読書メーター KADOKAWA Group

2025年1月の読書メーターまとめ

のれん
読んだ本
48
読んだページ
14967ページ
感想・レビュー
48
ナイス
893ナイス

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2025年1月に読んだ本
48

2025年1月のお気に入り登録
1

  • 漫画版無重力蜜柑

2025年1月のお気に入られ登録
1

  • skunk_c

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

のれん
ネタバレラノベ界屈指のダークSFファンタジー大家の新作 作者は『リコイス・リコイル』をコンセプト要素に挙げていたが、個人的には『三銃士』風の古典感を感じた。 全員の少女たちが魔剣を通じて使命を託されていて、その心意気が美しい誇りに繋がっている。 意外と上層部も悪辣なヤツがそんなにいなくて、常識的な国家と家柄のためにあるのが新鮮。 また敵である結社も少女たちと同じ祖先から託された使命のために戦うものばかりで、高潔で誇り高い騎士道物語が期待できる。(1/2)
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2025年1月にナイスが最も多かったつぶやき

のれん

ファンタジア文庫専門雑誌のドラゴンマガジンが休刊になるそう。 ラノベ草創期から活躍し、電撃文庫雑誌も休刊になる中、老舗雑誌として歴史を紡いできただけあり寂しさがある。雑誌の情報提供自体ネットで済むこともあり、情勢が厳しかったのはあるのだろうけど。 でもギャグ系短編集は好きなんだよな。連載をまとめる形は何とかWEB系で続けられないものだろうか。 https://news.yahoo.co.jp/articles/894b5fcd1a2cf0726b6f7692e73117b3029b845f

