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2024年2月の読書メーターまとめ

piro
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3537ページ
感想・レビュー
9
ナイス
631ナイス

2024年2月に読んだ本
9

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

piro
朝井リョウは容赦無い。そして優しい。声高に叫ばれる「多様性」という言葉に対して何となく感じていた胡散臭さや違和感。朝井さんはその感覚を鮮やかなまでに、そして残酷に叩きつけてくれました。絶対的な正しさなど無い。カテゴライズされないマイノリティの苦しみは想像力の先にある。そんな風に容赦無く現実を見せつけた後、一筋の光を見せてくれたこの作品は、不思議と心にカッチリとはまる様な読後感、そして改めて朝井リョウという作家の凄さを実感しました。八重子の真っ直ぐな思いがいつか何らかの形で実を結ぶといいな。
piro
2024/02/01 22:44

ふと梨木香歩さんの著書で述べられていた「理解はできなくても受け容れる」という考えがよぎりました。受け入れ、そして知ろうとすることが大切なのだろうな。会社のハラスメント研修で「LGBTQに理解を」、「多様性を大切に」などと言うことが語られるのですが、どうしても空疎な感覚が拭えませんでした。この作品を課題図書にした方が、よっぽど心に刺さると思うんだけどなぁ。

piro
2024/02/01 22:45

ミカママさん、ありがとうございます!お薦めです。是非!

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2024年2月にナイスが最も多かったつぶやき

piro

地震、航空機事故と不穏な始まり。個人的にも色々多忙でしたが何とか平均ペース。ベストは『星を継ぐもの』、読んでいてワクワクするSFでした。『カデナ』も沖縄のセンシティブな空気を感じられて良かった。今月もよろしくお願いします。——2024年1月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3646ページ ナイス数:668ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/655004/summary/monthly/2024/1

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2024年2月の感想・レビュー一覧
9

piro
重厚で壮大な叙事詩。各章の冒頭に差し挟まれる「伝承」の引用から、比較的想定内のストーリーでしたが、そこに至る展開、そして宗教的な印象が色濃くなって行くポールの存在感に惹きつけられました。STARWARSにも影響を与えたというのも納得。結末に向けたハルコンネンや皇帝の描き方がやや消化不良な感がするのは残念でしたが、それでも来るべき新たなアラキスの未来を予感させるエンディングは、続編への期待も高まります。もうすぐ公開される映画(Part2)も楽しみ。ティモシー・シャラメがポールの進化をどう演じているのだろう。
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piro
日本でもフランスでも、まさに異邦人として生きた藤田嗣治(レオナルド・フジタ)の生涯を描く一冊。この作品を読む限り、フジタは世界の中で日本人としてのアイデンティティを示したかった様に思いますが、狭隘な価値観に囚われた人々によってその願いが抹殺された事はとても悲しく、恥ずべき事と感じます。1920年代、狂乱のパリでのエコール・ド・パリの一員としての活躍と日本における冷淡な評価。大戦中に戦争画を描いた事による戦犯扱いそして日本との訣別…。日本は藤田嗣治を失い、世界はレオナルド・フジタを辛うじて護ったと感じます。
piro
2024/02/25 00:12

国立近代美術館で彼の戦争画を観たことがありますが、猫や裸婦を描いた作品と同じ画家が描いたとは思えない作風の違いを感じました。そこには必死に日本人・藤田嗣治としての存在価値を主張する思いがあったのかもしれません。常識に収まらない才能と、不器用さのアンバランスが招いた誤解がとにかく遣る瀬無い。実はとてもナイーブな人だったと言う印象を受けました。後世の日本人は藤田嗣治を世界に誇る日本人画家として評価している事を示す為にも、一つでも多く彼の作品を観たい。まずは軽井沢安東美術館に行ってみたいです。

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piro
『道ありき』に続く三浦綾子さんの自伝第二弾。光世さんとの結婚から名作『氷点』が朝日新聞の懸賞小説で一位入選するまでの「結婚編」。何と言っても光世さんの優しさ、深い愛情に心打たれます。解説で「童話的」とまで評されるお二人の、潔癖なまでの正直さ、優しさの根源は光世さんにあるのだなぁと感じ入りました。病弱なお二人にとって互いの健康不安はありつつも、生活は愛情と信頼感に満ちていたのだと思います。だからこそ多くの人々が集まり、支えてくれたのでしょう。背筋をピシッと伸ばし真っ当に生きなければ、と自省する一冊。
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piro
ハルコンネンの陰謀から逃れたポールとジェシカ。砂漠の民フレメンの一員となる事で生き延びる彼らの姿を中心に描く中巻は、ポールの意識・能力が一気に開花していく印象。ウスールそしてムアッディブの名を得たポールはもはや少年では無く老成した感すらあります。過酷な環境に生きるフレメンは砂漠に生きるイスラムの民がモチーフだと思われますが、キリスト教徒的な背景を持つポールがその社会の中枢に入り込んでいく様が興味深い。ポールの予知記憶の中で揺れ動く理想の未来と聖戦。残念ながら恐らく次巻では戦いが待っているのでしょう。
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piro
『ひと』に続き2作目の小野寺作品。リズムよく綴られる簡潔な文章が、物語の潔さを際立たせている様に感じました。幼くして両親を喪い祖父に育てられた瞬一。高校卒業後、故郷の片品村からひとり東京へ出てバイトで生活する日々。東京とは言っても、華やかさは無い片隅のまち・平井。淡々と流れる日々の中、周囲の人々との触れ合いを通じて少しずつ成長していく瞬一の姿が眩しかった。彼の人生に華々しい出来事は起きないのかも知れないけれど、きっと周囲の人に愛され、しみじみと幸せを噛みしめながら暮らして行くのでしょう。
piro
2024/02/15 00:14

