読書メーター KADOKAWA Group

2025年1月の読書メーターまとめ

剛田剛
読んだ本
9
読んだページ
3731ページ
感想・レビュー
9
ナイス
73ナイス

2025年1月に読んだ本
9

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

剛田剛
•「倒しに~」は「現代の立身出身物語」として読むことができたが、昨今の人文系アカデミアの腐敗を見てからこの続編を読むと、今度は理系アカデミアの健全さにめまいがした。•「バッタ防除の手法を確立して農産物の被害を減らす」という崇高で明瞭な目的、「バッタがとにかく好きなんだ、バッタに食われたいんだ」という狂気めいた情熱、研究手法や研究者相互の国境を越えた協働の文化。我々がアカデミアという世界に夢を見てアカデミアの住人に敬意を払っていた理由は本来はコレだったはずなのだ。•ぼく自身は国文屋だが、滅ぶべし人文系。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
9

剛田剛
•主に壬氏くんが身体的にも精神的にもヒドい目に遭いっぱなしの巻。不憫である。•皇帝陛下は相当な名君。あんな歪んだ環境の生まれ育ちでよくそれだけバランスの取れた人格を手に入れたもんだ。•他の巻にも言えるけれど校正が甘い。鈴麗公主は1巻の園遊会で皇太后にあやされて可愛がられていたはずなのに、初対面みたいな場面になっていた。頻繁に会うわけではなかろうから矛盾があるというほどではないが違和感があった。
が「ナイス!」と言っています。
剛田剛
•壬氏&猫猫周りでも大事件があったにも関わらず、終盤の展開はどう見ても羅漢パパが主役のラブストーリーです本当にありがとうございました。作者はどこかで「壬氏は嫌い」という趣旨のコメントをしていたと思うが、たぶん羅漢のことは好きなんだろう。•謎解きパートはもうひと溜めして欲しかった気もする。テンポの良さや緊迫感を重視したのかも知れないが、ここまで積んだ積み木をあっさり崩すのはちょっともったいなかった。攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEXの傑作エピソード「暗殺の二重奏」みたいなのを期待していた。
が「ナイス!」と言っています。
剛田剛
•高貴な身分で黄金のハートを持つ壬氏くんが面倒事を持ち込む→並の身分の有能な猫猫ちゃんが解決する という基本的筋立てはジーヴスものであるな。壬氏がお人好しではあってもバーティーほどポンコツでなく、猫猫が有能ではあってもジーヴスほど主人をコントロールしないだけで。•各エピソードがコンパクトに纏まっているところ、猫猫があくまで自分の偏執的知的能力に依って立つキャラであるところ、壬氏が善良なイケメンではあっても理想のダーリンではないところなんかが他の凡百の女性向けラノベと一線を画してウケた理由になったのかな。
剛田剛
2025/01/29 12:44

•原作を読んでみて改めてわかるのは、ねこクラゲ版もアニメ版も猫猫の外見をちょっと美人にしすぎていないかという問題と、コレが容易に片付かない根深い、しかも物語の根幹に関わる問題であることだ。(倉田版がちょうどいいと思う)•かつてこれと似た問題に「新城直衛の外見はどうであるか」があり、これは伊藤悠が満額回答を与えて解決した。

剛田剛
2025/01/29 12:48

•文体は古き良き時代小説風というか、司馬遼太郎体であまりラノベ的ではなかった。ただし編集と校正はもう少しちゃんと仕事をしたほうがいい。何箇所か変な表現があった。

が「ナイス!」と言っています。
剛田剛
•「倒しに~」は「現代の立身出身物語」として読むことができたが、昨今の人文系アカデミアの腐敗を見てからこの続編を読むと、今度は理系アカデミアの健全さにめまいがした。•「バッタ防除の手法を確立して農産物の被害を減らす」という崇高で明瞭な目的、「バッタがとにかく好きなんだ、バッタに食われたいんだ」という狂気めいた情熱、研究手法や研究者相互の国境を越えた協働の文化。我々がアカデミアという世界に夢を見てアカデミアの住人に敬意を払っていた理由は本来はコレだったはずなのだ。•ぼく自身は国文屋だが、滅ぶべし人文系。
が「ナイス!」と言っています。
剛田剛
•「息吹」なかなかとんでもないものを読んでしまった。久しぶりに時間が飛んだ。•「大いなる沈黙」ここ10年の間に読んだ「詩」の中で最も美しい一篇であった。小説を読んでいる感じはなかった。•「偽りのない事実、偽りのない気持ち」中島敦の「文字禍」を読んでいるような気分になった。•「ソフトウェア•オブジェクトのライフサイクル」aiboの寿命に悲しんだりラブプラスを遊んだりする人々がいる我々には馴染みのない世界ではないな。•「商人と錬金術師の門」は藤子不二雄Fか手塚治虫あたりがどこかに描いていなかったかこういうの。
剛田剛
2025/01/22 22:29

