ただの駅伝、野球で終わらない所が万城目ワールド。でもいつもよりは控えめで一般向けになっているのが受賞の理由かな。夏休みの読書感想文の課題図書になりそうな一冊。沢村栄治の名前は知っていたけれどそんな若くして亡くなっていたのか。三人の他にも野球がやりたいという思いを残して戦死した若者が参加していそう。中国だと野球はそんなに一般的ではないのかと驚いた。日本人がクリケットの試合を見るようなものなのかな。御所GだとどうしてもあのGを思い浮かべてしまうので改題してくれてよかった。

今回は将棋の話がなかったせいか読みやすかった。『捨子行』の評判を聞いてすぐ相談屋に捨てられた子供。それだけでも大事件なのに相談が2つも続いてどうする気なのだろうと気を揉みながら読み進めることになる。波乃は妊娠中なのだし、まあそうなるだろうなあという結末だけど、波乃の子を取引の材料に使わなかったムメ夫婦とはこれから良い関係を築いていけそう。ムメの事情を話すことで暗に示唆してはいるけれど。

グアトとロジがウィルス感染するような濃厚接触をしているのか。二人は夫婦だったのかとここに来て気付く。生殖機能がなくても行為自体はあるんだということに驚いた結末でした。

一分の隙も無くまるでパズルのようにきっちり構成された話で面白かった。なるほどそういうことか。難をいえば遊びがないこと。解決させるために起きたトラブルなんだろうなと見えてくること。地下都市に関しての描写がないのでイメージがつかみにくい。声が出せないから迷子になりやすいというのもひっかかるポイント。むしろはぐれないようお互いに気を付けそうなんだけど。その辺の説明がないから物語の構成要素として設定された都合のいい障害にしか見えない。もう少し無駄な描写があってもいいというか、もっと長い話で読みたかった。

ワトソンが結婚していた、しかも本人に記憶はないという。どういう仕掛けなのか、愛の魔法なんて本当にあるのか、気になって読むのが止められない。ワトソンの醜聞って、そういうことか。愛について色々と語られていたけれど、一番共感できたのはライブ配信中のコメント。やっぱ二人はカップルじゃん。紙が薄いのかこの厚さのわりにがっつりと読み応えがあって満足。紙の感触もページを捲りも最高。

分厚くなったのは文字が大きくなったからか。終盤で事件のまとめを示しているのも年配向けに配慮したということかな。表紙絵はこちらの方がいい。新章ということで料理の話が増えるのかなあと思っていた所で、人肝丸や滋養肉だとか出てきて、うへえとなった。これは史実なんだ。

老爺＝ご主人様という説明はあったけれど字面からおじいちゃんかというイメージで、でも表紙とマリーの話からして違うよなあと最初は混乱しながら読んでいました。異国の娘だけど華人の血は引いていて、皇子のお気に入りということであまり差別を感じさせないのでストレスなく読めた。何よりお菓子作りが大好きで、限られた食材や調理器具で西洋菓子を作ろうと奮闘するのは読んでいて楽しい。人名や地名に見慣れない漢字が多くて読み方をすぐ忘れるので常にルビがあるといい。

どこかで読んだことのある話で悪くはないけれど、これといって気になるポイントはない。年下の女装夫と無理難題を吹っ掛ける皇帝という設定は面白いけれどどちらも薄味。夫は優蘭が好きなんだろうなと分かるけどもうちょいラブが欲しい。そもそも年下夫が好みのタイプではないから惹かれないんだろう。

ただの駅伝、野球で終わらない所が万城目ワールド。でもいつもよりは控えめで一般向けになっているのが受賞の理由かな。夏休みの読書感想文の課題図書になりそうな一冊。沢村栄治の名前は知っていたけれどそんな若くして亡くなっていたのか。三人の他にも野球がやりたいという思いを残して戦死した若者が参加していそう。中国だと野球はそんなに一般的ではないのかと驚いた。日本人がクリケットの試合を見るようなものなのかな。御所GだとどうしてもあのGを思い浮かべてしまうので改題してくれてよかった。

同心と妻ということで旦那が甘ちゃんと似ている所もありワンパターン感はある。すぐに殺すことを考えるくせに、仮初めの結婚だとしたら泣くというのがかわいい。月が殺し屋であることを周りの人は知っているのに夫だけは知らないというのは寂しい。殺し屋として育てられた月が堅物同心の元に嫁ぐまでの話も見たかった。

都合が良く話が進みすぎだけど、すべて珀陽にはお見通しで茉莉花の味方を増やすためのご褒美だと思えばなんとか。翔景は茉莉花の親友？になりたいけど茉莉花は回避したい。春雪は茉莉花の友人をやめたい。大虎は茉莉花の大親友だと思っているという人間関係メモ。

願いを叶えてくれるならお賽銭としてユキチさんを投入するのも安いものなのか。猫探しはさすがに超常現象すぎるかなあ。そこまでしなくても十分おもしろいのに。秋祭りを楽しむ描写がなかったのも残念。月日が流れるのが早いとすぐに終わってしまいそうで心配になる。沖守さんには猫の正体を教えてもよさそう受け入れてくれそうなのになあ。

庚申待ちはちょうど大河ドラマでも見たばかり。そういえばおばあちゃんがそんな集まりに参加していたことがあったような。真実だからといってそれを公にするのが正しいとは限らない。またかの話、鉄に磯良が加わった。

犬のあたりから婚活食堂を読んでいるような気分になった。マイノリティかどうか関係なく同意のないキスはだめだと思うのだけど過剰反応すると差別だとか言われるのかなあ。医者におごらせるはなちゃんもなんか苦手。万里にはもっといい人が見つかるといいなあ。

たいした力がなくて継母に虐げられていた娘が素敵な旦那様に溺愛されて幸せになるというわたしの幸せな～と同じ系統の話。こちらの旦那様の方が好みのタイプなので楽しかった。小夜自身がすごいのではなくて二人の相乗効果によって清めの力を発揮するというのがいいなあ。鬼灯の呪いに関してはコミカライズの方が分かりやすい。小夜以外にはあんな風に見えていたのか。これはきつい。