あ、チェリストはチェリストです。『リュートを弾く女」の絵は、小説の中に小道具として登場します。それにしても、古典名画を使って罠を仕掛けるのはすでにガブリエルの常套手段ですから、いい加減バレるだろう、と思ったりも。
話の屋台骨がデカいだけに前半はやけに解説的で地味ですが、作戦が動き始める中盤以降はさすがにスリリング。第2作にでてきたガブの昔の恋人アンナ・ロルフが再登場したり、シリーズ始めの頃に回帰するあたり、そろそろグランドフィナーレの準備かも? 作戦進行をアメリカ大統領選と絡め、新大統領選出と作戦遂行のタイミングを合わせようとするガブ、米大統領選に介入するロシア。そしてQアノンによる大衆の扇動と大統領暗殺・・・と思わせて宿敵ガブリエルの暗殺を企図。罠に落ちるガブリエル・・・盛り沢山。とりあえず死なないでよかった。
それなのに麻生は「永遠の加害者」ポジションを捨てようとはしない。練に正しい生き方に戻れ、と言い続ける限り麻生は加害者であり、練は被害者なのだ。相手のあり方も含め全存在を愛するとは言えない麻生の弱さと、そんな麻生を愛する練の無情感がたまらないラスト。麻生から傘をもぎ取って練は雨の中を歩き出す。愛車のカウンタックは路肩に置いたまま。麻生は雨の中を歩む練も、(いつか練が戻ってくる)練の愛車も後に走り去ったのだろうか。それとも、雨の中、練を待ち続けたのだろうか。
登場人物の山内練が悪魔のような暴力団若頭キャラで、麻生龍太郎は私立探偵としてRIKOシリーズや探偵花咲慎一郎シリーズに登場している模様です。読む順はRIKOシリーズが先って人もいるし、この本先に読んじゃった人もいるのでは。個人的には聖なる黒夜→RIKO→ 花咲慎一郎かな。ウザいとか書いてますけど、オススメです。私は練ちゃん推しですが、麻生龍太郎はボッシュに似ている。と、思う。及川の純情も捨てがたい。
翻訳SFとアクション、エスピオナージ、戦争、歴史&ミステリーを好んで読んでます。苦手は恋愛もの、日本人作家のもの、短編。
なので、時代小説以外は日本人作家さんはあまり読みません。
日本人作家さん作品は、ストレートに言葉が自分の中に入り込んでくるのに言語感覚にどこか自分とは違う感じがすることが多くて、やや苦手です。翻訳本にある彼我の距離感が丁度良いです。自分の周りにあるもろもろの事柄は、小説より奇なり!というものが多いので、日本もので胃にこたえそうな現実感ありありなヘヴィーな本は敬遠してます。
紙の本が好きです。基本的には新本を求めることにしていますが、翻訳小説は簡単に絶版になってしまうので、Amazonマケプレと近所の古本屋さんの利用率は高めです。図書館も嫌いじゃないですが、一度読んだ本はずっと手元に置いておきたい派です。
読書メーターを始めて、読書に幅が出てきました。
読書傾向の似た方と繋がりたいと思い、過去に読んだ本も登録してます。積読本が事実上1000冊を超えた今日この頃、いつか読み終わる日を迎えられるのだろうか。。。。
月に10冊、年に100冊くらい読めればいいな、と思っています。それでも積読消化に10年以上はかかる。速読の皆様がうらやましい今日この頃。
今後ともよろしくお願いいたします。
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RIKO、所轄、私立探偵・・・は手配済み。あとは花咲慎一郎シリーズなのね?
濃かったなぁ‥っていう位しか覚えていないです|д゚)