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2023年3月の読書メーターまとめ

浅香山三郎
読んだ本
10
読んだページ
2901ページ
感想・レビュー
6
ナイス
54ナイス

2023年3月に読んだ本
10

2023年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

浅香山三郎
堀田さんの小説にはなかなか手を付けられてゐないが、随筆は割りとよく読んできた。なかでも、スペインについては長年住んでをり、ゴヤの評伝もあるので、言及も多い。本書はアンドリン村、グラナダ、バルセローナ、のそれぞれの場所で、現代のスペインと欧州各国との関係、イザベル女王、スペイン内戦といふ、この国の中世から現代迄の歴史の蓄積とその重い影響を、著者独特のユーモアを交へて語る。スペインの人々と堀田さんとの日常の会話・交遊から、糸をたぐるやうに歴史が姿を現してをり、この国の歴史の地層のぶ厚さを感じさせる。
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2023年3月にナイスが最も多かったつぶやき

浅香山三郎

2023年2月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2269ページ ナイス数:121ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/619362/summary/monthly/2023/2 いつの間にか終はつてしまつた2月。

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2023年3月の感想・レビュー一覧
6

浅香山三郎
堀田さんの小説にはなかなか手を付けられてゐないが、随筆は割りとよく読んできた。なかでも、スペインについては長年住んでをり、ゴヤの評伝もあるので、言及も多い。本書はアンドリン村、グラナダ、バルセローナ、のそれぞれの場所で、現代のスペインと欧州各国との関係、イザベル女王、スペイン内戦といふ、この国の中世から現代迄の歴史の蓄積とその重い影響を、著者独特のユーモアを交へて語る。スペインの人々と堀田さんとの日常の会話・交遊から、糸をたぐるやうに歴史が姿を現してをり、この国の歴史の地層のぶ厚さを感じさせる。
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浅香山三郎
近年の日本語表現のなかに生じてゐる現象を論じる。打ち言葉、書き言葉の話し言葉化、言葉が発せられる「場」の変化、テニヲハの圧縮、情緒的な表現の跋扈など、あげればきりがないが、本来の使ひ方を離れた(論理的にはおかしい)日本語表現が増へてゐると著者はいふ。そこには、社会・共同体のコミュニケーションのあり方の変容があり、書き言葉の混濁の背景には思考の混濁があると指摘する。第4章、第5章にあるやうにそれはネット社会的な言葉が行き交ふ空間の同調圧力や承認欲求の存在とも繫がる論点であるといふ。↓
浅香山三郎
2023/07/30 23:18

今まで私の読んだ今野さんの本では、かなり現在の社会のありやうにまで言及されたもので、興味深く読んだ。

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浅香山三郎
根井さんの本は『入門経済学の歴史』(ちくま新書)についで2冊目。副題は「マーシャルからケインズへ」とあるが、ほとんどマーシャルを論じる。経営者・労働者双方の生活水準向上に対する努力と協調に期待し、社会主義の理想には理解を示しながらも、それとは違ふ社会の安定を模索した仕事を概観する。数理経済学の要素が大きいのだが、その部分は難しいので余り理解できず。
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浅香山三郎
戦争に負けたといふ現実から出発した日本の文学・思想を論じ、敗者であつたからこそ得られた視座の可能性を読み取らうとする試み。ゴジラ・大江健三郎・宮崎駿など、対象は多岐にわたるが、大江健三郎に対する集団自決裁判、『水死』論は後半の中核をなす。初期以外の大江さんの作品は読んで居ないが、加藤氏の分析を読んで、大江さんの仕事を辿つてみたいと改めて感じた。
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浅香山三郎
海野弘、松本哉の両氏の著書から、積読してゐた本書へ。昭和の戦前期までの文学を巡る道案内をしてくれる本を続けて読む。作家たちの作品も読みたいと思ひながらも、本書のやうに東京といふ町のなかに作品を配置して、時代の精神のやうなものを読み解く手捌きが見事な、かういふ本のほうを愉しんで読んでしまふ。自己分裂といふテーマを、芥川龍之介・谷崎潤一郎・佐藤春夫・永井荷風といつた大正期の作家たちがどう作品化してゐるか、佐藤春夫と建築をテーマにした作品群の関係など、たいへん面白い。何よりも、やはり大正期の東京の都市化↓
浅香山三郎
2023/07/15 23:44

とモダンな生活文化・意識が作家たちに材料を与へ、幻影を発現させたのだといふことがよく理解できた。

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浅香山三郎
日本的霊性が始めて顕現するのは鎌倉期で、禅と浄土信仰(とくに親鸞の真宗)に於いてであると著者は説く。さうなんだらうか、飛鳥・奈良・平安の神仏習合の歩みは霊性とは関係ないのか、といふ疑問はさておき、鎌倉時代に、仏教も武士も農民も、それまでとは違ふものが現れるといふ見立ては、最近までの日本通史の年代観に通底する。「超個の人」(超個己)としての「一人一人」の人間がをり、それらが日本的霊性を受容(直覚)する主体となり得たといふ話であるが、細部は未消化ながら、キリスト教の枠組みを日本の宗教に演繹したやうにも思へた。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/10/15(3280日経過)
記録初日
2009/10/18(5468日経過)
読んだ本
2814冊(1日平均0.51冊)
読んだページ
835981ページ(1日平均152ページ)
感想・レビュー
864件(投稿率30.7%)
本棚
240棚
現住所
大阪府
自己紹介

これから新しく読む本は、できるだけ感想を残します。過去に読んだ本は、読んでたことを思ひ出した時点で、登録しますけれども、感想までは書き切れない感じです。さういふ訳で、投稿率はべらぼうに低いのですが、ご容赦ください。

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