地元では無いけれどよく知ったまち。スカイツリーを眺めた橋はあそこだな。郡くんの高校はあの学校だな…難波くんが働いているショッピングモールもよく知ってる。もしかしたら難波くんが勤めてるのは私がメガネを買ったお店かも(笑)。(ここのショッピングモールにはメガネ屋が3軒もある!)物語をより一層身近に感じられて良かったです。砂町銀座のあの店・あのひとが登場したのは嬉しかった。やっぱりコロッケが食べたくなります。

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piro
小澤征爾さんの訃報に触れて再読。小澤さんと春樹さんの音楽に関する対談をまとめた一冊は、お二人の音楽に対する熱い想いに満ちたものでした。とにかく春樹さんの音楽に関する知識の豊富さには呆れる程(笑)。素人にはなかなかついて行き辛いレベルの会話も多かったものの、以前に読んだ時よりは理解できた気がします。丁度最近マーラーを聴き始めたのでマーラーの交響曲に関するお話は興味深く読みました。演奏会や音楽家に関する様々なエピソードが楽しい。そして小澤さんの若手育成に関する思いには音楽界全体に対する深い愛情を感じました。
chantal(シャンタール)
2024/02/13 17:49

この対談、とっても良かったですよね!私は上海で、小澤征爾さん指揮のオペラを鑑賞する機会があって、ほんとにあの時行っておいて良かったと思ってます。ほんとに残念なニュースでした・・ご冥福をお祈りいたします。

piro
2024/02/13 21:09

chantalさん、オペラ行かれたのですね。羨ましいです。私は録音で我慢します。🥲

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piro
砂の惑星アラキスを舞台に繰り広げられる壮大な物語の序章。本巻では映画第一弾の途中までの部分が描かれます。映画を視聴済だったので比較的スムーズにこの世界観に入り込むことができましたが、映画以上に様々なバックグラウンドが丁寧に語られていて奥深く難解。この濃度で6部作が書かれているのかと思うと気が遠くなりそうです。凄まじいスピードでその才能を開花させるポールの姿、映画では描かれていない母ジェシカの出自など、この先の展開が楽しみになる事が散りばめられた内容でした。
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piro
沖縄を舞台に描かれる桜木作品。裏表紙に書かれた「挑戦作」と言う表現がしっくりくる、新境地を拓く様な作品でした。とは言えやはり桜木作品の女は哀しく、男はどうしようも無い。読後感には他の作品と共通する匂いがありました。北海道の東の街から那覇に流れ着いたツキヨ。「竜宮城」で客を取る日々から抜け出し、万次郎、ヒロキとの不思議な共同生活を送る中で感じ取る死の気配は、「どんつき」まで行き着いた男と女の行く末を暗示する様。目を背けたくなる描写もあり、ややキツい読書でした。
ミカママ
2024/02/04 21:07

桜木さんが沖縄?!ぜひ読みたいに加えさせていただきます( ..)φメモメモ

piro
2024/02/04 21:22

そうです!桜木さんなのに沖縄です。情景はかなり異なりますが、那覇の小路のうらぶれた空気感は、釧路の街にも通ずる気がします。そしてやっぱり桜木さんらしさはたっぷり感じられました。

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piro
朝井リョウは容赦無い。そして優しい。声高に叫ばれる「多様性」という言葉に対して何となく感じていた胡散臭さや違和感。朝井さんはその感覚を鮮やかなまでに、そして残酷に叩きつけてくれました。絶対的な正しさなど無い。カテゴライズされないマイノリティの苦しみは想像力の先にある。そんな風に容赦無く現実を見せつけた後、一筋の光を見せてくれたこの作品は、不思議と心にカッチリとはまる様な読後感、そして改めて朝井リョウという作家の凄さを実感しました。八重子の真っ直ぐな思いがいつか何らかの形で実を結ぶといいな。
piro
2024/02/01 22:44

ふと梨木香歩さんの著書で述べられていた「理解はできなくても受け容れる」という考えがよぎりました。受け入れ、そして知ろうとすることが大切なのだろうな。会社のハラスメント研修で「LGBTQに理解を」、「多様性を大切に」などと言うことが語られるのですが、どうしても空疎な感覚が拭えませんでした。この作品を課題図書にした方が、よっぽど心に刺さると思うんだけどなぁ。

piro
2024/02/01 22:45

ミカママさん、ありがとうございます!お薦めです。是非!

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/02/14(3012日経過)
記録初日
2016/02/05(3021日経過)
読んだ本
1126冊(1日平均0.37冊)
読んだページ
371537ページ(1日平均122ページ)
感想・レビュー
1126件(投稿率100.0%)
本棚
27棚
性別
血液型
A型
現住所
東京都
自己紹介

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