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2024年5月の読書メーターまとめ

まけどにあなっつ
読んだ本
6
読んだページ
2423ページ
感想・レビュー
6
ナイス
15ナイス

2024年5月に読んだ本
6

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

まけどにあなっつ
桶物語というへんてこなタイトルは、ホッブス「リヴァイアサン」の中にある挿話、水夫は鯨に出会うと空の桶を投げ与えて気をそらせる習慣があるということから取られている。空っぽな桶みたいな腐敗し切った当時の宗教政治に大いに揺さぶりをかけるというのが、本書のしくみ。「緒言」にあるこの桶の説明部分を読み飛ばすと、何が何だか分からない小説になりかねない。怒りと不満ではち切れそうな若いスウィフトの全力を上げての、社会への異議申し立て。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
6

まけどにあなっつ
とにかく肌理の細かさに驚いた。すみずみに目が行き届いていて、端から丁寧に謎を解きほぐしてゆく。その道筋に一点の隙もない。ラスト、思いがけない大きな転調、乱調があり一気に決着に至る。どの人物もきちんと描き込まれているので端役までもが生きいきとしていて慕わしく、犯人すらも一個の人間としての心の動きが納得がゆき共感できる。後書きに単なるミステリに留まらず小説として成立することを念頭においたといった著者の言があるが、そう言い切れるミステリのなんと少ないことか。どうしていままでこの作家を知らなかったんだろう。不覚。
が「ナイス!」と言っています。
まけどにあなっつ
下巻でまとめて書く。コーンウェルを思い出した。細部にまで目が行き届いている。共感できる人物たち。かなり絞り込めてきてるのに容疑者の目星がなかなか定まらない。面白くてのめり込んでる。
まけどにあなっつ
桶物語というへんてこなタイトルは、ホッブス「リヴァイアサン」の中にある挿話、水夫は鯨に出会うと空の桶を投げ与えて気をそらせる習慣があるということから取られている。空っぽな桶みたいな腐敗し切った当時の宗教政治に大いに揺さぶりをかけるというのが、本書のしくみ。「緒言」にあるこの桶の説明部分を読み飛ばすと、何が何だか分からない小説になりかねない。怒りと不満ではち切れそうな若いスウィフトの全力を上げての、社会への異議申し立て。
が「ナイス!」と言っています。
まけどにあなっつ
スターンの名前は漱石界隈でよく見かけてきたけど今回が初読。「トリストラム・シャンディ」の副産物的、最晩年の作。のっけから漱石の「猫」を思わせる皮肉と諧謔まみれのヘソ曲がりの(牧師らしくない)牧師のおじさんが登場。ろくに観光はしないで、ひたすら心象風景でストーリーを動かしていて、つまりこれがジョイスが言うところの「意識の流れ」ということか。そういう意味で多くの作家に絶賛される作家だが、純粋に小説として面白いかというと、そうでもない。スターンってこういうものを書く作家なんだなあと分かったからオッケーとする。
が「ナイス!」と言っています。
まけどにあなっつ
なんでこんなに長編? 少々げんなりしながら読んだ。宗教、ベトナム戦争、ケネディ…やたら枝葉の情報量が多い。出生の秘密、夢の謎などのピースが、思いがけないラストでピチッと解き明かされる。オウエンという「生まれつきとても小柄な男」に感じていたかすかな違和感というか戸惑いのようなものが、すこしずつ聖的存在に思えてきて奇蹟、運命、符号、予言が嘘くさく感じない。不思議な小説だ。さいきん流行りの「号泣必至」とかのリストに加えてもいいのでは(泣くことを目的に読書する意味はわからないけど。そもそも読書に目的なんかないし)
まけどにあなっつ
下巻とまとめて書く。アーヴィングが爆発的に流行ってたころ、なんとなく好きになれなくて1冊も読まなかった。映画も見てない。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/05/30(2210日経過)
記録初日
2018/05/30(2210日経過)
読んだ本
677冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
207995ページ(1日平均94ページ)
感想・レビュー
524件(投稿率77.4%)
本棚
0棚
自己紹介

少し前に思うところあって部屋にあった本棚を全部処分して蔵書ゼロにした。それでも本読みの習慣からは抜け出せず、以降は図書館から借りることにしている。現在コミュニティに参加して「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」にとりかかり中。自分のための忘備録として使っているので交友活動には興味がありません。あしからず。2024/04/11更新

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