一つの切っ掛けで、立ち直ることはよくあることで、それを図書館を中心に繰り広げられる各人の再生物語。最後で、みんなちょこちょこ顔を出しているので、連作としても楽しめる。

一つの切っ掛けで、立ち直ることはよくあることで、それを図書館を中心に繰り広げられる各人の再生物語。最後で、みんなちょこちょこ顔を出しているので、連作としても楽しめる。

7.5点。贋作問題は、お話の世界より現実の方が面白いくらいで、人間の欲が入り乱れて、ある意味、ミステリーの極致ともいえる。殺人や窃盗なども起こらず、贋作の問題だけで引っ張るあたり、やはり作者の力量がすごい。女性二人もいい味だしているし、さらなる続編が欲しい。オススメ

８点。ご都合主義はいくつかあるものの、多重解決といい、伏線回収といい、見事としかいいようがない。生き霊という設定はともすれば鬱陶しく感じるが、うまく融合させており、ミステリーとして十分成立しているあたり、著者の力量が出ているのだろう。