101-24.海外では、映画が動画配信サービスで公開されたらしく、海外の視聴者さんにも衝撃を与えているということだったので、原作を読んでみました。映画との違いはほどんどないのですが、清太とせっちゃんの魂がこの世に残っていて、いまだに現代を見守っているという映画でのシーンは原作にはなかったです。なぜ、親のいるところに行かないのか？というのが謎なのですが、他の短編では清太が生きている世界のような話もあり、一般的に反戦メッセージが強くみられがちな映画ですけど、その背景になっている部分も知ることができました。

101-24.海外では、映画が動画配信サービスで公開されたらしく、海外の視聴者さんにも衝撃を与えているということだったので、原作を読んでみました。映画との違いはほどんどないのですが、清太とせっちゃんの魂がこの世に残っていて、いまだに現代を見守っているという映画でのシーンは原作にはなかったです。なぜ、親のいるところに行かないのか？というのが謎なのですが、他の短編では清太が生きている世界のような話もあり、一般的に反戦メッセージが強くみられがちな映画ですけど、その背景になっている部分も知ることができました。

100-24.嘉兵衛とリコルド少佐の友情と、反面、出方次第では刺し違いも辞さないという展開に緊張感がありました。外交というのは一方的に不利な立場だったり、言葉が通じなくても、相手を交渉のテーブルに付かせるというところから始めるものなのだなと感心してしまいました。あと、嘉兵衛に限らずですが、帰国した日本人（菜の花の皆さん）一般的に、母国の日本から冷遇を受けてしまう（油になる過程で絞られる）わけですけど、それでもなお国のためになることをしようという気概で、日本は持ち堪えてきたのかなと思いました。

099-24.ほとんどロシアの話でした。そして主人公の嘉兵衛もほとんど出てきません。ピョートル大帝からエカテリーナ女帝あたりを中心に、大黒屋光太夫をはじめとして漂流した日本人のロシアでの動向や、当時の日本とロシアの交渉の内幕などが書かれていました。司馬さん本人も、満州に出征した時に一歩間違えばシベリアに抑留されていたかもしれないということで、その辺の切実さみたいなものが伝わってきました。今も日露関係はいいとは言えないですけど、昔からすれ違いの歴史だったんだなぁという感じでした。

098-24.幕府が蝦夷地をお召し上げしたところから始まりました。嘉兵衛は蝦夷の風土や人に魅入られている様子が印象的だったのですが、アイヌとの共栄共存をベースとした千島の開発に注力してましたし、伊能忠敬や松右衛門の旦那も函館に上陸して、蝦夷地の勃興を感じられる内容でした。また対岸の本州側の南部と津軽の話も面白く、拠点を作るのに地理的には青森のほうが便利そうだと思うのですが、野辺地を選んだ理由が「南部人のほうが冒険的だ」という見解が新鮮でした。商人から船乗りの方に振り切って行った感じでした。

097-24.新造船の辰悦丸で蝦夷地に乗り出します。今まで侍アレルギーの嘉兵衛でしたが、日本国という視野で北辺を考える幕臣に出会い、商人とか武士とかという既存の枠を超えて、蝦夷というフロンティアに利益度返しでのめり込んでいく行く姿が描かれていました。結果、蛇蝎のように松前藩からは嫌われてしまうわけですけど、確かに松前藩には色々問題はあるとは思うのですが、今日でも有効に開発しきれているといいきれない広大な大地を統治していくのはなかなか大変なような気もしました。