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2024年3月の読書メーターまとめ

梅子
読んだ本
8
読んだページ
1759ページ
感想・レビュー
8
ナイス
60ナイス

2024年3月に読んだ本
8

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

梅子
凄かった、あまりに共感しすぎてテレビの音も耳に入らないほど没頭した。例えば会社で分かりやすい性差別を受けたら人事に話して対応してもらえる。でも苦しみの9割は分かりにくい、冗談ともとれる、悪気のない、無知な差別なのだ。私も同僚から気持ち悪いことを言われて、それを第三者に分かってもらうのに苦労したし苦しかった。悪気はないんですよって言われて。それが私に何の関係があるの?そういう被害者だけ味わわなければならない苦しみを、こんなに的確に言語化してくれて、気付いていなかった違和感にも気付かせてくれた。友達に勧める。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

梅子

最近noteで書籍紹介めいたことを始めた。もともと読メの文字数制限に引っ掛かって感想が中途半端になりがちだったのをnoteで補強すれば一石二鳥だと思って始めたけど、記事一本書き上げるのが思った以上に大変で、しかもだんだん文章に余計な装飾をほどこしたり好きな作家に文体が影響されてたりするのをあとから見返して気付いたりする。でもこれこそ修行ってものだよね。 山岳小説の選書してみました。

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2024年3月の感想・レビュー一覧
8

梅子
偶然古本屋で手に取った一冊で、最後まで続編とは知らずに読了。非常にテンポ良く楽しい読書だった。良い意味で古き良きスペースオペラであり、翻ってみると中国SF『三体』も確実にこれと同じジャンルに含まれるだろう。だから流行のというのは繰り返されるのだ。インテリなジョークやアイロニーも盛り沢山で、特に多くの文学作品が登場し、読書好きには二重に楽しい設計。後書によると『2001年宇宙の旅』の映画か原作を嗜んだ方には、本作はやや説明過多に思えるらしい。そのどちらも嗜んでいないが故か、私には非常にバランス良く思われた。
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梅子
「ある日突然〇〇になっていた」ジャンルの始祖ともいうべき作品。生ぬるい夢オチやデウス・エクス・マキナに頼らず最後まで徹底して不条理を貫いた物語に好感が持てる。ゴキブリに変身する以外は完全なるリアリズムの世界で、稼ぎ頭が倒れたことで中産階級から労働者階級へ没落していく家族のささくれ立った感じが胸にくる。突如異なる肉体に宿された自我が徐々に変容していく様ーー思考能力が衰え餌のことしか考えられなくなる様が生々しい。最後に家族が解放され未来を志向していくのも、純粋には喜べず、この二律背反な読後感も味わい深い。
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梅子
普段こういう本は全然読まない私に、友人が強く勧めてきた。「新婚さん」の、男性視点から女性の外見に滲み出す内面を描くテクニックの巧みさ。「血と水」の、宗教と距離が近い人の内面つまり私達が想像するしかない領域を描いているにも関わらず物凄くリアルに感じる不思議な手触り。特に宗教に関しては、不合理な世界に自ら身を置く人間が何故こんなに純粋な善性を維持できるんだろうという積年の疑問が少しだけ解けた気がした。これを勧めた友人は、私は自分を統制し過ぎてると言う。この本も、それを指摘するために勧めてくれたのだと分かった。
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梅子
凄まじい。久々に涙が止まらなかった。ポストアポカリプト小説なんて最早陳腐なジャンルだしプロットも単純なのに、この圧倒的な絶望感と、呆然としてしまうような善と悪のコントラスト。人間は互いを殺し合ってほとんど残っておらず、文明の残り滓で命を繋ぐ究極のゼロサムゲームが始まっている。焼死体と人肉食と寒さと飢え、それから灰しかない世界。そんな中で生まれ落ちた我が子に光を見て未来を託し、優しく愛し、命を投げ打って守る父親の献身は胸を打たれるし、自分が飢えても他者を助けられなかったと泣く息子に、大いなる善性を仰ぎ見る。
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梅子
いわゆるハウツー本なのに抜群のリーダビリティ、さすがキング。特に前半の自身の生い立ちがめっちゃ面白いんだけど、結局キング作品のユーモアは作家自身が破茶滅茶な人生を歩んだからこそ書けてるような気がして、一周回って作家志望者を絶望させる。作法の方は、「副詞を駆逐しろ」「情況の進展こそが小説の肝」「シンボリズムは第二稿で」が勉強になった。『ミザリー』『スタンド』創作の舞台裏やスランプからの脱却も惜しげなく回想し、何なら交通事故で奇跡的に生還したあと再び小説を書き始めるまでの復活過程まで教えてくれる親切本。
梅子
ユーモアでアイロニカルな文体。近代ロシア文学の走りとされているのも分かる。圧政下での息苦しい官僚制と個人の欲望、そして秩序破壊者にもたらされる死を描くことで帝政ロシアを批判しているんだろう。死後霊魂になって仕返しすることで、抵抗運動を勇気付けているのかもしれない。立派な外套は欲望の対象であり権力の象徴。それを約束されたアカーキィが突然意欲に満ち溢れるところ、また外套を手にした彼がぎこちなく振る舞うところがすごくリアル。100年以上前の作品なのにものすごいリーダビリティ。メルヴィルのバートルビーを思い出した
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梅子
精神性や人生哲学といった角度から織田信長の人となりを解説する。有名な斎藤道三との婚議の逸話も軽妙な語り口でなんだか説法を聞いてるみたい。突然変異的に爆誕した「うつけ者」に振り回されて「いや、ウチの殿が今川義元破ったのも運だから!」って全然信用してない織田家家臣たちに笑う。この調子で姉川の戦いまでいったら絶対面白かっただろうな、未完なのが悔やまれる。
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梅子
凄かった、あまりに共感しすぎてテレビの音も耳に入らないほど没頭した。例えば会社で分かりやすい性差別を受けたら人事に話して対応してもらえる。でも苦しみの9割は分かりにくい、冗談ともとれる、悪気のない、無知な差別なのだ。私も同僚から気持ち悪いことを言われて、それを第三者に分かってもらうのに苦労したし苦しかった。悪気はないんですよって言われて。それが私に何の関係があるの?そういう被害者だけ味わわなければならない苦しみを、こんなに的確に言語化してくれて、気付いていなかった違和感にも気付かせてくれた。友達に勧める。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/08/13(2815日経過)
記録初日
2016/08/16(2812日経過)
読んだ本
287冊(1日平均0.10冊)
読んだページ
95212ページ(1日平均33ページ)
感想・レビュー
267件(投稿率93.0%)
本棚
13棚
性別
年齢
32歳
血液型
AB型
職業
事務系
自己紹介

山岳小説にハマり記録のために読書メーターをつけ始めました。SF、登山もの、冒険もの中心に記録していきます。ノンフィクションが好き。お酒も好き。早く中国旅行を再開したい。

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