かったのは、「不帰屋」。民族学者・蓮丈那智先生が魅力的。正当な密室もの。「揃いすぎ」は猫丸先輩の洞察力がヤバい。普通はキョトンとするでしょう。「使用中」はこの後が知りたい。初めて読む作家さんもいたので、次は別の本を探したいです。

VRゲームと殺人事件がリンクする？どんな話かと思いきや、足で捜査する刑事達とひたすら引きこもってゲームをする元警察官が交互に描かれていて、新しいと思いました。元警察官の瀧川に関わった人が恐ろしい。めがね型のVRゴーグルが主流でスマホを使う人は珍しい時代という近未来的な設定も新鮮でした。最後の最後に明かされた捜査一課の南条の話が一番びっくりしましたけどね。貫井徳郎の新境地ですね。

怖かったです。こんなトモダチが私にいなくて良かった。特に何も解決する等が無い終わり方が一番怖かったです。ある程度鈍感な人の方が被害に遭わないのかもしれませんね。自分もこんな人間じゃないかよく点検したいと思います。

帯の「彼らは葛をよい上司だとは思っていないが、葛の捜査能力を疑う者は、一人もいない」の通り。群馬県警捜査一課・葛警部の圧倒的な推理能力と過去の経験、部下が持ってきた証拠物の読み解き方。それに忍耐力とひらめき力。プライベートや仲間達とのほっとするようなやりとりは一切無い、硬質な警察小説。どんな分野の事件でも、この人が乗り出したら全部解決するな～というスーパー刑事。唯一菓子パンとカフェオレばかり食べているのが愛すべき所か。本人にそんなことを言ったら無視されそうな真面目な本でした。

なんと清々しい結末。タイトルの「あだ」が平仮名なのも良く分かった。木挽町の面々の切なく苦い過去も、たくましい生き様も、太平の世の武士の葛藤もみんなまとめて素晴らしいエンターテイメントにしてしまった今作に感動です。「権力を持った奴を追い落とすのはなかなか楽じゃねえな」というセリフに過去も現在も無いのだなと思いました。良かった。凄く良かったです。