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2025年1月の感想・レビュー一覧
48

のれん
ネタバレ超人とは永劫繰り返される弱者への現実を受け入れ、それを利己的精神で克服するもの。すなわち彼女を必要としない人間のことである。 自意識だけが肥大化した精神は自身の被害妄想だけを拡大させる。相手との会話を合わせることもできず、誰もが惚れるようなイケメンにもなれず、そもそも出会う意思すら億劫になってしまう人間には彼女などいらないのだ。 でもレイがいる。脳内彼女が教えるダメゼッタイは、超人になって超人をやめる作者の叫びに違いない。いやダメな読者の叫びかもしれない。(1/3)
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のれん
ネタバレ惜しい、というか作者の作品に対する姿勢が見えてこない。あえて嫌いな言葉を使うなら作者はルサンチマンの精神があると思う。創作することの力と情熱、セカイを救う旅、楔を打つ大人・閉じた社会からの脱出。どれも何度使われても読み直せる少年少女たちの物語だ。 しかし本作はその片鱗を見せながら、全て「いやそんな上手くはいかないよ」と窘めてくる。それどころか自分たちを否定する者たちのほうが合理性があるよと暗に伝えてくる。(1/3)
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のれん
ネタバレ【困惑】頭の中を疑問符が駆け巡りながら読んだ。私は読んだ文章の描写をイメージしながら読むのだが、今作はそのイメージ映像が綺麗に浮かぶのに、そこから解釈や心情を読み取ることがほとんどできない。描写する文章力が高いのに、構成展開を放棄している。 凝り固まった現代人価値観からすればジェンダー要素を各所から読み取れるだろうが、書評の通りメッセージがないためどう解釈すべきか読みあぐねてしまう。(1/3)
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のれん
ネタバレ二度目の高校生人生という割には、学園描写よりも裏社会描写多いな……とファンタジー設定が出てくる布石かなと思ったが、別方面でファンタジー設定が出てきたのは意外だった。 『RELIFE』みたいかなと思ったら『龍が如く』だったといえば雰囲気は伝わるだろうか。主人公の胆力や言葉選びに納得できるギミックだったので、普通に面白かったので良いが。 学園ものに舵を切るのか、極道ものにいくのか、『ごくせん』っぽい感じで中道を行ってくれたら中々骨のある作品になるのではないだろうか。続刊はとりあえず希望したい。
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のれん
ネタバレいわゆる歴史登場人物を現在のサラリーマン社会人に当てはめる自己啓発系は嫌いなのだが、著者は中世研究者として、ムリヤリ現代の事件や主義主張に当てはめることなく、彼らの判断や事例を評価することに注力している。 こんな真意があったとされているけれど、結局それって効果があったのか? という点を踏まえて資料を見直し、改めて現状評価・言説について反論する。 新書ゆえか資料が限定的だが、資料と対象論点が明確で読みやすい。(1/2)
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のれん
ネタバレスランプ小説家特有のジメジメした消沈姿から一気に倒錯小説で大逆転する件で、講演やら映画化案件の描写が如何にもアメリカ的。またこの手の作中作は完全にマクガフィン的扱いをされることが多いが、今作では作中作の内容を徐々に明かすことで、それが作品自体の動きにもつながるという二重構造になっているのはお見事。 普通にサスペンスとしてイケてる。が、ちょっと中だるみが多かったのも事実。特にラストの種明かしは登場人物が少ない分、まぁそうなるよなという感想が浮かぶ。(1/2)
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のれん
ネタバレ言語というのは脳の思考を縛るというけれど、喋るだけでなく読むという行為が如何に脳の機能に影響を及ぼすかを解説する。 参考文献や実験記録などはあるが、いうほど実験過程を書かないのでスパッと結論を読める。読み聞かせ、児童(幻想)文学を読むことで、語彙や言い回し、果ては思考そのものを深く吟味できるようになるという。ソクラテスは口承文学の雄として文字は害悪だと述べた。記録された書物を読むことで人は記憶しなくなり、善についての思考をしないからだ、と。(1/4)
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のれん
ネタバレ激情な維新イメージからは意外だが、手紙魔であったという高杉晋作。彼の抜粋した手紙の原文を載せて(一部現物写真)、高杉の人物像を解説する。書き下し文や現代語訳がないため読みにくい部分もあるが、幕末なので素人でも全くよめないということはない。 高杉が古典的武家思考だったことは有名だが、それでも彼は師たる吉田松陰を始めとした思想家に共感していたことも確か。彼は当時の常識と思想に板挟みされていて、そのことに苦慮していた。 晩年迷惑をかけた妻との間の一粒種を溺愛して、唯一の親孝行と言っているのが面白い。(1/2)
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のれん
