「ごはん」は一つの例えで、個々人の価値観の違いというものが前提にあって、それを抱えてどう他人と関わるのかという話だと感じた。いや、そう簡単に言いきれるような単純な内容ではないし、私には説明する語彙力もない。読んで自身で感じてみて欲しいと思う。 　彼女が作った(望んでもいない)きちんとした食事のあとにインスタントラーメンでリセットする気持ちはよくわかる。 短いけれども、なかなか考えさせられる一冊だった。

図書館の新着コーナーで表紙を見て衝動的に借りた一冊。 「胸」を主題に、コンプレックスに向き合う(変な方向にずれている)人を描いた作品。自己完結する生き辛さ小説とでも言うべき感じがした。完結はしているけど解決はしていない。とりわけその色が強いのが『授乳室荒らしの夢』で、こ れは、まあ面白く読めた。あとの３つは私の趣味には合いませんでした。たぶん、私が本書のターゲット層では無いからだと思う。

映画は観に行くつもりだったんだけど、なんやかんやあって行けず終い。図書館で小説を借りて読んでみた。見事なまでのボーイ・ミーツ・ガールなロードノベル。映画で色々な場所の景色を描きたかったが故の移動なのだと推察する。場面転換が早い映画では映えるのだろうけど、小説の速度で読み進めると偶然と幸運のみで話が進んでいる感じがして、物語の世界に入り込みづらい。たぶん、話として薄いんだと思う。私の好みとしては、小説は「天気の子＞君の名は＞すずめ」、映画は「君の名は＞天気の子」。さて「すずめ」の映画は？いつ観るのか？

うちから近い長野＆名古屋に、昔ツーリングで何度も走った四国西部と宮崎・鹿児島が今回の舞台。 観光と食事がメインの王道？旅なので、私自身の経験とは大きく違っていて面白い。 主題がひとり旅なので、どうしても内省的な感情描写が多めになってしまう。このことに否定的な意見を多く見かけるのだけど、個人的にはもっとネガティブを極めて欲しいと思っている。日和の性格に起因する感情の起伏を描かないのだったら単なる紀行文や旅行ガイドになってつまらない。

「ごはん」は一つの例えで、個々人の価値観の違いというものが前提にあって、それを抱えてどう他人と関わるのかという話だと感じた。いや、そう簡単に言いきれるような単純な内容ではないし、私には説明する語彙力もない。読んで自身で感じてみて欲しいと思う。 　彼女が作った(望んでもいない)きちんとした食事のあとにインスタントラーメンでリセットする気持ちはよくわかる。 短いけれども、なかなか考えさせられる一冊だった。

東大ゆかりの作家による東大生(卒業生)を主役に据えたミステリ。伊与原新と辻堂ゆめのお二方以外は初読み。出身者ならではの現実感のある東大生の生活や意識の描写がスパイスで、それがよく効いていて味わい深い。　ミステリとしては刑事事件は起きない日常の謎系のものが並んでいます。新川さんのウンコ話は非日常の謎と言うべきかな。謎解きの難易度はそれほど高くなく、考えて楽しめる程よいレベル。面白かった。