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2024年10月の読書メーターまとめ

fukufuku
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感想・レビュー
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ナイス
326ナイス

2024年10月に読んだ本
26

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

fukufuku
鈴木は復讐を横取りされる。自殺屋の鯨は幻覚に悩む。ナイフ使いで一家惨殺が得意な蝉は上司に不満がある。人を押して車にひかれさせたり電車の前に飛び立たせたりする押し屋の槿(あさがおと読む)と鯨と蝉の殺し屋たちの三つ巴。伊坂作品初のハードボイルドと解説していたが、基本はいつもの伊坂作品。ただし人はたくさん死ぬ。のに、人死があっさり軽くて空疎ですらある。まとう雰囲気はいつもの伊坂さん。
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2024年10月の感想・レビュー一覧
26

fukufuku
酒と料理のなろう系秋川さんの時代物かぁと手に取った本書。が、女料理人の時代小説はちょっとお腹いっぱいだったかも。訳ありの女性が妙なきっかけで料理人を志すとか、上方と江戸の味の融合とか、斬新なアイデアで新しいメニューを創造とか、ちょっと手垢に塗れているなと。もう江戸の女料理人ものはひとつのジャンルかもしれないので、これも様式なのか。ただ、様式なのだとしたらプラスαがないと特色は出せないし、頁を捲る推進力も弱い。ただただ読みやすいだけで、本書である必然を感じさせない。少し残念。
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鎌倉殿の13人の放送前年に文庫書き下ろしで刊行されているのは…。北条義時の半生=鎌倉幕府の序盤を、石橋山から順を追って描く。比較的淡々とそれぞれの戦、乱、変は細かく描写していない。ひたすら義時が逡巡したり疑心に囚われそうになったり、戦慄したりしている。鎌倉幕府の3代まではとにかく血なまぐさいということが再確認された。血で血を洗うとはこのこと。もっとどろんどろんにも描けるし、さらりと流すことも出来るだろうけれど、義時目線にすることで程よい血生臭さにしているように思う。ただ、「炎環」の方がドラマティックかな。
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久しぶりに清水義範を読む。平成元年の刊行なので、一昔前の小説ということになるか。山崎の戦いの後、寧々が嫡男を産んだという歴史のifから始まる時代パロディ小説。数多ある歴史的出来事や時代小説に出てくるお話たちを豊臣家名が古屋幕府を開いたと仮定してパロっていく。ひとつひとつの元ネタを思い出しながらくすくすしながら読む。初版刊行当時の私では元ネタがわからない章ばかりだっただろうから、今読んで正解だったかと。
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明石の中宮の入内準備から紫の上との永の別れ、出家の決意まで。最後までやはり源氏が好きになれなかったし、当時の人達の価値観が馴染めなかった。…田辺源氏を参考にしているはずのあさきゆめみしは十代に読んだせいかすんなり読めて美しさにうっとりしたものだが、漫画とリライト小説の違いだろうか。読み手である自分の変化だろうか。これだけ源氏やその他の登場人物にむかつきながら読んだということは、逆説的に言えば教養のための源氏物語をさらうための読書ではなく、物語として純粋に読んだということかもしれない。
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利家の家臣である村井長頼。彼の目線からの物語。桶狭間前夜から芳春院の江戸下向まで。 利家がなんだか随分とパーフェクトな感じ。こんなに利家礼讃を描くなら、長頼目線にするしかないか。もっとドタバタあたふたしていてもいいと思うけれど、長頼がかわいいからいいか。
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行方がわからない人を探してくれる民間の調査会社。そこで、調査とは別に依頼者のサポートをする部門のスタッフ西山静香。探している人の死亡が確認された依頼人たちに寄り添い、彼らが自分を納得するために紡ぐストーリー。断片から編まれるのは正解か否かわからないが、残された者に必要な作業なのだと思う。死はゆっくり訪れたり、突然やってきたり、既に襲っていたのに気づかなかったりする。残される側にはそれを消化するための物語が必要かもしれない。
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家業の和菓子屋さんで働く小梅とアラビア語を学んでエジプト留学したい妹のつぐみ。つぐみに曾祖母が憑依?し、夫の愛人を探すことになる。自由な生き方を好む妹と家業を継ぐのかなぁな姉。在日ハーフである姉妹と明治女の曾祖母。愛人探しの際に知り合ったカレー屋のジュンは性的マイノリティ。ファンタジックな曾祖母の存在でマスキングしながら、実際には自由とは何で正しいとは何かとか、社会的なマイノリティについて描きたいのかなと思われる内容。
