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2025年2月の読書メーターまとめ

のれん
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感想・レビュー
41
ナイス
830ナイス

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2025年2月に読んだ本
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2025年2月のお気に入られ登録
1

  • ぬのもと

2025年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

のれん
ネタバレ作者はデビュー作を頂点にしているイメージだが、本作は中々の味があった。多分作者の好きなパンクロックを背景にしているからだろう。 重くしとしと降る梅雨のような心情描写を心がけているヒロインにこの鬱ロックのイメージが似合う。 潤奈の満たされない心情が染みる。音に励まされて音楽の道に進んだのに、自分の隣にいてくれるヒトに満たされるのも、裏切られるのも怖かった。 この矛盾して鬱々とした心情を音楽に託すという流れがきれい。続刊がこの1巻を超えられるかはわからないが、是非挑んでほしいところ。
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2025年2月にナイスが最も多かったつぶやき

のれん

新年はSF小説が多かったが、ここ10年の新進気鋭作は実験小説(もしくは私小説)が多く、エンタメ作は少ない印象。そういう意味で『魔女と猟犬』『魔剣少女の星探し』など目的に貪欲で行動的な物語に惹かれた。やはりファンタジーは心洗われる。 2025年1月の読書メーター 読んだ本の数:48冊 読んだページ数:14967ページ ナイス数:893ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/743521/summary/monthly/2025/1

