包み隠さず闘病生活が語られる、と思いきや、１番美しい、大切な瞬間だけは書かれていない、と本の最後で西さんが明かしている。 カナダ人の「愛」と日本人の「情」という話はなんだかわかるような気がした。

新聞連載で読んでいた時から大好きだった作品。普段再読はしないけど、これは再読して良かった!静かに心の奥底に響いてくる言葉に励まされ、忘れていた小説のなかのいろんな出来事を楽しむことが出来た。目立たなくても、すごいことが出来なくても、周りの人を大切に、人に親切に、そうやって生きていきたいな、と改めて思った。

人間の行動や感情がある程度理性で制御できるもの、と思いがちたけど、もって生まれた遺伝子、ホルモンなどが関連していると思えば、色々な依存症についても当事者ばかりを責めるわけにはいかない。本能と理性、遺伝と環境、何ごともそのグラデーションの中にあると思えば、自分が無縁とも思えなくなる。

包み隠さず闘病生活が語られる、と思いきや、１番美しい、大切な瞬間だけは書かれていない、と本の最後で西さんが明かしている。 カナダ人の「愛」と日本人の「情」という話はなんだかわかるような気がした。