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2024年5月の読書メーターまとめ

アレカヤシ
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感想・レビュー
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ナイス
86ナイス

2024年5月に読んだ本
6

2024年5月のお気に入られ登録
1

  • 杜のカラス

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

アレカヤシ
ネタバレ2009年以降、死ぬ直前までの自伝·回想記。口述筆記。とてもやわらかい話口調で、私の千倍以上ありそうな、経験、行動、交友などがおもしろく語られる。ものすごく濃い人生。生き生きしたエピソードもいっぱい。だけど、あとがきに載せられた、手書きの日記のいくつかのほうが、本文より作者の内面がなまなましくてひきつけられる。やっぱり口述筆記のほうは聞き手がいるし、公開するものだけど、日記は本来誰にも見せないはずの独白だから。2021/1/31の、「何もない、何も聞こえてこない、何も言いたいことはない」という言葉は、↘
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
6

アレカヤシ
とてもおもしろい。三回(三日?)の講演を書き起したもののようだが、いつどこで行われたものなのか、何も書かれていない。そういう体裁の小論なのかも知れない。作者が選んだ作者好みの小説をテキストにして、そこに表れる生命観を読む、といった内容。本書に出てくる、生命観と生命感(覚)はまぎらわしいところもあるが、区別されてる。一日目は日野啓三「夢の島」、二日目は半村良「妖星伝」、三日目は久坂葉子「猫」、尾崎翠「第七官界彷徨」、岡本かの子「鶴は病みき」「混沌未分」「決闘場」、富岡多恵子「藤の衣に麻の衾」
アレカヤシ
2024/05/28 20:30

最後にディネセンの「アフリカの日々」ついても書いてある。どの作品もすごく興味がわくけど、尾崎翠という人の作品は特に気になった。目次をみても感じるけど、作者は男性作家と女性作家の作品を、その性の特質から、はっきり分けて考えているみたい。★(何一つ自分の力でつくりあげてきたことのない、前の世代の人々がつくりあげてきたものを要領よく利用するだけの人々 70) (生命感の充実とは、結局、価値観の充実ということに集約されるといっていいのではないでしょうか 90)

アレカヤシ
2024/05/28 20:39

(私は、子供時代からの延長で、たとえば人間を、とりあえずロボットのようなメカニックな存在として想定し、どのスイッチを入れるとどこがどう動きだすか、という具合に解明できるものだと思っていました) (そしてどうすれば自分を肯定できるか、正当化できるか、ということを観念的にこじつける作業に夢中になりました。私はもともと肯定よりは否定に反射神経が働いてしまうタイプです。自分を正当化するためには、こじつけるという方法しか考えられませんでした。ですから無理が生じます。私の本心は否定したくてうずうずしているのですから)

が「ナイス!」と言っています。
アレカヤシ
七篇収載。①未婚の継母 ②一人家族 ③手紙 ④白雪姫と小人たち  ⑤逆光 ⑥幸福人形 ⑦闇の炎 ★作者の本を読んできてぼんやり思っていたけど、⑦でとうとう、主人公の思いが自分には決定的に分っていない、ということがはっきりしてしまった。 そして、年と共に作者の小説が手慣れた?ものになっていくと同時に、 私の、この作者の作品への興味も弱まってきている気がする。大したことじゃないけど、今ふと思ったのは、作者の小説は、本筋と関係ない挿話や小論めいたものが全く入ってこない事。このことは私の好きなところ。
アレカヤシ
2024/05/23 21:28

この本で印象深いのは、七篇中、三篇が、独白形式だという事。②は友人への手紙。④は対話だけど、片方の言葉だけで書かれている。⑥は死んだ父への内的な語り。それから③と④は同じ年(1984)に書かれていて、人物は同じではないが、続き物みたいな内容。もっと飽きてくるまで?この作家の本を読む。まだ(好き)のほうが大きい。☆(家庭なんて、人間の大半が暮す珍しくもない生活の場所なのですよ。つまりごく普通のありふれた人々が、最も快適に過ごそうと努力しているうちに、自然に出来てしまう生活単位であり、生活形態なのだわ 71)

アレカヤシ
2024/05/23 21:40

(男であるというだけで、殆ど何の努力もしたことのない、風に吹かれれば、そのままぐにゃりと倒れてしまいそうな秀夫が、それでも長と名のつく居場所を機械的に与えられ、周囲から盛り立てられる。由布子は姉としてひ弱で無能な弟のために、そういった社会のしくみをありがたいと思う一方、やはり、少しは割りきれないものが胸に残る···なぜ秀夫が一家の主人であるのか、「男だから」という以外に何の説明もない。それは、生まれた時から決まっている。当の秀夫が、何の疑問も持たない 162頁) 男尊女卑的社会システムに対する作者の思い

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アレカヤシ
ネタバレ収載5篇。①降水確率 ②ぐる ③水の中の似顔絵 ④生まれた場所 ⑤コーン·フィールドの雉 ☆①ひとりでいたいけど、ひとりがうまくいかないひと。②生きてる人も死んだ人も、人の心なんかわかるわけがない。③主人公は作者の強い分身だと思われる道世(幾度か出てきた名前)。この本のなかでは一番好きな作。出奔と衰亡の巣(154頁) ④物語。主人公の美濃に対する思い。③と④には共に里瀬という名の女が出てくる。全くの別人だが、2人とも魔力を持っている。⑤人間の心の不気味。
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アレカヤシ
ネタバレ(知らないけど、孤細胞っていうの、何だかシングルよりロンリー·セルって感じ 150頁) 一人でいられない。決して溶けあわない同士なのにひきつけあわずにいられない。けど、それは、その個体その個性が必要なわけではない。一人でも苦しく、二人以上でも苦しい人間のことが書かれている。(俺はもしかしたら植物に生まれるべきところを、間違って人間に生まれてしまったんだな。植物は親も子も関係ないしな、オスもメスもないしな、あっても選り好みしないしな。自分から出かけて行ったり、攻撃したり、喋ったりしないしな--- 植物はな↘
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アレカヤシ
ネタバレ2009年以降、死ぬ直前までの自伝·回想記。口述筆記。とてもやわらかい話口調で、私の千倍以上ありそうな、経験、行動、交友などがおもしろく語られる。ものすごく濃い人生。生き生きしたエピソードもいっぱい。だけど、あとがきに載せられた、手書きの日記のいくつかのほうが、本文より作者の内面がなまなましくてひきつけられる。やっぱり口述筆記のほうは聞き手がいるし、公開するものだけど、日記は本来誰にも見せないはずの独白だから。2021/1/31の、「何もない、何も聞こえてこない、何も言いたいことはない」という言葉は、↘
が「ナイス!」と言っています。
アレカヤシ
ネタバレ(心の中は外界に対しての「内部」なのである。しかしこれは錯覚ではあるまいか。喜怒哀楽は「内部」にではなく「外界」に、心の中にではなくて外気の中にあるのではないだろうか 114) (想起は「心の中」で起る何ごとかではなく、「世界の中」の風景なのである 229) たまにはえらい人のいうことも聞いてみようかと開くが。難しい言葉はなく、わかりやすく書かれているのだけど。私の(脳)ではとてもついていけない。現実にくっついていない言葉遊びのような気がしたり、だまされたような気分になったり。だけどおもしろさも感じる。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/06/12(2938日経過)
記録初日
2016/06/12(2938日経過)
読んだ本
578冊(1日平均0.20冊)
読んだページ
159717ページ(1日平均54ページ)
感想・レビュー
578件(投稿率100.0%)
本棚
5棚
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