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2025年2月の感想・レビュー一覧
41

のれん
ネタバレ1巻よりもコメディと言うか、主人公の努力しながらドヤ顔したい、ある意味呆れる幼児性が加速している。 アイツ何者だよ、と言われる瞬間のために何年も人間関係を希薄にしたり、仕込みし続けるのアホだろ。 おまけにまた周りが勘違いしてる強者に勝利して、本人すら天狗になるという。『エムゼロ』系譜かと思いきや、主人公すら勘違いするとなると、まったくジャンルが分からない。これツッコミ担当は読者オンリーになるんですかな?
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のれん
ネタバレ作者はデビュー作を頂点にしているイメージだが、本作は中々の味があった。多分作者の好きなパンクロックを背景にしているからだろう。 重くしとしと降る梅雨のような心情描写を心がけているヒロインにこの鬱ロックのイメージが似合う。 潤奈の満たされない心情が染みる。音に励まされて音楽の道に進んだのに、自分の隣にいてくれるヒトに満たされるのも、裏切られるのも怖かった。 この矛盾して鬱々とした心情を音楽に託すという流れがきれい。続刊がこの1巻を超えられるかはわからないが、是非挑んでほしいところ。
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のれん
ネタバレアーサー王対ヤマトタケル。 夢の東西英雄対決。絵面が最悪だが。 ヤマトタケルの父といえば景行天皇だが、ヤマタノオロチも心酔しているとなると、もっと上のスサノオかそれに準ずるそんざいなのだろうか。謎の布石だ。 そんなカルト教団化している連中にも、理解に努め、本音を引き出したアーサー王。重要なのは他者に同調・共感を求めることではなく、己がどう感じるか。自らが楽しい、凄いと思える感情をぶつけ合う。 純で若い戦士同士だからこそできた決着。 本当にどっちが勝つかわからない勝負よく書けている。全部下ネタだけど……
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のれん
ネタバレ官能小説だが非常にピュアな初恋小説でもある。 今どきこういう思春期直前男女の恋愛ものってあるんだろうか。 たどたどしい秘め事を率先する女子中学生と、未知なる快楽に身体が引きずられる男子小学生。 そんな少年が出した答えは快楽に耽ることではなく、少女に並び立ちたいゆえの逃避行だった。可愛いなんてものじゃないでしょう。 ワンマン単車の田舎が舞台でも今どきこんなマセてない子どもなんていないと思うが、それでもやっぱり全ての子が初体験を受ける機会があるならば、このような夢を見ても良いのではないか。
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のれん
ネタバレついに行われる脱獄劇。とそれより前にキャラの大紹介で、テレパス感応という文字通りの魔法を使ったことで、この小説の情報量が大幅増加。 ついに怪物以外の視点すら描かれる始末なので、本作はこの巻で一度折り返しを経たと認識すべきだろう。 今までの怪物ゆえの悲壮感と魔女に耽溺する絶望感は薄れる。代わりに現れたのはコミカルながら、女たちの交錯する思惑である 洗脳魔法が存在する以上、やはり信じられる語り手はいない。果たして主人公は自身の目的を最後まで信じられるのだろうか? ジャンルが読めない次巻を待つ。
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のれん
ネタバレ私にとって宇宙とは木星圏までの狭い太陽系だ。それ以上を想像することは、まさに人間を止めなくてはならないと思ってしまう。 本作はその限界についてアレコレ論じるのではなく、宇宙の遠大さに夢膨らますことが重要と説く。3部の始まり方はまさしく驚きの連続であり、現実から一足飛びに世界が移り変わった劇的シーンだった。 より遠くの地点まで結べば、より広い観測視野を得られる。当然といえば当然の論理を宇宙スケールに当てはめながら、系外に出る煩わしさを超スケールで飛び越える知的好奇心の美しさ。(1/3)
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のれん
ネタバレこの作者は2巻目から加速する。1巻目はキャラや世界観を構築することに尽くしている。だからこそそれが終わった2巻目からは、キャラやシチュエーションを念頭に置いて作品が作られていく。 今作の後半、特に千夏の戦闘描写は歌詞ですらある。高二病が真似したい3大映画の一つ『ベイビードライバー』を始め、個人的には『ジョン・ウィック』とか『リベリオン』とかのおバカでアップテンポが似合う洋画が似合う。(1/2)
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のれん
ネタバレ個人的な2010年代のアメリカSFのイメージ、つまり人種や思想主義の「多様化した1本化」をまとめたような作品。 コントロールできないテレパシー症状をもった性感染症が流行る環境破壊が進んだヒッピー都市。主役らがゲイやらジェンダーレスやらごった煮感(作者も同性愛者とのこと)。シャチやホッキョクグマなどのヒトに近しい哺乳類含め血や思想を超えた家族愛が主題になる点など……国を隔ててもリベラルアーツの「宇宙船地球号」感は変わらんらしい。(1/2)
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のれん
