「ブラック・ミラー」力技のアリバイトリックは面白いが、失敗時のリスクが高すぎる。「有栖川有栖嫌いの謎」謎の造りはこれがいちばん面白かった。解決も充分な水準。ただ嫌いな作家の作品を全作読むってそんなに珍しいことではないと思う。「山伏地蔵坊の狼狽」この書き手らしいちょっとうるさいくらいのサービス精神が楽しい。ただ地蔵坊のパーソナルな部分はもう少し謎めいたままでもよかった。「型取られた〜」江神さんものがこれ一編なのは意外。ロジカルな解決を期待したが、結構情緒に訴える謎解き。でもファン心理には叶っているか。
(ネタバレ)青崎作品のロジックの気になった点。①逃げようと抵抗した被害者を殺害したという状況なら、縄が緩んでいて波に流されただけの可能性もあるのでは。死体が海に消えることを期待しながら証拠品の縄だけ持ち帰るのももやや矛盾してるし。②脅迫手段として刃物を推論しているが、モデルガンやスタンガンの可能性もあるのでは。③緑道が暗くても今はスマホで光源は確保できるし、上述のように縄が既に緩んでいたとすれば刃物で切らずに手で解いた可能性も充分あるのでは。どうせ持ち去る証拠品なら指紋を気にせず手袋を外してもおかしくない
なんというか読むという行為を宇宙や生物の法則と結びつけて別の言い方に変換したところで、生きようとするから生きるのだ的な悟りをスケールダウンしたものとしか思えず、それで肯定感を得られる人間は最初から悩まないのでは?と感じてしまった。
SFアニメの日常回みたいなシーンのなかで、世界はどうせ終わるのにみたいな俯瞰的な視点を唐突に出されると居心地悪くなる。「恋澤姉妹」百合の関係性を消費することに自省的なのは分かるが、自省したところでなんなんだとは思った。この手の関係性ものって結局身の回りの世界にしか興味がない想像力の狭さが歪つだと毎回思うが、それを究極的にすると見てる奴を誰彼構わず殺すヤバい人になってしまうという話だが、そこにあくまでも美しい感動を見出す性欲についていけない。↓
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SFアニメの日常回みたいなシーンのなかで、世界はどうせ終わるのにみたいな俯瞰的な視点を唐突に出されると居心地悪くなる。「恋澤姉妹」百合の関係性を消費することに自省的なのは分かるが、自省したところでなんなんだとは思った。この手の関係性ものって結局身の回りの世界にしか興味がない想像力の狭さが歪つだと毎回思うが、それを究極的にすると見てる奴を誰彼構わず殺すヤバい人になってしまうという話だが、そこにあくまでも美しい感動を見出す性欲についていけない。↓