ネタバレ現代で暗躍する10代ニンジャが女子高生をボディガードする。主人公がコミュ障という設定だが、どちらかというと、会話選びのセンスがズレているという感じ。 だから彼に初見から肯定的であればギャップで笑えるし、敵意をもって接すれば伝わらずにいなされてイライラさせられる。 淡々と行う舌戦に独特の緩さがある。この台詞応酬はSNS流行の現代だからこそ受けると思う。 あと、オペレーターがツッコミとして優秀すぎるのだが、この人男か女か分からない絶妙さ。声がないからこそ楽しめる余地がある漫画は珍しくなったなぁw
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のれん
ネタバレ健全に順調に世界征服。主人公が会うヤツら、自分が撒いた種から広がったカルト教団しかいないの、おかしいやろw シーラが作者がお気に入りなの、普通に思考がマトモ寄りなので書きやすいからではないだろうか。自国領だけは自身の血筋が守らなければ、と保守貴族らしいのも普通で好感すら浮かぶ。 多分一番興味ないのがフラウで次点でマルスなんだろうけど。最後のハイライトシーンは、逆にフラウの理解者がマルスしかいないことの暗示。まさに夫婦の会話というべき。今作ラブコメ要素もあったんだな、と感心した(笑)
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のれん
ネタバレ作者の初期作はいまだ読んでないが、童話モチーフは多用されているようだ。沖縄離島という舞台と、名作ジブリ映画が浮かぶ神々のおかげで、民話のような雰囲気。 田舎における偏見がテーマ。嫌われ者は一種の生贄であり、そこから逃れたいと思うのは神も人間も一緒。田舎からの脱出は現在肯定される物語が多いだろうが、田舎に住む人たちはそれを嘆くのではなく、不平を共有する連帯が必要だ。 田舎臭さを温かく肯定した作品。それにしたって10年以上「娘」を育て続けた母ちゃんはマジ母ちゃん。親子ものはどの文化にも精通するテーマだ。
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のれん
ネタバレ1巻と共に読了したのだが、作中小道具、展開構成が異なるため面食らった。巻ごとの繋がりが薄いシリーズって、フォーマットや主要キャラが決まってるものが多いので、こういうタイプは珍しい。 だがテーマは前に引き続き、周囲に影響されて隠した本音を伝える重要性を出す。主要としてはリョウという親友枠の子かだろうか。テーマ性からラノベというより児童小説感がある。 しかし、前回よりも大分強引な設定で動いていくので、最早関心までしてしまった。続刊だとさらにひっくり返すのかな……
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のれん
ネタバレ邦画によくある衆目に晒されながら告白するシーンには、思春期の頃、共感性羞恥を感じていたのだが本作はそのシーンから逆算して組み立てられている。 なんせ本作のテーマは「偽りのない本音を理解されること」にある。 自分は周囲の偶像ではなく、一人の不完全な人間なのだ。私が真の意味で理解しあえるのは(周囲が期待する人ではなく)ごく僅かな貴方なのだ。というアンサーを直球で伝える。青春作品ってこういう締めが少なくないが、私はどうにも苦手だ。学生時代に読んで、こういう告白シーンが好きな人っているんだろうか。
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のれん
ネタバレあらすじやカラー口絵からホラーコメディを想像していたので、落差が激しかった。むしろ9割9分コメディで、最終的に主人公が召喚獣の異常性を活用して学園内で生活できている。 見ただけでSAN値が削れて貴族の人生狂わせてるなら、もっと問題になっても良い気がするが……一応まだ主人公の故郷の惨状が謎のままなので、ホラー要素を開花する可能性はある。 だが今回の話だけに絞れば美醜の外見に囚われない理性というテーマをギャグにしか使えてないと感じた。 まぁビジュアルを見て即『沙耶の歌』の系譜と勘繰った私にも問題があるのだが。
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のれん
ネタバレフリードリヒと言えば、美食と芸術を愛した戦争王フリードリヒ2世が有名だが、本作の主人公はそれに近い万能の知恵者。 合理性があり基本実利を取るが、ロマンスや英雄譚への憧憬を持っている。主人公の機転に関して、周囲が結構トントン拍子で認めてくれて、相応の実力を発揮させてくれるのでサクサク読める。 孤児で戦争経験も政治感覚もない少年であることが強調されている(殺人への抵抗感など)が、同時に自分の才能は国をも動かせるものだと凄いプライドを良い方向で開花している。 なんとなくサブキャラを主役にした外伝のように感じた。
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のれん
ネタバレ大友克洋『FREEDOM』を思いだす。宇宙進出後の未来を舞台に、未熟な大人になりたくない昔気質の暴走族少年が描かれる。 作者はヤンキー造詣に拘りがあるみたいで、主人公の独白が9割それ。なんで田舎で燻ってるだけなのに、望まない大人にならなきゃならない。 屈折したまま生き急いでも出口は死以外はない。少年は最後宇宙に飛び出すが、それは生きてしまった田舎者の上京に近い。もちろん社会に強制されているだけれど、判断した自分に未練はない。きっと彼女が生きてても朗らかに別れていたでしょう。失恋も忘れるのもまた青春の味。