ネタバレ本編では他者に向ける愛情(とその作為)について描かれたが、今作は自分に向けられる愛情について描かれているように思う。 主人の経験と記憶を移植されたロボットは、主人に恋する少女から愛情を向けられないことで、自己に目覚める。 自身は代替品だからこそ、自ら作り出すオリジナルの経験だけが自己を獲得させる。 しかしそれは主人に対する恨みも愛情も産むことはなかった。複製体である限り彼は「彼女」を作ることはできなかったのだ。 今作も基本SFフォーマットから本編を語ってみせた。願わくば元凶の怪物を主題にしてほしいところ。
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のれん
ネタバレ本作の魅力はそのテンポにあると思う。 童話の固有名詞と展開に触れながら、シッチャカメッチャカのサイバーパンク解説を挟んでくる。共通の世界観で描かれてくるのでなんとなく分かってくるのだが、この場合わからないまま読むのが面白い。「地球灰かぶり姫」「竹取戦記」ぐらいまでは、各童話本家延長の「不幸な女性の逆襲譚」「義理の娘への愛」を本質とするため、この分からなさがクセになる。 締めの前座となる「スノーホワイト」や締めの「アリとキリギリス」は今作の中では読みやすくマトモな展開なのだが、(1/2)
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のれん
ネタバレ今までよりもメタギャグ感が薄く、敵勢も何かと気迫があってとても良い盛り上げだったと思う。 学園モノであることがネックだったように思えるが、1巻から通した夢を諦めない青春を謳歌することの重要性を伝えたことで彼らが学生である意味は示せていた。敵キャラなどが普通に未成年じゃないだろ感があったり、オッサンの方が良い出番もらってたりしてるので、やっぱり学園モノじゃない方が作者的に書きやすかったのではとは思うが(笑)(1/2)
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のれん
ネタバレケルト神話の女王メーヴのように自身の美貌に絶対の自信があり、男の性欲を対価として服従させるという直球さ。 一昔前のノベルゲーのようなキャラ。ちゃんと本人なりの矜持があり正攻法のみでしか戦わない潔さも、最早一端の戦士とすら思わせるヒロイン、ニカが最大の魅力。 しかしちょっとキャラの過去を展開に繋げず、全てモノローグで紹介してしまったのは残念。その分、彼女が本当に求めている居場所を提供する魔王に惚れてしまったという説得力にはなっているのでプラマイゼロというところか。(1/2)
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のれん
ネタバレ古き良き主従関係とデレデレヒロインの良さを味わえる。ミステリ要素は諧謔する程度のものなので、探偵というイメージは持たないほうが良いレベル。『緋弾のアリア』だと思えば良いかもしれんが。 しかし過去へ移動するループ能力の制限が中々理解しづらい。主人公の思惑を信じてくれた、という一点でヒロインが「やり直し」をしないのはちょっと不思議。ヒロインを守るにしても、結局タッグを組めたら勝てたわけだし、もうちょっと情報共有できたんちゃうん? 感が否めない。(1/2)
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のれん
ネタバレ相変わらず詰め込む作者だ。1巻はかなり抑えられていたが、各キャラが総結集し、巨大な白鯨を迎え撃つ。この白鯨に対して因縁やら思い入れがないので、段々描写がハイテンポかつ壮大になる連れ「え、こんなに凄いやつだったの」感が出てくる。他のキャラもそうで、今まで匂わせだったのに、いきなり感情爆発して告発する騎士くんとか、やっぱり感情のテンポが追いつかない。 あとがきで書く通り本作が神話の翻案というならば仕方なしもあるのだが、せっかくレイメイという臆病で奇っ怪で可愛い恋する乙女がいるのだから、じっくり描いてほしい所。
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のれん
ネタバレ正直言うと、作者の過去作と比べて微妙。 迫る壁のような緊張感をもった文章のまま、コメディを書いてしまうため、笑い所か緊張所か分からない。 天災レベルの被害がある他国出身の主人公を極秘で外交のいざこざに巻き込む任務を与える君主も如何なものか。 設定に関しては首を捻るが、テーマ性はかなり真面目。普通は人間関係を図る上で善だが、その普通がもたらす道理に悖る悪意もある。 普通ではないからこそ、その悪意を破壊できる勇気を持てる。良きテーマで真面目だからこそギャグにしてほしくなかったなぁと思ってしまう。
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のれん
ネタバレ恋人に転居の話をすぐしないことが最初理解できなかった。条件を提示して、互いの意見を折衷することはなによりも重要のはずだ。しかし主人公は恐れる。自分と彼女が別れることを、というよりキャリアよりも自分を優先させる選択をさせること自体に恐れているように思える。 共働きになった現代社会人は性別問わず自由だ。だからこそその自由を制限する主張に臆病になる。しかし「なぜ女性はわざわざ時間をかけてすぐ解ける髪型にするのか」という疑問への答えがその恐れを解決する本作のメッセージとなる。(1/3)
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のれん
ネタバレ作者のミステリはちゃぶ台返しのような力技が多く、それが本作シリーズの空気にあっている。 『デート』世界観でミステリを続けても意外にもフォーマットにあうものだ。ひとえに狂三さんの圧倒的ボケとツッコミに本作のバランスはかかっている。 てか狂三は形から入るタイプみたいで、探偵名刺とかも恥ずかしながら作るあたり、本質的に厨二気質があるよな。銃の構え方突っ込まれてて笑った。 ラストもぶっ飛んでたが、基本悪役も皆ギャグ落ちするっぽいので安心して読める。 あとはナンバリングを後からこっそり追加されればいいかな(笑)
