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2024年10月の読書メーターまとめ

awe
読んだ本
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896ページ
感想・レビュー
4
ナイス
79ナイス

2024年10月に読んだ本
4

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

awe
仕事の成果というのは往々にして組織で出すものなのに、人事考課となると途端に個々人の「能力」が持ち出されてしまうおかしさを問うという問題意識は前作から一貫しつつ、著者がこれまでにコンサルティングしてきた方々の事例をもとに更に論を進める一冊となっている。レゴブロックの喩えは分かりやすい。労働者個々人を画一的な「能力」観で評価するのではなく、様々な特性をもった個々人(レゴブロック)として捉え、彼ら彼女らの「組合せ」としてレゴ作品(仕事の成果)が生まれる。◆なるほど、と思った(前作にはおそらくなかった視点)として
awe
2024/10/20 12:54

」が少なく不幸だ、ということには必ずしもならないだろうという話。「お金」を多くもらえることだけを是とすることの問題点。確かになあと思うし個々人の心構えとしてあってもいいような気がしつつ、しかしこういう考えって昨今のセルフケアだとか清貧を推奨するような流れの胡散臭さに繋がるような気がしていて、福祉国家の政策立案という視点ではやはり先述の前提は外せないのではないかと考える。◆レゴブロックの話に戻るが、みんなそれぞれの能力を活かして、というのも確かにそういう方向性で経営陣や管理職が考えていくことは大事と思う。

awe
2024/10/20 12:57

その上で疑問に思うのが、そうはいっても一定程度の事務処理能力や物事を理解する力は必要なのでは?ということ。その水準をクリアした上での「個性・特性」の発揮だろうから、そうなると言い方は悪いが「何をやってもダメな人」というのは出てき得る(その水準をクリアしていない)だろうし、そういった人にどう活躍してもらうのかという点について筆者はどう考えているんだろうか。まあ、そういう人でも少しは長所があるだろうから、そこを磨いてもらって、ということにはなるんだろうけれども。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
4

awe
社会学理論や社会思想を専門とする社会学者による三部作の完結編。一作目は昔少しだけ読んだ記憶がある。本書単体でも読めるとのことだったので購入。結果としてかなり面白かった。ただし、本書の内容はところどころ高度に哲学的で、そういった文章を読む訓練を受けていない自分にとっては多少理解しづらい箇所もあり、本書の論旨を完全に理解できたとは言い難い。◆トクヴィル、デュルケム、ベルクソン、永井荷風の思想をあげつつ、社会とは、社会学とは何か、日本社会において「社会が不在」であるのは何故なのかが論じられていく。論者らの思想が
awe
2024/10/27 19:13

境地にはどう対処すればよいのだろうか?ということ。そうした境地にある者からすれば、他者の存在は希薄なものであって、それは翻って自己の生の希薄さをも観念させるようになり、他者と共にあるような社会というものに積極的に意義を見出せなくなるような気がする。要するにどうすればそういう「賭け」に出られるような心境・状況になるのだろう?という疑問。◆上記の疑問はおいておいて、しかしそうした「賭け」のもと、規範的に作り上げられた社会においては、個々人の尊重こそが民主主義なのであるから、むしろ多数決原理はその意味で民主主義

awe
2024/10/27 19:16

的ではないという話は面白い。それはトクヴィル的な多数者の専制に容易に転化し得る。その意味で、ポピュリズムや独裁者の専制等民主主義の堕落とされているものは、むしろ極めて非民主主義的なものなんだと。確かに。◆ラストでは日本において社会が不在である点が論じられる。よく言われるように、日本では上からの近代化が図られ、民衆が個々人の権利を求めて闘いそれを勝ち取る、という経験がない。そこでは、先述のような民主主義はない。

