読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

志村真幸
読んだ本
9
読んだページ
2113ページ
感想・レビュー
9
ナイス
29ナイス

2024年10月に読んだ本
9

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

志村真幸
 著者は、磐田市竜洋昆虫自然観察公園の職員。ゴキブリについての著作で知られる。  本書は、もともとゴキブリ嫌いだった著者が、どうしてゴキブリに惹かれていったのかから始まり、やがて沖縄や奄美、シンガポールとマレーシア、オーストラリアと各地に遠征するに至るまでのはまりっぷりが語られている。  南西諸島には多様な種類のゴキブリがおり、実際に現地を訪れ、それらを次々と発見していく興奮が文章を通じて伝わってくる。  めずらしくて、美しくて、たまにかわいらしい。写真多数。  語り口の朴訥なところも味わい。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
9

志村真幸
 著者は、滋賀大学で長くキノコの分類学に携わった研究者。  本書は、さまざまな媒体に出た文章を集めたもの。大津出身の著者の家にはマツタケ山があるなど、子どもの頃からキノコに親しんできたといい、うらやましい限り。日本各地での採集の話題が多く、滋賀県内はもとより、木曾、九重、青森、茨城と土地ごとのキノコのことがわかる。  さらに海外調査を何度も体験しており、ニューギニア、アラスカ、シベリア、ニュージーランド、韓国、台湾。日本と異なったり、共通した種が見られたり。  マツタケの話題がたくさん。
が「ナイス!」と言っています。
志村真幸
 岩波文庫の1994年に出た新版。解説は、田中克彦。  もともと1948年に出版されたもので、柳田国男の「河童駒引」に対して、国際的な比較民族学の手法を取り入れている。日本だけではなく、中国、インド、イスラーム圏、ヨーロッパ、古代ギリシャなどの例が引かれており、一国民俗学からの決別が明らか。民俗学の成果を国際的に展開させようとした一冊だ。  日本の河童駒引の源流が大陸にあることが示され、牛と馬の家畜文化といつた視点もくみこまれ、おもしろい。  とにかく、無数の例が次々と出てくるあたりが読みどころ。
が「ナイス!」と言っています。
志村真幸
 著者は、昆虫や鶴の研究者。  本書は、台湾を中心に活躍した鹿野忠雄の伝記。少年時代から、第二次世界大戦末期に戦地で行方不明になるまでの一通りが語られている。  台北で過ごした学生時代に山々を回り、少数民族のなかに入りこんでいく。東大進学後も昆虫、氷河地形、民族の調査に携わり、大きな成果を上げた人物だ。研究がどれも楽しそう。戦前の南方の自然研究が、いかに魅力に満ちていたかがよく分かる。  データ的な側面も、実に詳細。よくここまで調べたものだ。  その死についての推測も。
が「ナイス!」と言っています。
志村真幸
 著者は東進ハイスクールの物理のカリスマ講師として知られた人物。  本書は、『時間はどこで生まれるのか』『空間は実在するか』に続く第3弾。今回は「速度」がテーマとなっている。基本は宇宙論。  物理学の入門書というよりは、むしろSF心を発揮した一冊だ。たとえば、ウラシマ効果について徹底的に解説してくれており、これまで何となくでしか理解できていなかったものが、隅々までよく分かった。  きちんと段階を踏んで教えてくれるので、読者もちゃんとついていける。  時間や空間というものがおもしろくなった。
が「ナイス!」と言っています。
志村真幸
 免疫というものについて、50件のQ&Aから説明した内容だ。「免疫力の維持に食べ物はどれぐらい重要か?」「免疫記憶とは?」「どうして最近アレルギーは増えているのか?「がんワクチンの現状は?」といったものが並んでおり、懇切丁寧に教えてくれる。  コロナ禍にともなって免疫についての関心が高まっているが、一方ではよく分からないことも増え、間違った情報も出回っている。それらに正解を示してもらえるのがありがたい。  また、がんについての研究の最先端がいろいろ出ており、かなり期待の持てるものも少なくない。
が「ナイス!」と言っています。
志村真幸
 中学受験ものというと、難関校への合格という成功談ばかりが目立つ傾向があるが、実際の中学受験はそれだけではない。全部落ちたり、どんなに頑張っても成績が上がらなかったり、希望の学校に入ったのに合わなくて転校することになったり。偏差値は高くなくとも、自分に合った学校をめざす子どもたちもいる。野球をしたいために受験する例も。  多様な姿を丁寧にすくいとっているあたりに信頼感がある。  中学受験をめざす本人/親が参考すべき一冊。そして何より、いま受験に苦しみ、迷っているひとたちへの、救いのある指針となるだろう。
が「ナイス!」と言っています。
志村真幸
 著者は、磐田市竜洋昆虫自然観察公園の職員。ゴキブリについての著作で知られる。  本書は、もともとゴキブリ嫌いだった著者が、どうしてゴキブリに惹かれていったのかから始まり、やがて沖縄や奄美、シンガポールとマレーシア、オーストラリアと各地に遠征するに至るまでのはまりっぷりが語られている。  南西諸島には多様な種類のゴキブリがおり、実際に現地を訪れ、それらを次々と発見していく興奮が文章を通じて伝わってくる。  めずらしくて、美しくて、たまにかわいらしい。写真多数。  語り口の朴訥なところも味わい。
が「ナイス!」と言っています。
志村真幸
 三田村鳶魚が中心となってとりくんだ井原西鶴作品の輪講は、そのほとんどが活字になっている。しかし、1948年8月19日に始まった最後の『懐硯』だけは、未刊行であった。  ただし、原稿は残っており、それを活字化したのが本書となる。  7回にわたって行われており、少しずつ輪講が進んでいく。  どのような形で鳶魚の輪講が進められていたかを、目で見て理解することができる。江戸文化への理解の試みとしておもしろい。  旧仮名遣い、漢字も旧字体。初心者にはハードルが高いだろう。
が「ナイス!」と言っています。
志村真幸
 ムーミン物語について、発達障害/ニューロマイノリティという側面から解釈を試みた一冊だ。  作者のトーベ・ヤンソンが発達障害だったのではないかという仮説に立ち、自閉スペクトラムを公言する著者が、あそこにもここにも該当する要素(たとえば、タイトルに並べられているような特徴)が見つかる、と述べていく形式だ。実際、そのような見方からの指摘は説得的であり、深く納得させられる。  発達障害という「読み」は、非常に切れ味のいい分析方法で、文学作品のみならず、さまざまな分野で新しい解釈をもたらしてくれる。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/09/25(2616日経過)
記録初日
2017/09/25(2616日経過)
読んだ本
1799冊(1日平均0.69冊)
読んだページ
471891ページ(1日平均180ページ)
感想・レビュー
1797件(投稿率99.9%)
本棚
0棚
読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう