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2024年7月の読書メーターまとめ

APIRU
読んだ本
16
読んだページ
6089ページ
感想・レビュー
7
ナイス
124ナイス

2024年7月に読んだ本
16

2024年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

APIRU
長い旅を終えたような、長い夢が終わったような、そんな感慨が読み終わった後には去来したものでした。千秋楽に相応しいオールスター場所と過去いちのボリュームと、仕掛けを暴く側と云うこれまでとはまた違う視点。ラストでありつつ新しい「百物語」。ストーリー的には、いまの世に通底するような社会格差が窺え、身に抓まされるものがあると云うか、ひとの世はいつも業深く哀切を帯びていることが痛感されたものでした。邪心野心とともに、化け物遣いたちも闇に散っていった、最後の百物語。ドラマティックで端倪すべからざる、絶巓の物語でした。
APIRU
2024/07/07 07:37

蘇える皿屋敷。それだけで一篇目から胸の高鳴りを禁じ得ないものがあり、そしてあの小説を読んだときの悲哀が胸に去来したものでした。さらには柳屋を護り続ける柳、勝手に死んだ馬鹿な天狗達、手負いの蛇に鼠の王、酒を買いに来る狸、遠くの地を襲った疫病。「了」において直接後の憂いとなっているものも、特に触れられなかったものも、これまで紡がれてきた巷の怪しい噂があまねく蘇り、そして再び闇に帰していったようでした。『於菊蟲』をはじめ、『手洗鬼』『野宿火』における哀嘆とカタルシスは、物語のハイライトのひとつだったと思います。

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2024年7月にナイスが最も多かったつぶやき

APIRU

もののけdiary。2024年6月の読書メーター 読んだ本の数:15冊 読んだページ数:4307ページ ナイス数:137ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/621972/summary/monthly/2024/6

もののけdiary。2024年6月の読書メーター 読んだ本の数:15冊 読んだページ数:4307ページ ナイス数:137ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/621972/summary/monthly/2024/6
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2024年7月の感想・レビュー一覧
7