•「オムファロス」テッド・チャンのテッド・チャンたるゆえん。「バビロンの塔」や「地獄とは神の不在なり」のような、何一つ現実離れした技術は出てこないのにちゃんとSFをやっているこの不思議な感じが脳に効く。

剛田剛
2025/01/22 22:44

短編だし、テーマも明確だし、展開も一本道だし、テッド・チャンは決して難解な作家ではない。

が「ナイス!」と言っています。
剛田剛
•表題作「あなたの人生の物語」は「星を継ぐ者」的な異星人の謎解きゲームかと思ったらどんどんスピリチュアルな方向に流れていってなんか予想が外れた。•「言語」というテーマは「理解」でも取り扱われていたが、きっとこれはテッド・チャンという作家のライフワークみたいなテーマなのだろう。•いちばんエンタメ性があったのは「バビロンの塔」。物語が前進していく感じ、読者を牽引していく感じがあって心地よい読書になった。こういうSFもアリなんだな。
剛田剛
2025/01/22 22:34

「息吹」も読んでから戻ってきたが、「あなたの人生の物語」は決定論の上に置かれた個人がどういう選択をするか、というテーマそのものはテッド・チャンが繰り返し語るものではあるのだが、必ずしも代表作として挙げられるべきものじゃないなコレ。個人的には「息吹」が飛び抜けていて次点が「地獄とは神の不在なり」「バビロンの塔」。

が「ナイス!」と言っています。
剛田剛
•「論理的である」ということは必ずしも普遍的なものではなく、文化ごとにその内実は変わる。「論理的であること」=「読み手にとって記述に必要な要素が読み手の期待する順番に並んでいることから生まれる感覚」という指摘は身も蓋もないが同時にまことに現実的である。•各文化ごとに変化する「論理的である」ことの型は学校教育の場で指導される作文の形式に典型的に現れてくる。•「論理」は「論理の力」を信仰する人の間でしか通じない、ということは常日頃から感じていたが、なんとその「論理」そのものがこうも多様なものだったとは。
が「ナイス!」と言っています。
剛田剛
•普通の公立高校や中学で真面目に勤務している教員であれば、取り上げられている少年少女に類似する特性のある生徒を抱えた経験はみんな持っているはずである。「壁の向こう」と「壁の手前」の距離はそんなに遠いものではない。我々の足元はちゃんと壁の向こう側と地続きである。•筆者の指摘する通り、刑罰と治療の間の断層に落ち込んだ人のための制度は乏しいが、本来その隙間を埋めてきたのは「家族」や「地域」だったのだろう。ところがリベラリズムはどんどん家族も地域も解体していった。今さら家族や地域に何かを期待しても無駄であろう。
が「ナイス!」と言っています。
剛田剛
•国語屋ぼく、芸の肥やしに英語に手を出し始める。•さすがに50年前の本なので時代の違いはあるのだが、それにしても異なる言語に生きるということは異世界に生きることとほぼ同じであるのだな。•語根の語感、接頭辞と接尾辞の性質、用例をちゃんと把握しないと英語の点数なんか伸びるわけがないのだな。単語帳をめくるだけの勉強法のいかに無駄なことか。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/03/23(3254日経過)
記録初日
2014/03/05(4003日経過)
読んだ本
931冊(1日平均0.23冊)
読んだページ
256725ページ(1日平均64ページ)
感想・レビュー
458件(投稿率49.2%)
本棚
0棚
性別
職業
無職
自己紹介

キモくて金のないおじさんのコスプレをして今日も町を歩いている

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう