ネタバレ上司からも部下からもあまり良く思われていない葛警部の推理が冴えわたる短編集。葛警部の人物像が創作にありがちなキャラクター的な堅物ではなく、現実にもいそうな寡黙で職人気質な切れ者という印象で、予想とは異なりました。群馬県警という舞台背景も合わさり、捜査自体はあえて悪く言えば地味なものの非常にリアリティーがありました。一方で、事件の真相はそれぞれ意外性があり、全体として面白かったです。私ももう少し年を重ねれば、葛警部のような人物にちょっぴり憧れを抱くかもしれない。お気に入りは表題作『可燃物』と『本物か』。

ネタバレ劇場版『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』来場者特典。映画は初週に見たものの、読むのが遅れてしまった。内容は花楓や麻衣たちと動物園に行く、映画のエピローグにあたる話。なんてことのない日常。だけど、ここまでの頑張りを思うと尊くて胸が熱くなりました。また、上野動物園には馴染みがあったので、園内の情景が鮮明に浮かび、非常に楽しめました。『ランドセルガール』も楽しみですね。

ネタバレ上司からも部下からもあまり良く思われていない葛警部の推理が冴えわたる短編集。葛警部の人物像が創作にありがちなキャラクター的な堅物ではなく、現実にもいそうな寡黙で職人気質な切れ者という印象で、予想とは異なりました。群馬県警という舞台背景も合わさり、捜査自体はあえて悪く言えば地味なものの非常にリアリティーがありました。一方で、事件の真相はそれぞれ意外性があり、全体として面白かったです。私ももう少し年を重ねれば、葛警部のような人物にちょっぴり憧れを抱くかもしれない。お気に入りは表題作『可燃物』と『本物か』。

ネタバレ倒錯シリーズ第二弾。終盤に袋とじがあってビックリ。アルコール中毒の覗き男、覗かれる女、盗癖男による奇妙な関係。やがて彼らを襲う悪夢のような惨劇を描いたサスペンスミステリー。前作がそうだったので当然叙述トリックを疑って読み進めましたが、最後の最後まで何も分からず。今作の特徴は叙述トリックが複数仕掛けられていること。一つ一つは比較的シンプルですが、それがいくつも折り重なることで完全に幻惑されました。彼ら彼女らの倒錯した物語には正直嫌悪感が強かったものの、最後は憐憫をも覚える不思議な心持ちになる作品でした。