ネタバレ第170回直木賞受賞作。2つの短編集。「十二月の都大路上下ル」は方向オンチな駅伝選手の女の子の話。「八月の御所グラウンド」は彼女に振られ予定が無くなった朽木が、友人の多聞への借金とおごりの焼き肉のせいで、「たまひで杯」という草野球大会に出場する羽目になるお話。たまひで杯の云われについて読んでいたら、くだらなすぎるとおかしくなったけど、2つの短編集に描かれる不思議な体験にほろ苦い思いを感じる不思議な小説だった。やはり、くだらない面白さだけでは直木賞は取れないようだ。

ネタバレ大吉が発明した音響トラップでユスリカを駆除してるとき、赤堀博士は屍肉食種のハエがかかっていることに疑問を持ち、辺りを捜索すると荒川と中川の中洲で遺体を見つける。捜査本部が立ち、そこから岩楯刑事とともに遺体の身元調べが始まる。。。なかなか遺体の身元が判明するまでの道のりが長かった。でも、遺体の身元が判明すると物語が急展開して進展する。相変わらず、でかいシャコとかウミケムシとか出てきて、スマホで検索して画像が出てくるとゾッとしたものです(笑)

ネタバレ筆者はイギリス在住で、アイルランド人の夫を持つ日本人妻である。息子の成長とともに、英国の抱える人種問題とか、格差問題、LGBTQ、貧困などをエッセイ風に記している。日本もいまや移民問題が生じ始めているが、先をゆく英国の状況をみると、白人だらけの学校より、多人種が通うカトリックの学校のほうが優秀だったりと知識を改めさせられた。

ネタバレ第170回直木賞受賞作。2つの短編集。「十二月の都大路上下ル」は方向オンチな駅伝選手の女の子の話。「八月の御所グラウンド」は彼女に振られ予定が無くなった朽木が、友人の多聞への借金とおごりの焼き肉のせいで、「たまひで杯」という草野球大会に出場する羽目になるお話。たまひで杯の云われについて読んでいたら、くだらなすぎるとおかしくなったけど、2つの短編集に描かれる不思議な体験にほろ苦い思いを感じる不思議な小説だった。やはり、くだらない面白さだけでは直木賞は取れないようだ。

ネタバレ2025年1月公開予定の映画の原作。映画化されたというので読んでみました。油売りの少年・才蔵がその担いでいた六尺棒の使い手となり、骨皮道賢や蓮田兵衛の世話になり、一人前の六尺棒の兵法者となっていく過程が中盤まで描かれている。応仁の乱前の飢饉や乱れた室町時代の世の中を変えたいと願っている蓮田兵衛は大規模な一揆を企てる。後半は一揆の戦いぶりが描かれている。大半は才蔵の兵法者への成長物語ともいえるがテンポ良く描かれていて読みやすく面白かった。また室町時代の飢饉の悲惨な情景も心に滲みた。