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ひとり旅のシリーズ。信州&名古屋、その後の御土産宴会、四国、宮崎&鹿児島。日和ちゃんが好きじゃないのは相変わらずだけど、高千穂は行ってみたいがなかなか足が向かない場所なので興味深かった。恋愛パートが幼稚すぎるのが本当に気になる。そっちはどうでもいいので、御土産宴会とかで頁を使うくらいなら、どんどん旅をしろ。
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久しぶりに梶よう子を読む。広重はあまり好みの絵師ではないが、それでも博物館や美術館で出逢えばじっくり細部まで見て、その後構図全体を眺めてまた細部を見たくなる。広重が定火消だったことや四十近くなってからやっと芽が出たこと等存じなかった事柄が多かった。売れたい、名を残したい、いい暮らしがしたい…と思いつつ、自分が描きたいものを描くことと求められるものを描くことに揉まれながら描いていたんだなぁとしみじみする。創作をする人は皆同じ思いで描いているのだろう。創作をしない人でも、それで食べていくからにはきっと同じ。
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シリーズ3作目。髪結いとして生計がたてられている様子の卯野。親友花絵と新しいビジネスに取り組む。顧客の一人里世は町火消に夢中で頻繁に卯野に髪結いを頼む。武家の娘初音は幼い頃に会った少年を橋から落とした女を探している。この辺りがベースになって、絡まりながら進む物語。恋敵の登場や、花絵と実の母の対面等などもあり。この先、新ビジネスの行方や蔦の周り、卯野の恋愛問題等が描かれていくのかと思ったら、このシリーズはここまでて続編が刊行されていない。ふわっとしていてライトに読めたので重宝。気長に待つか。
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シリーズ2作目。髪結いとしてやったいくことにした卯野。顧客獲得のために「恋が叶う娘髪結い」という口コミを流す。もっと八丁堀出身であることを活かした髪結い+捕物のジャンルに展開するのかと思ったら、髪結いの客それぞれの恋&卯野の成長物語だった。倉本由布らしいテイスト。柔らかく読みやすい。もう少しシリーズを進めていくうちに、柔らかいものばかりではなく噛み応えのある物語も出して欲しい。その辺りは花絵や蔦、虎之介あたりが担うのか。
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コバルトで描いていらした倉本さんの一般向け小説。赤い背表紙の久美沙織、ピンクの氷室冴子、白地に青の前田珠子等、沢山の”少女小説家”を読んだが、倉本由布も少し読んだはず。シナモンハウスとか。ほうほう時代物で髪結いで八丁堀…テンプレっぽいけど、そこに”少女小説”のテンプレである女の子のきれいの憧れと自立が加わった作品。芸風はあまり変わっていないように感じ、すこぅ〜しだけ物足りない気がする。読み手が所謂ライトノベル作家の作品だしぃと偏見があったのかもしれない。続編があるようなので、続けて読んでみる。
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2巻。源氏が明石から戻ってどんどんと華やいでいく過程から、玉鬘の結婚まで。源氏があれなのは確定だが、現代人読むと全体を纏う価値観がいっそうあれだなと思われる。末摘花を笑う感じ、明石の君の身分じゃしょうがないよねみたいな感じ、近江ちゃんを笑う感じ…とにかく全体的に、高貴な身分だとか趣味の良さがすべてという風潮だとか美しいことは人としても優れているという考え方が基本的にあるためしっくり読めない。ローティーンで大和和紀を読んだときはしっくり来たのに、いい歳に゙なってしまって素直に読めないようだ。
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田辺源氏。現代語訳というよりも、リライトに近い。桐壺等の冒頭は省略されていきなり空蝉から始まる。そのせいもあって、源氏のクズ男っぷりが際立つ。今まで、源氏物語は「あさきゆめみし」と荻原さんの児童用リライト版しか読んだことがなかったが、あさき〜では、美麗な絵柄がマスキングしてくれてたひどい男源氏が顕になっている。文体は読みやすく、現代語訳のスターターとしてはいいと思う。その分余計に源氏がクズに感じるかも。
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結婚式場、一組のカップルの披露宴の出席者それぞれのスピーチや独白で進行する物語。新婦友人や新婦元上司の目線からはなんだか完璧すぎるくらいによくできた女性像があって、胡散臭いと感じる。その後の数名の特泊で胡散臭さが解明し、この結婚によって昇華していくなにかを感じることができる。さらっと読んで、楽しめるお話。
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高須四兄弟。ほぼ尾張慶勝目線で安政の大獄から明治初めまでが描かれている。幕末もので会津公や桑名公はよく描かれるが、慶勝中心は珍しい気がする。立場が変わると正義が変わるのは世の常だけれど、幕末の物語はそれが顕著に感じる。幕末に、小さな高須藩から生まれ出でて、御三家筆頭尾張徳川家、御三卿一橋家、会津松平家、桑名松平家と、それぞれの当主となった兄弟というのはなかなかすごい。尾張様が日本最初のカメラ小僧だったのを初めて知りました。
