コロナ禍の様々な人間模様の短編集。一話一話短いながらもスッと入り込めてその世界観にあっという間に持っていかれる感じ、うまいなぁと思う。ダークなものもあれば、ホッとできるものもあり、1冊で色んな感情を堪能できた。

ミリさんの上京したての頃の話と、コロナ前〜コロナ禍にかけてのエッセイ集。どれもとても短いので、日々の合間に少しずつ読んだ。とくにミリさんのエッセイは夜寝る前に布団の中で読むのが好き。リラックスするんだよね〜。ミリさんが上京してアパートを探す話やイラストの売り込みに出版社をめぐる話が面白かった！イラストを売り込む時のひと工夫とかめちゃくちゃ参考になる。人の目に止まる、記憶に残る営業って大事だ。

沁みた〜。最初はなんてデキた息子さんなんだろう、穏やかで賢くて思いやりがあって順応性も高くて…規格外の親だからこそこんな風に育つのかなぁなんて思って 読んでいた。ワールドワイドに暮らす親子の軌跡は興味深かったし数々のエピソードはとても面白かった。そして迎えた最後の「ハハ物語」で息子さんが複雑な思いを抱え決意を秘めて母について行っていたことが語られていた。この1冊はこの後書きのためにあると思った。

じい散歩第2弾　新平は93歳、妻の英子を自宅介護しながら趣味の散歩やグルメ、エロも相変わらず楽しんでいる。3人息子(一人は娘)も相変わらず。しかし少しずつ少しずつ老いは明石家にやってくる。そしてついに…。長年連れ添った夫婦ならではの距離感と愛と情に目頭が熱くなりました。新平じいちゃん、寂しくなったね。でもこれからものんびり散歩楽しんで。いいお話をありがとう！

コロナ禍の様々な人間模様の短編集。一話一話短いながらもスッと入り込めてその世界観にあっという間に持っていかれる感じ、うまいなぁと思う。ダークなものもあれば、ホッとできるものもあり、1冊で色んな感情を堪能できた。

新平じいさん89歳、毎日の健康体操と健康朝食、そして散歩を日課としている。認知の怪しくなった妻からは散歩を浮気と疑われるが、行く先々でこまめに女性に声をかけて親しくなったり、大家業の事務所にヌード写真集なぞをコレクションしてるあたり、あながち間違ってもないような。有名建築や馴染みの喫茶店、洋食店巡りの散歩はすごい楽しそう。田舎だったらこうはいかないなと思った。新平じいさんの息子たち(一人は娘？)も面白かった。続編も楽しみ！

香山リカさんの転職奮闘記。少し前に著者の転職への道のりを書いたエッセイを読んでいて、とても面白く興味深かった。今回その続きが読める！とワクワクしながら本を開いた。最初、聴診器を買うところからスタート。心を診る医者から主に体を診る医者への転身は、こちらが想像する以上に大変そうだ。本書は実際の現場での奮闘や精神科医としての葛藤が多く綴られており、著者の生活ぶりや恐竜の話は出てこない。それはちょっと残念だったけど、よく見たら出版社が違ったのでそういうことかと納得。専門的な話が多いけど、これはこれで面白かった。