が「ナイス!」と言っています。
awe
なにひとつとして良さが分からず、響かなかった。感受性豊な幼少期に読んでいたら何か違っていただろうか。分からない。心身ともに強靭な老人と自然の闘い。少年との絆(これは小児性愛、或いは男性同性愛的な読みもあるのだろうか?)。時代背景等を知っていればなお面白かったかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
awe
相変わらず諸富氏の著作は面白い。一般に納税は義務とされ(日本国憲法でそう規定されている)、痛税感という言葉があるように、日本では「お上」に嫌々納めるものというイメージが強いが、しかし納税はむしろ市民の「権利」なのではないかという問題提起から始まる。例えば欧米では革命により政権を奪取したりと「下からの突き上げ」により新体制を構築することがあったが、翻って日本ではそのような経験はない。所得税や法人税の導入について欧米では一悶着あったが、日本はといえばそうした制度を真似して明治に導入しただけである。税制について
awe
2024/10/20 13:46

また税制改正の最大の契機は戦争など国家を揺るがす有事の際である。軍費調達のために新税が導入されたりするのは万国共通なんだと。そういう時であれば国民の理解も得やすいという側面もあるのだろう。◆租税回避の話も触れられている。これについては著者の『グローバル・タックス』(岩波新書)が詳しいが、企業がグローバル化する中で、課税当局も国家の枠に縛られていてはだめなので、国際的に協力する体制が出来つつあるのだと(国際最低課税ルール、デジタル課税)。ただしこの問題点として、こうした国際枠組みを監督する主体はどうなるのか

awe
2024/10/20 13:51

ということがある。国際的な課税権力が、専制的に重税を課してきたら・・・?という問題。◆5章「税金を私たちの手に取り戻す」として、いかに財政民主主義の考えのもと、市民が主体的に税制の改革に携わるかが書かれている。一つには、EBPM的な視点がある。まあ税金を使って施策が打ち出される以上、それが効果をあげているのかどうかの検証は必要である。あまり進んでいない気がするが。◆いままさに総選挙で減税だ社会保険料の減免だという話になっており、

が「ナイス!」と言っています。
awe
仕事の成果というのは往々にして組織で出すものなのに、人事考課となると途端に個々人の「能力」が持ち出されてしまうおかしさを問うという問題意識は前作から一貫しつつ、著者がこれまでにコンサルティングしてきた方々の事例をもとに更に論を進める一冊となっている。レゴブロックの喩えは分かりやすい。労働者個々人を画一的な「能力」観で評価するのではなく、様々な特性をもった個々人(レゴブロック)として捉え、彼ら彼女らの「組合せ」としてレゴ作品(仕事の成果)が生まれる。◆なるほど、と思った(前作にはおそらくなかった視点)として
awe
2024/10/20 12:54

」が少なく不幸だ、ということには必ずしもならないだろうという話。「お金」を多くもらえることだけを是とすることの問題点。確かになあと思うし個々人の心構えとしてあってもいいような気がしつつ、しかしこういう考えって昨今のセルフケアだとか清貧を推奨するような流れの胡散臭さに繋がるような気がしていて、福祉国家の政策立案という視点ではやはり先述の前提は外せないのではないかと考える。◆レゴブロックの話に戻るが、みんなそれぞれの能力を活かして、というのも確かにそういう方向性で経営陣や管理職が考えていくことは大事と思う。

awe
2024/10/20 12:57

その上で疑問に思うのが、そうはいっても一定程度の事務処理能力や物事を理解する力は必要なのでは?ということ。その水準をクリアした上での「個性・特性」の発揮だろうから、そうなると言い方は悪いが「何をやってもダメな人」というのは出てき得る(その水準をクリアしていない)だろうし、そういった人にどう活躍してもらうのかという点について筆者はどう考えているんだろうか。まあ、そういう人でも少しは長所があるだろうから、そこを磨いてもらって、ということにはなるんだろうけれども。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/05/30(3099日経過)
記録初日
2015/12/01(3280日経過)
読んだ本
423冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
117389ページ(1日平均35ページ)
感想・レビュー
359件(投稿率84.9%)
本棚
0棚
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