APIRU
奇想的で奇形的で奇術的なミステリー六篇。頭の先から足の裏まで、余すところなく小林泰三流のミステリーが堪能できます。SFあり、サイコホラーあり、誘拐サスペンスあり、さらにはコロナ禍の風刺もあり、なかなか趣向に富んでいますが、そのすべてでラストに意想外の仕掛けが明かされます。真相を悟ったその刹那、背筋にゾクッと走る快感。それはやはりミステリーの醍醐味であり、そのうえそこに異形の世界観が相和し、他の追随を許さない唯一無双の六篇になっていると思います。『獣の記憶』は既読でしたが、最後のワンセンテンスはやはり鮮烈。
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APIRU
悲恋と純愛の恋愛小説かと思って読んでいましたが、その中でミステリーらしい仕掛けが施されているのは嬉しいところ。もっとも、仕掛け自体は想像の埒外で面白かったとはいうものの、こんな所業に及んだ理由のほうはあまり得心がいっていないのが正直なところですが。そんな素性不明の女性との奇妙な同棲生活。家の前で待ち伏せ、要領の得ない妄言を吐き、平手打ちを喰らわせ、あまつさえ部屋に上がり込もうとする。そんな奴はどれだけ美人だろうと素性不明の時点で不審者であり警察案件だとは思いますが、そこから始まるはハジけて咲いた恋でした。
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APIRU
30年目の『夏』。言うまでもなく「百鬼夜行」の始まりにあたる一篇ですが、いま読んでも感嘆を禁じ得ないと云うか、むしろ歳月を経るごとに凄みを感じてしまうものです。二十箇月身籠った妊婦と失踪した医師、鬱病の小説家。有象無象が目眩に苛まれる果て、黒衣の陰陽師が、壊れた家族の呪いを解く。ほかではおよそ味わえないであろう展開と真相とカタルシスは、30年目でも健在でした。そして今年はこの直前に『巷説』ラストの大長編を読了した訳ですが、『了』からすべての始まりたるこの『夏』に再び戻ってくるのも、中々どうして一興でした。
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APIRU
死者から届く呪詛のメッセージ。骨髄に入る恨みか、現に残した執着か。タイトルと梗概を見た限りは古き良きB級ホラーの類だろうかと予想しましたが、特にホラー的恐怖は感じなかったというか、どちらかと云えばダークミステリー・サスペンスの印象が強かったです。不遇と悪徳の女子高生が、事件の真相を究明するため、級友を追い詰めるため奸計を巡らせる。同情を禁じ得ない境遇ではあるけれど、同情しにくい所業でもあります。そして嘲りと恨みと蔑みと妬み。業が深くて邪が深く、小胸の悪くなるは必定。最後はイヤミス然としたダークエンドです。
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APIRU
強烈な個性のエリート警視正とそれに振り回される不遇の警部補。そんな愉快な刑事コンビによる四篇であり、二人の応酬がユーモラスで実にツボでした。二人が捜査に当たるは、移動された死体、迷路で殺害されるお笑い芸人、四ヶ月後に発覚した通り魔殺人、暴力団幹部の焼身自殺、という四つの難事件。ミステリーとしてそこまで驚天ではなかったのですが、科学技術を駆使しながら真相に迫っていく展開は新鮮さもあり始終面白く読めました。特に好きなのは四話『エナメルの証言』。裏社会のイリーガル感と刑事コンビのシュールさのコントラストが絶妙。
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APIRU
長い旅を終えたような、長い夢が終わったような、そんな感慨が読み終わった後には去来したものでした。千秋楽に相応しいオールスター場所と過去いちのボリュームと、仕掛けを暴く側と云うこれまでとはまた違う視点。ラストでありつつ新しい「百物語」。ストーリー的には、いまの世に通底するような社会格差が窺え、身に抓まされるものがあると云うか、ひとの世はいつも業深く哀切を帯びていることが痛感されたものでした。邪心野心とともに、化け物遣いたちも闇に散っていった、最後の百物語。ドラマティックで端倪すべからざる、絶巓の物語でした。
APIRU
2024/07/07 07:37

蘇える皿屋敷。それだけで一篇目から胸の高鳴りを禁じ得ないものがあり、そしてあの小説を読んだときの悲哀が胸に去来したものでした。さらには柳屋を護り続ける柳、勝手に死んだ馬鹿な天狗達、手負いの蛇に鼠の王、酒を買いに来る狸、遠くの地を襲った疫病。「了」において直接後の憂いとなっているものも、特に触れられなかったものも、これまで紡がれてきた巷の怪しい噂があまねく蘇り、そして再び闇に帰していったようでした。『於菊蟲』をはじめ、『手洗鬼』『野宿火』における哀嘆とカタルシスは、物語のハイライトのひとつだったと思います。

が「ナイス!」と言っています。
APIRU
品行方正という心構えを親の腹の中に忘れてきたようなエログロバイオレンスであり、やり過ぎ感がなくもないですが、これくらい突き抜けているほうが清々しくさえ思えてくるものです。映画研究部に所属する地味な少年と、風呂トイレ寝室に至るまで自分のすべてを撮影して欲しいという美少女からの妙な依頼。お色気マンガ的なノリだろうかと思って読んでいましたが、途中で一気に猟奇と狂気が溢れてきてB級ホラー的な様相を呈してきたのでした。最後に虚実が反転するさまも楽しいし、更にまだ裏があることを予想させ、先が気になる引きでありました。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/10/25(3415日経過)
記録初日
2015/10/04(3436日経過)
読んだ本
2354冊(1日平均0.69冊)
読んだページ
800874ページ(1日平均233ページ)
感想・レビュー
1086件(投稿率46.1%)
本棚
5棚
性別
血液型
A型
職業
IT関係
現住所
神奈川県
自己紹介

好きな作家:京極夏彦先生
好きなバンド:DIR EN GREY

揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹


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