柚木麻子の小説を初めて読んだ。男と女、社会とのつながり、人の生い立ちなど、日常ではあまり触れない内容が多く、人間の内面をえぐる描写が印象的だった。書く力が凄まじく高い小説家だと感じた。バターを中心とした驚嘆の美食との対比も読み応えがあった。イギリスで流行しているとのことだが、どこに惹かれているのか興味がある。あらすじとは関係ないが、途中、居酒屋チェーンが介護に参入し汚れ物を不法投棄した事件の記述は特定の企業が思い浮かぶが何を伝えたかったのだろう？共感できない部分もあったが、小説としては読み応えあり。

古本屋を巡る人との出会いや出来事を描いたコミック本。専ら普通の文字の本ばかりを普段読むが、本好きにはたまらない内容が満載で、30分ちょっとで一気に読み終えた。2巻も気になるので、本屋で探してみよう。ところで、青木まりこ現象は初耳だった。知らないことがまだまだあるなあ。

昨今の世の中について論じる内容。出だしを少し読んで読了とした。

彬子女王のエッセイ。一般の人との違いを感じつつも、結構普通に暮らされているんだなというのが今回もよくわかり、読んでいてなんだかほっこりした。普通に疲れたり嫌な気持ちになったり、そういう日常が描かれているので、皇室に親しみが湧く。天皇とはほんの少し離れているからこそこういう本を出せたりするのかな。

普段本を読んでいるつもりの自分からすると、読書を加速化させる焚き付けのような本に感じた。読書は大事だ、これからもいろんな本をたくさん読もう、といったように前向きなモチベーションが高まった。一日少しずつ読もう、全部を完璧に読もうとしない、など、ある種の習慣化のような手法も推奨している。そうだよなあと思いながら、一気読みできる。そりゃ売れるわなあという読者を惹きつける本づくりのテクニックも満載なんだろうなあと感じた。良い本だ。

これは名著。今のように砂糖がふつうに手に入るようになるまでに、世界で何が起きてこうなったのか、時代背景とともによくわかる。ヨーロッパ、奴隷、三角貿易、紅茶などなど、断片的であった知識がつながった。中高生ぐらいに向けたシリーズの新書だが、大人が読んでも十分勉強になる。ずっと取っておき、繰り返し読み直したい本の一冊となった。

吉田修一の全日空機内誌のエッセイをまとめた最終巻。飛行機に乗った時に何気に読んで、よい話だなあと大昔に思ったことがあり、それがまとまっている文庫があると知って、ほぼ全部揃えた。本当なら順に読むのが良いのだろうが、ぱっと目に入った最終巻をこの度読了。今読んでいる国宝の作者だということは後から知ったが、小説を読む前に、作者の人柄を知ることができ、よい読書体験だった。空の上で読みたくなるエッセイが満載でおすすめ。

柚木麻子の小説を初めて読んだ。男と女、社会とのつながり、人の生い立ちなど、日常ではあまり触れない内容が多く、人間の内面をえぐる描写が印象的だった。書く力が凄まじく高い小説家だと感じた。バターを中心とした驚嘆の美食との対比も読み応えがあった。イギリスで流行しているとのことだが、どこに惹かれているのか興味がある。あらすじとは関係ないが、途中、居酒屋チェーンが介護に参入し汚れ物を不法投棄した事件の記述は特定の企業が思い浮かぶが何を伝えたかったのだろう？共感できない部分もあったが、小説としては読み応えあり。