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2025年1月の読書メーターまとめ

まけどにあなっつ
読んだ本
8
読んだページ
3725ページ
感想・レビュー
8
ナイス
10ナイス

2025年1月に読んだ本
8

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

まけどにあなっつ
図書館の閲覧室で「群像」掲載の「風の歌を聴け」を読んだ時の衝撃に近い感動を今でも覚えている。春樹の登場は直前の龍と併せて、とてつもない新しい風がまき起こった鮮やかな印象で、2人はまさに時代の寵児だった。ずっとあとになってカート・ヴォネガットを知って「なんだよ、これがハルキの元ネタかよ」と大いに鼻白んだ。「ノルウェイの森」以降、急速に私のハルキ熱は冷めきった。文末の「その他もろもろ」はハルキの「やれやれ」同様に独特な終止符になってて、それを面白がるか、くだらないと思うかは人それぞれ。
まけどにあなっつ
2025/01/27 08:50

全体に漂う暗く閉じた、硬直した狂気の空気が不快で息詰まる。若いころの自分がハマった理由はそれなりにわかる。でも、あらためてヴォネガットを読んでみて、もうココは戻らなくていい場所なんだと実感した。

が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
8

まけどにあなっつ
疑い、不信、不実、裏切りに満ち、冷え切ったシニシズムに固まった主人公を描かせれば右に出るものはいないのでは。丸谷才一の訳が光る。最近の図書館の翻訳本に関しての蔵書の扱いは、概して、それがどんなに古く拙い訳書であろうと1冊あればよしとして、後続の他訳書を入れない、というふしがある。訳が違えば、まったく別の作品として個々を揃えて所蔵してほしいが、やはり予算の都合なのだろうか。逆にこの丸谷訳のボロボロのグレアム・グリーン全集の1巻は、ぜひとも廃棄処分にせずに永く蔵書として保管していただきたいがどうなることか。
まけどにあなっつ
これを読まなければいけないのかという絶望のどん底に突き落とされた。果敢に挑戦してみたけど、やっぱり無理、早々に投げ出す。おなじく独身女性の大都会でのお仕事物である安野モヨコ「働きマン」は、強い共感をもって読めたのに、この躁病的なまでのノリには付いてゆけない。いまだに次々と続編が出され映画化されているのだからかなり売れているのだろう。かつてはわたしもバリキャリだったが(キャリア志向はなく昇進や昇給にも興味なしだったけど。というか、そもそもそんなカタカナ語はまだなかった)、
まけどにあなっつ
2025/01/27 17:30

まわりを見回しても、こんな浮かれまくった勘違い女は見当たらなかった。いったいどこの誰がこのシリーズをありがたがっているんだろう。不可思議。

まけどにあなっつ
図書館の閲覧室で「群像」掲載の「風の歌を聴け」を読んだ時の衝撃に近い感動を今でも覚えている。春樹の登場は直前の龍と併せて、とてつもない新しい風がまき起こった鮮やかな印象で、2人はまさに時代の寵児だった。ずっとあとになってカート・ヴォネガットを知って「なんだよ、これがハルキの元ネタかよ」と大いに鼻白んだ。「ノルウェイの森」以降、急速に私のハルキ熱は冷めきった。文末の「その他もろもろ」はハルキの「やれやれ」同様に独特な終止符になってて、それを面白がるか、くだらないと思うかは人それぞれ。
まけどにあなっつ
2025/01/27 08:50

全体に漂う暗く閉じた、硬直した狂気の空気が不快で息詰まる。若いころの自分がハマった理由はそれなりにわかる。でも、あらためてヴォネガットを読んでみて、もうココは戻らなくていい場所なんだと実感した。

が「ナイス!」と言っています。
まけどにあなっつ
蓮實重彦にハマっていた若いころに読んだ「凡庸さについてお話させていただきます」は半分くらいしか理解できなかったけど、フローベールの盟友マクシム・デュ・カン論だったような気がする。本書はフローベールの生涯と微妙にクロスしていて、主人公ブヴァールとペキュシェの2人の設定はかすかにフローベールとマクシム・デュ・カンを思わせる。凡庸としか言いようのない小市民の2人が生半可な知識でありとあらゆる分野に小賢しく手を出しては当然のように失敗を繰り返す。
まけどにあなっつ
2025/01/24 22:34

彼らの情けない姿は、動画サイトを眺めるだけで世界の真実がわかった気になって斉藤知事に投票してしまう現代人と、恐ろしいくらいそっくりだ。ブヴァールとペキュシェはわたしたちだ。

まけどにあなっつ
この作家もまた、いままで知らずに通り過ぎてきたらしい。選り好みせず半ば強制的にブックリストの頭から順に読むという、いま取り掛かってるような読書法によって出会える作家もある。ウイットのきいた、嫌味にならない程度にペダンチックな、酒びたりの主人公がたいそう魅力的。ちょっと丸谷才一がお勧めしてそう。頭の中でボリス・ジョンソンの風貌をイメージした。
が「ナイス!」と言っています。
まけどにあなっつ
ヒーロー的な主人公を設定せずに、登場人物全員が主人公だとする「全体小説」のスタイルで欧州戦線を描く。第二次大戦を太平洋戦争として体験した日本人にはピンとこないのだけど、イギリス人にとっては共感マックスな戦争小説なのだろう。最前線で戦っている兵士以外の、銃後のオンナコドモ(差別用語だ!)もみな同じ時代に同じ戦争を戦ってきたのだというとらえかたは、さいきん大いに流行った「すずさん」と同じスタンスなのであり、さらに言えば花森安治の「戦争中の暮しの記録」のスタンスでもある。
まけどにあなっつ
中央アメリカの砂漠地帯のような、極限まで乾き切った、一切感情・感傷を挟まない文体。タイトルは血の子午線といった意味合いだろうか、アメリカとメキシコの国境をイメージしているのだろうか。頭抜けてクレイジーでエキセントリックなクソ野郎「判事」というキャラクターが妙に魅力的で、裏返しのキリスト的な、血塗られた神を思わせる存在。タランティーノの映画「ジャンゴ」と同じく、現代アメリカができれば眼をつぶっていたい残忍な過去を強引に暴き立てる。
が「ナイス!」と言っています。
まけどにあなっつ
コーンウェルの検屍官シリーズが好きで講談社文庫が出ると即買ってたのに、サラ・パレツキーという作家は知らなかった。不思議。というわけで本書が初読なのだが、偶然読んでなかっただけとはいえ、なるほど理由がわかるような気がした。なんとなく、主人公のチャラけた軽みが好きになれなかった(スカーペッタに比べればという意味ね)。初期のカバー絵がクールな女性のイラスト調というのも、なんとなく、だ。911以降のアメリカ小説というものが、すでに出てる世界なわけなんだなあ、と感慨無量。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/05/30(2456日経過)
記録初日
2018/05/30(2456日経過)
読んだ本
738冊(1日平均0.30冊)
読んだページ
231081ページ(1日平均94ページ)
感想・レビュー
572件(投稿率77.5%)
本棚
0棚
自己紹介

少し前に思うところあって部屋にあった本棚を全部処分して蔵書ゼロにした。それでも本読みの習慣からは抜け出せず、以降は図書館から借りることにしている。現在コミュニティに参加して「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」にとりかかり中。自分のための忘備録として使っているので交友活動には興味がありません。あしからず。2024/04/11更新

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