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のれん
ネタバレ賛否両論という評が飛び交う作品ということで読了。両者の評どちらも理解できる一作だったが、個人的には賛に一票を投じたい。 本作の設定は小説家限定の偉人ものゲームだ。作者はTRPGで有名なSNEに所属していた経験があるらしく、そういったゲームでは歴史人物たちを操作したり、インスパイアする設定が多い。 そういう偉人ものゲームを突き詰める、つまり実際の背景や人物関係を廃して、そのキャラだけを蘇らせる。(1/5)
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のれん
ネタバレ己が欲望のまま自棄になった魔人たち。時代が違う死人たちが一同に会するというフォーマットは、間違いなく後世の作品に影響を与えただろう。しかしそれはどちらかというと映画の功績。原作だとこの魔人たちは全盛期さながらの実力を誇るだけで、魔物ではない。妖術もないし、ただ剣一本で戦うだけの剣客勝負。身内の宗矩と荒木は勝てないと分かってるから策で挑み、実力が上の如雲斎や天草に対しては不思議の勝ちで押し通っている十兵衛の胆力が凄い。(1/3)
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のれん
ネタバレ角川映画版しか見てなかったが、全く話も展開も違うやんけ。ファンタジー時代劇の趣が全く違うと驚愕。 尾張柳生に江戸柳生、宝蔵院に宮本武蔵。全員境遇は違えどその根底にあるのは嫉妬と怨嗟である。なぜ剣の道を邁進した自分が認められんのか。誰よりも最強を求め、歴史に剣を持って名を刻んだ自分がたかが数百石の禄を食むことに甘んじる。 政で成功したはずの宗矩であっても結局評判が地に落ちることに恐々とするばかり。こんなことをするぐらいなら好きに生き、享楽に耽ればよかった! と飲みすぎて自棄になりすぎた男の思考。(1/2)
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のれん
ネタバレ楠木氏の人物・家系史を辿る。かなりの楠木氏愛好家で、正成の高評価が前提にある。 本著を読むような者はもちろんそちら側であるのだが、太平記基準で読むため、すこし厚遇がすぎる点が見える。 特に一次資料が多く残されいる正儀による京都市街戦における、槍や盾を使った戦術から逆説的に、正成の戦術評価にも一定の正当性があるとする点は苦笑する。 もちろん楠木氏の地方領主としての限界性や楠木氏の真の評価点である機内における交易路とネットワークの確保にも言及されているので、史実も見ていることは確か。(1/2)
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のれん
ネタバレラスボス同士の前哨戦が中々に派手。陰陽師側では全く刃が立たない連中なんですなぁ。 一見では読みにくい名前が多い今作でレイドボス級が「火車」と「がしゃどくろ」というのはメジャーでありつつゲゲゲ風味の渋さを感じる。 そして後半登場した吏童という男がまた変なやつ。恋愛は良いぞ、って言ってきて彼女にフレれてるギャグに笑った。学郎って基本心の内だとあけすけなツッコミするところが面白い。 あと死んだ輪入道とは別格の待遇を受ける白沢。やっぱ可愛いとオッサンでは差があるものやなぁと涙を禁じ得ない(笑)
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のれん
ネタバレボーイッシュラブコメ書いてくださいと言われて、想像する全てを網羅した教本のような手触り。 言うなればテンプレであるが、ヒロインが自尊心(ちやほやされたい)という普遍的な心情でアイドルを演じる俗っぽさがある所をキチンと描いているのは好印象。 女の子扱いするというのは、彼女を愛する言葉と助ける行動それぞれを適切なタイミングで出力することだ。 すなわち少年は女の子を惚れさせるには「王子様」になる必要があるということである。面倒くさいと思った時点で大半の男にその資格はない(笑)。主人公の夏樹を見習いたいもの。
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のれん
ネタバレ絵柄からして『僕ヤバ』を意識した作風なのかもしれない。自分に自信が持てない少年に寄り添う自信気な少女。少年が徐々に気持ちを声高にする変化につれて、少女が逆に臆病になってしまう。逆転の甘酸っぱさ。ラブコメの王道。 しかし、今作の全てのキャラ台詞が長くメタ・サブカルネタの比喩を交えるため、基本的に真面目にならない。 いや構成はそうでも、会話文からラブコメ性を抽出するのはそれなりにラブコメ漫画を読み、シーンを想像できるよう「訓練」する必要があるだろう。 個人的には漫画にした方が良いと感じてしまった。
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のれん
ネタバレ【酷評】 イギリス作家による古典『イリアス』の女性視点の再話というジェンダー文学の王道とも言うべき作品。 故にこのような感想を述べるのはジャンル否定にもつながるかもしれないが、それでも私はこの主人公ブリセイスが気に入らなかった。 アキレウスの戦利品奴隷としてイリアスの舞台を眺めるのだが、論客のように男を嘲笑し、自らを諧謔し、女たちの園を得られないことを嘆く。(1/3)
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のれん