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のれん
ネタバレ『ジョン・カーター』をインスパイアした作品で、舞台設定や展開、記述方式(実際の記録を書き起こした体)が非常に似ている。いくら人気作がジャンル化するとはいえ、ここまで似てるのは珍しい。 でもここまで男の夢だと、目くじら立てる人もいないのかも。めっちゃ清楚な女に惚れられて、めっちゃ強い悪女にも惚れられて、万人から勇敢と賞賛される。 美しい肉体と高潔な精神をもって、時に戦い、時に撤退し、時に慈悲をかける。そうすることで送った恩は必ず返される。都合のいいといえばそれまでなんだが、楽しい。時代小説の読み方だけど。
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のれん
ネタバレSFとジュブナイル(自己発見)は切っても切れない関係だが、煮え切らなさを表現した意味で『みずは無間』との共通点を感じた。 まぁ今作の方が主人公たちは能動的でAI(技術)へのポジティブさもあるのだが、展望的な将来予測を主人公たちが持っていないのは同じだ。 自己への矮小さと未来社会のスケールのギャップを埋めるものとして、実在の身体を操作するゲームがある。旧来の肉体とAI中心の技術の融合が如何に社会の限界を切り開くか。テーマは良いのだけれど、どっちつかずな展開が気になる。テーマとアンサーの重要性を考えさせる。
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のれん
ネタバレ【羞恥】ハヤカワSFコンテスト第5回大賞作品。満場一致の高評価で受賞した作品で、それに足る構成表現に奇抜さと魅力がある。 だが、多くの作家はプロットから物語が発生する過程をここまで詳らかに書くことに羞恥を感じるのではないか。もしくはこんなに順序立ててねぇよと言うかかもしれないが、個人的には凄い胆力だなと感心が先に来た。 それぞれ父は作者を育んだSF小説たち、主人公はSFを愛する読者、生まれなかった自分は捨てた(読めなかった)SF小説を直球で指しており、痛烈なラブレターともとれる。(1/2)
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のれん
ネタバレ今やSF界を飛び越え人気作家になった作者のデビュー作。 舞台を共有した短編構成だが、テーマ性は変わらない。アメリカ中心の西洋哲学の矛盾を題材に、考えることをやめない重要性を挙げている。住みよい社会の究極は思想・価値観が同一化した完璧な自己の家畜化である。 現在と読了感も変わらず、あえて挙げるなら日本の政治思想に対するウィットな描写がちょい多めなぐらいか(新人作家らしさと言えるかも)。 個人的に、近似未来を予測するという狭義のSFを得意とする作家はテーマへの一貫性が強いイメージがある。 今作も例に漏れない。
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のれん
ネタバレハヤカワSFコンテスト第1回大賞作品。学生の頃読んだ覚えがあり、当時としては情報を「消費する」という概念を今作で覚えたように思う。 取り戻せない彼女に対する後悔が、無限に満たされない欲望とリンクする。宇宙を覆うほどに募っても無間の距離を、彼女の心まで届くことはない。 得られないものがない人生だとありはしないので、欲望も尽きることはない。 しかしながら結論を描かないその姿勢は、当時と変わらぬ感想の出しにくさを感じた。この文学賞も中々試行錯誤な出だしだったのだ。
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のれん
ネタバレ三秋縋初挑戦。作者はジュブナイル界隈やSNS感想投稿で人気を博しているとのこと。 SF的なギミックで思春期の後悔を掘り起こす。主人公たちの回想で登場した風景や小道具だけで文章の比喩を表現していて、没入感が高い。 羨望する理想に出会えていない現実を描くことは、同じ孤独感を共感できる人が現実にいるというメッセージになる。 自己を否定し尽くしたいのに、自己を肯定されたがる若い情動に気恥ずかしくなりながらも楽しめる。 孤独をテーマにする今作がSNSで人気になるというのが、孤独に共感する読者は多いのだと実感する。
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のれん
ネタバレ『無職転生』でもあったが、後悔ばかりの生前に対する懺悔と贖罪を転生後の世界で行う、という図式が今作にはある。 今作の主人公は「承認される愛」に対して猛烈な渇望がある。愛を貰えるかも、という期待だけで死にかけるぐらい努力できるのに、愛を貰えることに対してどこまでも懐疑的。 他者との距離感が図れず、自分の言動を伝えられないコミュ障という言葉が当てはまるだろう。そんな彼には命を捧げた献身ぐらいしないと信じてもらえない。 ここまでの無制限の献身は若干怖いぐらいだが、ロマンスであればこれぐらいは当然ともいえる。
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のれん