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集団自殺するつもりの山中で赤ん坊を捨てる女をみてしまう4人。赤ん坊を保護すると、ネットで誘拐犯として拡散され、逃亡しながら起死回生をはかる…というお話。 冒頭からしばらくは、嫌な人間しか出てこなくてきつかったが、だんだんとページをめくるペースがあがる。
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不惑のフリーライターが父から頼まれた人探し。失踪した女性の半生を手繰る。貧富の格差、男女の格差、それらを掻い潜って進む優秀且つ強かな女性。そして、逃れられない過去の記憶。逞しくて聡明で透き通っているのに修羅を知っている。そういう女性像を世の文筆家は描きたくなるのか。惜しむらくは、その手の小説が世の中には前例として多くあるということか。その為の既視感が拭えない。
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怖い。モンスターのような息子を持つ母親の話。父を刺殺し、同級生2人を刺し殺し、塀の中から出所してきた息子。彼は何も変わっていなかった。…柔らかい心の持ち主なら、実際にはそんなことはない、小説の中のだけの話だと思うのか。フィクションだけど、あるだろうなと思ってしまった私は非情なのだろうか。彼女は愛を持って息子を捨てることが出来た。そうせざるを得なかったのだろうが、こらから先、自分の人生を生きてほしい。
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泉ちゃん。そう、みつばの郵便屋さんで毎年夏になると登場するあの片岡泉さん。彼女が、小学三年生から三十代の大人になるまでの断片集。それぞれの時期の泉を切り取るのは同級生やいとこや元カレ等など。郵便屋さんのあの誤配事件も描かれている。郵便屋さんを読んでいたほうが面白いけれど、独立して読めることは読める物語。あのあと、彼女、母になるのねぇ。しみじみ。
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暮松新九郎とはまた渋いところを。文禄の役の頃、肥前名護屋で秀吉に舞を見せ、能の指南役となった青年。あれよあれよと能狂いとなってのめり込んでいく太閤。沢山の曲が演じられ語られるが、実際に能を観たことがなくてもその内包する意味までわかるように描写してくれている。ありがたい。語り手は新九郎と金春座の安照と寧。寧が救い。
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殺し屋シリーズ。今回のタイトルは虫じゃないのかと思ったら、蟷螂の斧だった。やはり虫。恐妻家で家族をこよなく愛する殺し屋が足をあらいたくてもがく連作短編集。おかしみと残忍さと滑稽な哀れがある。
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曲亭馬琴。幼い頃の小姓勤めからの一代記。山東京伝や蔦屋重三郎等との交わりが興味深い。嫁と息子が病気がちで癇癖なのは他の作者の小説で読んだが、戯作者になるまでは物語として読んだことがなく興がそそられた。来年の大河の予習にもなった気がする。
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グラスホッパーの続編。と言っても、独立して読める作品。独立して読めるけれど、併せて読むとさらにお得ですよみたいなやつ。感想としては餓鬼が胸糞悪く爺がかっこいい。
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シリーズ4作目。八尋が依頼された案件や漣と出流関連の幽霊話からの澪の修行が続く。和邇と麻績が家として対立していく。どうやって千年蠱を払うかの核心に近づいてきた雰囲気。そして番外編で野々宮良鷹がカメオ出演。現代の近畿が舞台なので、ゆるくリンクするということか。
が「ナイス!」と言っています。
fukufuku
鈴木は復讐を横取りされる。自殺屋の鯨は幻覚に悩む。ナイフ使いで一家惨殺が得意な蝉は上司に不満がある。人を押して車にひかれさせたり電車の前に飛び立たせたりする押し屋の槿(あさがおと読む)と鯨と蝉の殺し屋たちの三つ巴。伊坂作品初のハードボイルドと解説していたが、基本はいつもの伊坂作品。ただし人はたくさん死ぬ。のに、人死があっさり軽くて空疎ですらある。まとう雰囲気はいつもの伊坂さん。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/10/31(2950日経過)
記録初日
2014/11/20(3661日経過)
読んだ本
2366冊(1日平均0.65冊)
読んだページ
758332ページ(1日平均207ページ)
感想・レビュー
2042件(投稿率86.3%)
本棚
1棚
性別
自己紹介

図書館ユーザーです。
ものすごく気に入ったら本屋へGo
基本的に「お話」なら、小説・戯曲・漫画等なんでも読みます。
数年前に患った病の後遺症で少しだけ文字を追う速度が遅くなったため、がんがん読むスタイルから、ゆっくり読みたいものだけを読むようになりました。

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