ネタバレ陰謀論を始めとした二元論に固執する思想は現代にまで形を変えて続いている。今作で登場するレプタリアンというのはネットで囁かれた著名人が人外であるという言説からヒントを得たのかもしれない。 個人的には1970年代という舞台は私達にエンタメとして見せる装置であり、最後にこの奇天烈な二元論を信じている人がいる=狂気の世界を本気で行おうとする輩の存在を示唆しているのではないかと思った。(1/4)
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のれん
ネタバレ設定やキャラ周りがドンドン増えていったが、結局のところモニカの自立が今作のテーマなら、その結末もシンプルだった。 序盤と終盤はドタバタしてたものの、盛り上がりはモニカとアイクたち1巻の登場人物だけでほぼ構成されていたのもシンプルさを後押ししていた。 何よりルイスと勝負するのではなく、静かに論証パフォーマンスしながら黒幕と政治的取引を「沈黙」をもって決着するのは驚いた。 宮廷ものらしく、本作のモニカの二つ名に相応しい締めだった。肩書を外したアイクの行動も花丸もので、大団円という言葉が似合う。(1/2)
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のれん
ネタバレ【難解】キーワードから未来構想を行う狭義のSF。荒唐無稽なギミックでもワンダーがあれば個人的に好みなのだが、本作の未来構想は疑問ばかり浮かんでしまった。 光合成原理で発電しつつ、その電力で現在のネットワークから植物の細胞を利用したレンダリングに移行したという社会。この植物情報社会の利点がサッパリわからない。 動植物(2章では鳥視点で俯瞰していた)の意識を転写できることで、一体全体どのくらいの情報量を処理できるのかが描写されておらず、現代ネットワークからの優位性の実感が湧かない。(1/2)
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のれん
ネタバレこの巻の最初に収録されている長編がいわゆる各シリーズのクロスオーバーになっていて、これはシリーズを読めば読むほど味わい深くなっていく。 元々今作が何回か構成を変更されて作られていることもあり、コルムの登場がこんな所であるのかと驚愕した。翻訳者が違うせいか台詞回しどころかキャラも違うのは仕方ないが(コルムってこんなフランクなヤツだったのか……) 一方本編は予言を回収して自身の守るべき者を滅ぼす展開。彼が剣を執る理由は最早あるのか。悲劇の影が濃くなっていく。やっぱり彼も死ぬんかなぁ
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のれん
ネタバレ原作映画+パンフレット感想。 かつて徳間書店が宮崎駿氏を推したように、メディアミックスで有名がKADOKAWAが人気のあるアニメーターなどを抜擢して支援するというのは、リスクあるが実のある投資といえるだろう。 しかし3DアニメーターとしてSNSで人気を博しつつも長編作品を一度もやってない作者に脚本・演出・監督をすべて任せるというのは冒険がすぎる。プロデューサーもまずは完成させることに念頭をおいていたとあり、その判断は違いない。(1/3)
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のれん
ネタバレネットでショートムービーを公開している3Dアニメーターの作品を短編小説として書き上げたもの。 原作(?)の3DアニメはSNS用にシーンごとの切り貼りであり、キャラ性が確立しているわけではないので、ノベライズと言ってもオリジナル要素が大きい。 というかキャラ設定はともかく、世界観とかは原作者と共同で作ったのではないか? あやかしと人の時間の流れの違いがテーマではあるが、それを活かしたシーンが最後だけで、それ以外はキャラ主体のドタバタ劇。 本音を言うならもう少し主軸がほしい一作だった。
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のれん
ネタバレさてはて作者の結末はどこで決まったのだろうか。 ゲームルートのように幾つか流れを用意していたようだが、トイレ事件曝露後の展開は、結末まで一足飛するために作り上げた展開と言わざるを得ない。 そうでもしないと主人公は嫌な方向ばかり進んで破滅するぐらいしかオチがつかないということなんだろうか。 今作の男は特に性欲の収まりのつかなさにクローズアップしていた。アンサーとしてそこに囚われない、気色の悪い性欲の暴走を互いに許す関係を持ってきたのは妥当であると思うが、果南のオチが少々弱い。(1/2)
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のれん
ネタバレ原作映画のノベライズ版の前日譚。 原作映画ではぼやけていており、ノベライズ版では真の黒幕だった母の少女時代を描く。 死を恐れた彼女は自身の天才性の永続に固執する。病以外完璧である彼女にとっての永続とはコピーではない遺伝子の継承者、すなわち彼との子に他ならない。しかし彼女は選ばれず失恋した。 本当は彼と家族を作れればよかったのに、彼女の恋は破られた。だから彼女は破られない家族愛を作ることにしたのだ。 彼女は好きな男を息子に再現し、息子に恋する娘(自分のクローンともとれるだろう)の恋心を殺したのだ。(1/2)
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のれん