ネタバレキャラの過去の掘り下げがゆっくりで、流れは王道なんだが少し混乱する。主人公の過去を知っているなら、少女の最初の言動は何だったのか、とかシーンごとのつながりに微妙に引っかかりを覚える。 しかし描写は分かりやすく、空中戦闘などは丁寧な文章だった。 また挿絵もかなりレベルが高くて白黒なのに濃淡の表現が良い。外野とはいえ金髪美人と称される副長描かす、オッサン艦長だけ描くのも面白い。 単巻で終わっても良い感じだが、人造生命の生死もテーマに入るなら、彼女たちの短命(またはその克服)まで物語も読んでみたい。
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のれん
ネタバレ造語症という言葉あるが、自分の感性を表現する微妙なニュアンスを伝える言葉がない、という現象は往々にしてあるだろう。性癖をギャグとして使用する場合、笑える造語とはなにか。特殊でありつつ、突飛すぎない(R18方面ではない)バランス感覚の良い可愛いフレーズ。 「ヨワラー」はその語感と使い方が秀逸。サディズムとまではいかない絶妙な性癖に対して、本人なりの葛藤と拘りを貫く真剣さ、新しいオ〇ズに対しては迅速に反応後、即吟味する探究心。「変なことに真剣になる」ことは何時だって面白く見れることの証左であろう。(1/2)
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のれん
ネタバレ【落胆】悪くはないのだけれど、宣伝文句に騙されてしまった。 確かに繰り返される言動や台詞がヒントになったミステリ型の物語なのだけれど、種明かしの演出がアッサリすぎる。犯人当ての時よりも、主人公の正体明かし(?)のほうが派手だし、衝撃もそんなになかった。 動機の持ち主と犯罪道具と実行人がバラバラで、ある意味で順々に紹介している割には、必要あったかみたいなキャラが幾人かいてフェーズアウトしていく。 続編構想で残しているのだろうけど、伏線とか布石とかを活用したいなら、こういうのは削いでおくべきではなかろうか。
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のれん
ネタバレラノベでここまで綺麗に終われること自体珍しい。 しかも散々スケールが違うことを示した本作ラストにふさわしいスケールの膨張を加速し続けたまま終わりまで駆け抜けたのも評価したい。 陰気で愛されたいと飢えた敵の魔王は小物であったが、その愛への渇望こそが本作のテーマ。 いつまでも一緒にいたい、そう願うのは相手も同じことを思っているか確信が持てないからだ。 互いが一言愛を言葉に出来れば、その友愛はいつまでも続くのだ。(1/2)
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のれん
ネタバレ1巻から匂わせていた会長編。主人公の過去を担うキャラであり、儚い幼馴染枠だったわけだなぁ。 そして作品最大の敵は自分自身というのも王道。てかレアと結婚したらこうなるのかよ……一番マトモそうなのレアとメフぐらいだぞ。どしたらこうなるんか。 でも今回の共闘といい、アイツがLunaだけは助けようとしてた所とか思うと、メインヒロインの座は高すぎる。会長の輝ける日は再び来るのか、期待。
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレラノベ界屈指のダークSFファンタジー大家の新作 作者は『リコイス・リコイル』をコンセプト要素に挙げていたが、個人的には『三銃士』風の古典感を感じた。 全員の少女たちが魔剣を通じて使命を託されていて、その心意気が美しい誇りに繋がっている。 意外と上層部も悪辣なヤツがそんなにいなくて、常識的な国家と家柄のためにあるのが新鮮。 また敵である結社も少女たちと同じ祖先から託された使命のために戦うものばかりで、高潔で誇り高い騎士道物語が期待できる。(1/2)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレついに学生編ハイライトが漫画版で描かれた。 複雑な家庭環境を過ごす少女の立場に立って、姑に立ち向かった少年。経済力を持たない学生だからこそ、親の役目を指摘する一言に反する論は持てない。 胆力があります。ルナもうっきうっきで可愛いお誘いシーンがえらい長い。 続編構想が出てしまって上手くいかなくなったのかもしれないが、ここまで啖呵きった男が受け入れないわけないのだから、ヤッてもよかったのではないでしょうか(無粋)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレデイノニクスのデザインがかなり羽毛が描かれており、ティラノと大きく違うのが驚き。羽毛があることの証拠が発見された種と同じ科に属しているのが要因なのかな。 盲目など障害持ちの個体に対して、園でどういう管理をするのかという問題は現実にもあるんだろうか。中々大変だ。
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレモネは心が分からないというが、そんなん誰でもそうだろう。それに自覚がないのがモネで、自覚的なのがドロシーだったということか。『オズの魔法使い』とは性格も好みも真逆のドロシーが執着していたのは、友達だったのだろう。 そしてモネはそれを分かったうえで暗に利用していた。だって彼女には「もう」友達がいたからだ。 純真で、少し残酷な御伽噺。本作の童話モチーフはエッセンス風味だけど作者らしさがある。(1/2)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ耽美系厨二作品の長編版。なんでも長編と短編集を交互にだしていたかつてのラノベ作品らしいシリーズ。 世界滅亡後に再建された吸血鬼とヴァチカン(人間)の戦い。昼行灯な神父兼吸血鬼のロードのコテコテ感がヤバいのなんの。ヒロインとボスの対比性が非常にシンプルで映える。生存競争と謳いながら、戦う意義は復讐心。それを許したものが救われる。 こういうモチーフに寄りかかったテーマを、スタイリッシュな装飾で埋め尽くす厨二作品はもう世に出ないのだろうか。ラノベだから読める作品だと思うけどなぁ。
