忙殺、浪費に侵されていると感じている方にお勧めの大傑作。二千年の時を経てもその内容が通じるのは、セネカにどれほどの先を見る能力が培われていたかがストア哲学を基盤に、鋭い感性と他人の立場で考えるという絶大なる人間性が備わっていたかが隅々まで伝わってくる。収録の3作全て良いが、やはり一番は生の短さについてが一番心に刺さる。現在は思考、意志といった心の在り方に依存し存在すれば活用でき、存在しなければ悪戯に流れ浪費される。現在は過去と未来から成り立つもので活用すれば長く、しなければ無となる。論語と並ぶ名著。

植民地支配と白人至上主義との物語とは簡単に読み解く事は出来ない程、重厚且つ濃厚な物語。現時点で最新の翻訳も手伝って理解し易い内容にタイトルの意味が響いてくる。当初は映画地獄の黙示録の原作と知って購入に至ったが、時代はベトナム戦争より前の混沌にまみれた人間のあらゆる欲の心理に迫る内容。著者はポーランド出身で当時ロシアの占領下にあり、父親の独立運動関与のため流刑、両親の死後は16歳で船乗りになり、その多大なる苦労の経験と文才との合致が本作を生み出す。映画の話に戻るが原作クルツと映画カーツ役を演じた→

1930年代末アメリカ南部の第二次世界大戦開戦前の世情を見事に著した物語。人種差別、経済不況による貧困、資本主義の矛盾との闘いと格登場人物が抱える苦悶を若干23歳で書き上げた女流作家マッカラーズの才能には本当に驚きである。村上春樹の翻訳は自身の作品にもマッカラーズの影響が存分に感じられる。特に料理の描写はそのまま村上作品に多々応用されていて、物語に彩りを添える一役を買う事に気付く。シンガーという重要人物が聾唖で聞き役に徹するという役割こそこの物語を最大に引き立て、決して暗く重い雰囲気に始終しない作品である

忙殺、浪費に侵されていると感じている方にお勧めの大傑作。二千年の時を経てもその内容が通じるのは、セネカにどれほどの先を見る能力が培われていたかがストア哲学を基盤に、鋭い感性と他人の立場で考えるという絶大なる人間性が備わっていたかが隅々まで伝わってくる。収録の3作全て良いが、やはり一番は生の短さについてが一番心に刺さる。現在は思考、意志といった心の在り方に依存し存在すれば活用でき、存在しなければ悪戯に流れ浪費される。現在は過去と未来から成り立つもので活用すれば長く、しなければ無となる。論語と並ぶ名著。