ネタバレ2025年1月より公開した映画のノベライズ作品。しかしながら作者は原作映画の心情描写に重きをおいて、かなり解像度が上がっていた。 原作映画だとアンドロイド少女の心情変化に集中していたが、小説だと主人公とヒロイン、そして彼らを「作った」母の3人の心情がかなり詳しく書かれている。 特に母の心情はこの小説の根幹をなしており、原作映画でもここを中心にしていれば脚本の評価は非常に高くなったのではないかとすら思う。(1/2)
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のれん
ネタバレ原作のダイジェストっぽい速さだったが、要点は抑えている。 カエサルの用意周到かつ熱量のある煽りを受けて、敵の民からの信用を失墜させ、大義を作り上げる。 主人公がガチで蚊帳の外であることは原作でも同様だが、戦争への諦観とそれでも歩む騎士道精神があった。漫画版では嫁さんを守れる名誉を獲得するサクセスストーリーになっていて、まぁわかりやすいけど、洋画っぽいシンプルさになっていた。 あとカエサルとゲッツの会話は原作通りだけど、もっと演出やコマ割りを派手にしてもよかった。ジジイを出せジジイを、となる漫画も珍しい。
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のれん
ネタバレいよいよ朱音本人の話から落語界の歴史を踏まえた物語へと広がっていく。しかしそのきっかけが中々衝撃的。今回台詞のない一枚絵が多く、とくに志ぐまの芸を教えるシーンは特撮っぽく(というか昔の映画風)てツボだった。 そして一生の迫力は版画のように画風を変えていて、ヤクザ映画っぽい。2,3人殺してるよ、コレw 過去編で終わっちゃうけど、彼らも当時の落語界を革命する側だったんよね。 時代を変えた寵児がいつしか重鎮になって、時代を固定する側になる。栄枯盛衰だな。
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のれん
ネタバレ作者は学者公証などは行いながらも、作品らしい解釈は怠らないところは素晴らしい。 補強する言説や逸話を挟むのも、「リアリティ」作りに貢献している。今作のテーマに神の時代(政治の中心が信仰)から人の時代(政治の中心が人)へと移ることがあると思うが、尊氏は自分が現人神になるというのが可視化されていた。 ラスボスの目的とそれに抗う主人公という構図が定まった感じ。顕家の最後も含め、神になって世を決めるのではなく、人のまま世を変えていく重要さ(その過酷さ含め)が描かれていたのではないか。(1/2)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ作者の代表作の契機となったという主人公エルリック。薬草を食べないと生きていけないほどの病弱なのに、自分だけの未来を掴むために充てのない冒険に躊躇なく飛び出る。 失敗しては早めの走馬灯を垂れ流し、立ち直ったらアッサリまた冒険という無鉄砲さ。だからこそ無理難題にもすぐ挑めるし、自分を狙った敵に恩情をかけることもできる。 思考は悲観論なのに、楽観論で生き急ぐという矛盾。暴れているのに悟りがちな姿勢に短命の英雄らしさを感じた。 ケルト神話の猛犬を彷彿させる。私がこの作者を好む理由を言語化できた気がする。
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のれん
ネタバレ百合と同性愛の違いはなにか。 同性愛はその現実性が段違いでジェンダーを巡る社会問題を想起させる。本作もまたひたすらジェンダーの葛藤を私小説形式で語り続け、百合は辛い現実からの仮託の一面を見せつける。 しかし同時に百合の障害はそうした社会の壁だけではない。それは辛い現実を受け入れている自分だけの壁。創作、性癖、夢といった本当に好きなものを諦めること。 レズビアンではないのに自分個人を愛してくれる彼女との百合は、その壁を壊す。 現実に目覚めても、夢の欠片から夢想することは自由なのだ。(1/2)
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のれん
ネタバレ柴田勝家デビュー作を拝読。民俗学に興味があるとは思っていたが、その原点は極致から始まっていたようだ。 断片的なキャラの主観をそれぞれ繋ぎ、主題である「人類全ての記憶の保存=集合意識(天国)の実存」を描写として表現している。 哲学的テーマだが、そこに子を失った親(逆も然り)の願望の仮託が入り込み、消失を補完することを肯定する熱意を感じた。 トーンは暗いし人類は変遷しても逆行しているだけど、それを良しとする明るさがある。(1/2)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ物語自体はかなり普遍的なラブコメだが、中々世界観がゾワゾワする。思春期以上の学生全員に学内(地域?)限定のマチアプ+SNSを配布する。学業ではない人望を可視化し、恋愛を授業で教える。 結婚するための恋愛を学生の頃から意識させるという令和のお見合い制度の究極系みたいな設定。多分作者的には現代で普遍的になったマチアプ風土を当てはめただけなのだろうけど、個人的にはめっちゃ怖い。 しかも、主人公が400人中で100位順位を上げて最低ランクを脱したところを見ると、(1/2)
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/02/06(2976日経過)
記録初日
2017/02/06(2976日経過)
読んだ本
2886冊(1日平均0.97冊)
読んだページ
822994ページ(1日平均276ページ)
感想・レビュー
2794件(投稿率96.8%)
本棚
1棚
性別
自己紹介

静かにゆっくりラノベやら娯楽小説を読むのをモットーとしております。

たまに変な方向に走ることもあるけれど、大抵趣味だから仕方ない

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