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ『ヘルシング』『吸血鬼ハンターD』『トライガン』を足して割ったような、圧倒的厨二感。もう「ガンスリンガー」と「ソードハンター」がもう極端なカッコよさで、ヤバイヤバイ。 でも横文字の装飾が専門用語として、厳つく解説されないのは面白い。このスタイリッシュな世界観で重要なのは哲学でもSFでもなく、カッコよさを求める酩酊感。装飾は飛ばしても文章はよどみなく進み、読まなくても良い装飾のルビと聖書の引用にこそ、本質がある。 今こういうカッコよさを茶化さずに魅入る若さを自分が持っていることに驚嘆した。
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のれん
ネタバレ『赤毛のアン』はオカンが好きすぎて読んでないのに、内容を聞かされていたが、そんなに壮大な大河シリーズだったとは知らなかった。スコットランド系プロテスタントという19世紀末から20世紀にかけたカナダを俯瞰した女性の人生訓だったのだ。 目次にてケルト系の文字を見て心躍らせたが、どちらかというと作者のモンゴメリのルーツとして紹介されているだけで、別に作品世界観にケルト文学精神があるわけではないようだ。英文学としては興味深いが。 しかし少女小説は多面的だな。女性性が満ちている作品を好む日本で人気なるのも頷ける。
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のれん
ネタバレ皇后に対する論考。 著者の思想史は鉄道然り、ぶっ飛んだ二項対立にする傾向が面白いのだが、これは研究者としても同じ思考のようだ。 女に生まれるのではなく、女になるのだ。と言わんばかりに皇后へとなる女性たちを指して、彼女たちに神功皇后(戦争の象徴)と光明皇后(権威の象徴)が憑依すると書く内容は、著者らしい。 著者の別著作で人間と大差なくなることが天皇象徴への道と書いていたが、それとは真逆の「皇室の非人間性」を皇后は継承するとある。 つまり令和以降の象徴天皇制はいずれ皇后から限界が来ると言うことかもしれない。
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のれん
ネタバレ著者の専門は皇室中心の近代思想史なのを初めて知った。思想を捏ねる鉄っちゃんだと思ってた(笑) 皇室について語る時、日本人は大抵熱意をもって礼賛か否定を語るものだから、著者も熱意のあるご指摘には驚いた。 天皇という立場がいらなくなったと言われて久しいが、そういう人間のような立場に近づこうとした結果が平成という時代だった。 いつしか通りを歩いても、気づいた人が会釈する程度のような存在になることが「象徴」になることなのだという。確かにイギリスのように元首ではないからなぁ。日本人の例外好き・曖昧さがここにもある。
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のれん
ネタバレ定番の主人公が姫として入れ替わる演出。 敵方が「生き残った姫が本物かどうかなんてどうでもいい」とかぶっちゃけてて吹いた。そんな姿勢だから国民も信じちゃうんだろ。 この時代背景16~18世紀ぐらいだから、一度広まった噂を操作するのは並大抵ではないんだろうけど。 貴人との入れ替わりは近代演劇からある色あせない演出の宝庫だ。
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ90年代初頭から20年近くかけて連載を続けていたというファンタジー作品。90年代特有のギャグ演出が懐かしい。 話的にはベタにもベタな「王女とそっくりな女主人公」という構図。 どちらかというとラストの城周りのおまけ設定が凄いアマチュア同人感があって面白かった。昔熱意でメチャクチャ細かく設定作ってた人いたなぁ。現代漫画でこういう背景設定を公開することってものすごく減った気がする。(オマケ漫画とかは多いんだけど)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレヒドラという脳を持たない虫のような怪物も活動しない休眠状態になる、という発見をした若き天才研究者たる著者による睡眠に対する考察。 考察なのでエッセイ調だが、睡眠という状態を基本とすることで、そうでない例外状態に発生すると考えられている「意識」へと話が結ばれている。貯めることもできず毎日飽きずに行う睡眠は遺伝子によって「睡眠圧」までかけられて人は眠っているという。(1/2)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ作者は一般文芸に遠からず転向するだろうと考えていただけに、本作の滑り出しはラノベっぽくしてきたと思っていた。違うのだ。作者は今作のヒロインのように矛盾しグチャグチャした感情が暴れまわっている。この感情を表現するのにアニメ文芸に近いラノベは、ある種打ってつけの媒体なのだ。 3章からの死を想起させる絵本のモチーフの数々は作者の頭の中といって過言ではない。(1/2)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレいわゆる「乗り鉄」のエッセイ。 私はあまり鉄道に興味が沸かない人種なのだが、阪急やら近鉄やら南海やらに文句をつけつつ乗り込んだ記憶に風情は感じている。 著者が語る東日本大震災の爪痕を残す三陸鉄道はそういった風情の象徴だ。本著執筆後、この鉄道はいくつかの軌跡を通り完全復旧を果たしているらしい。 大都市、地方都市をつなぐ新幹線とは別に、客車に情緒的な需要があるというのが著者の主張である。 パッケージングされた「映える旅」ではなく、今でも自分で調べ旅する記憶を作りに行く「乗り鉄」はどれくらいいるんだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ恐竜の生態・骨格復元を如何に行うかという思考について初歩を教えてくれる、学術書ではない文庫としては非常に貴重な一冊。 歯の形や目の位置、足跡から造詣をイメージするまでは分かるが、重心の位置や筋肉のつき方、哺乳類とは違う関節の弱さなど、医学系にすらツッコむ横の知識量に圧巻。まさしくこれは死体から考える探偵だろう。 困りどころはそれらがほとんど断片的にしか残らないことだが。CG再現ができるようになり、化石本体の破壊検査も増えた現代では実態はどう変化しているのだろう。どの業界も研究思考はワクワクするものだ。
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のれん
ネタバレ親子ものを描く時の不幸を闇鍋にした感覚。父の過労死で貧乏、兄弟を事故で失い、母の無理心中の失敗。しかしながら現代でも突然の無理心中やら、通り魔殺人やらは実在する。センセーショナルではあるのだけど、結局世間は飽きるので、こういった問題に常に戦っている人を忘れてしまう。 いつか、ふらりと自殺するんじゃないか、と警官義父は思ったんだろうか。辛いなぁ。この作品何故家庭問題に関しては、センシティブなんだろうか。Jホラーっぽいといえば、ぽいが。
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレミステリ風味を入れた官能もの。 初めて読んだタイプかもしれない。主人公の童貞を奪ったのは誰か、なんて初めてよw ヒロインたちに年増感がなかったのが残念だが、かるーい気持ちで全員浮気するのが、なんというか空気感が違う。 官能小説というのは時代小説と同じく「こういうもんだろ」というルールがあり、そこに慣れるとすんなり欲望に浸れる。お約束が作品ごとではなく、ジャンルそのものにある。作者の文章も直喩が多く読みやすいのもお約束に浸れた要因だろう。
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレコマツ推しが凄い。これ許可どころか、作者の熱量的には実際の解体エピソードを漫画化した方が盛り上がるレベルだったろうに。人情感のあるお仕事ものにしてしまうには勿体ない。また作者的には皴の入ったオッサンがいいのかもしれないが、ヒロインの肉感が凄い。恰幅のある肩してるのに、変に太すぎず細すぎずで、健康的エロスが良い。作者は意外に女性? いやこういう女体を描ける日本漫画家は少ないですよ(笑)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ年上女子上司をイジりながら迫る年下部下男子とのエロコメ。女性の肉体を騎士らしい筋肉を描くか、女性らしい豊満さを描くかバランスを意識しているのが所々見て取れる。作品的には後者を意識すべきなので、徐々に移っていくのがエロコメの醍醐味さを感じ取れる。 コンセプトを徹底していて、期待通りの味だった。女性側もイジリ返していて、熱いカップル感もある。まぁ、それが魅力ならファンタジー世界で女騎士にせずに現代日本で会社員でもよくない? というのがツッコミどころだがw
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ電子書籍版にて購入したが、紙版の方が良かったかもしれない。右から左に読むペーパーブック式で日本人感覚的には読みづらいのだが、精緻なキャラデザが凄まじい。90年代特有の劇画に柔らかいタッチが組み合わさった。有名どころで言うと『レベルE』あたりの冨樫タッチが似ているだろうか。それでもこの精緻さには勝てないが。 ストーリーはロードス島というよりは元ネタご先祖の指輪物語に近い。明快な目標と畏ろしい演出、そして年老いたオッサンらの有能さ。そういった重厚ファンタジーを若い少女主人公の溌溂さが導いていく。(1/2)
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/02/06(3001日経過)
記録初日
2017/02/06(3001日経過)
読んだ本
2923冊(1日平均0.97冊)
読んだページ
833727ページ(1日平均277ページ)
感想・レビュー
2831件(投稿率96.9%)
本棚
1棚
性別
自己紹介

静かにゆっくりラノベやら娯楽小説を読むのをモットーとしております。

たまに変な方向に走ることもあるけれど、大抵趣味だから仕方ない

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