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2024年10月の読書メーターまとめ

しんだもずく
読んだ本
5
読んだページ
1286ページ
感想・レビュー
5
ナイス
15ナイス

2024年10月に読んだ本
5

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

しんだもずく
生きること、生きているものを見つめること、生きているもののなかに、かつて生きていたすべてのものを透かし見ること。白いものたちを通して語られる言葉たちは、静寂のなかで、その冷たさと、冷たさを感じる身体の温かさのなかで、ひとつの喪の作業を丁寧に果たしている。清らかで淀みのない、けれど痛切な感情の重みの乗った文章は快く、今後触れる冬の冷たさのなかに、あらゆる白いものたちに、この文章から受け取った祈りを感じることになるのだろうと思う。読んでよかった
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
5

しんだもずく
めちゃめちゃ面白かった AIが代わりに裁判官を行うようになった世界で、AIの裏をついて無罪を勝ち取る悪徳(?)弁護士が主人公。主人公が技術屋ではなくなった分デビュー作と比べると技術的な専門用語は少なくなり、リアリティラインも若干下がったようにも思えるものの、それらはいい意味でエンタメ要素になり、物語の面白さを加速させている。テンポもよくギャグからシリアスまで隅々まで気を遣った文体も、法廷を舞台にしながらも物語のスケールを大きくしていく構成もとにかくよくできていて、見せ場! という見せ場もとにかく楽しかった
が「ナイス!」と言っています。
しんだもずく
最高!!!! ニャリウッド1がシリーズのなかではあんまりピンと来なかったので(あと映画版は嫌いなので)期待薄だったものの、堂々ポンポさんシリーズの続編という感じの気迫で本当によかった アランくん含め無駄のないキャラクターの配置、作中作とストーリーラインを有機的に絡めながらも見せ場から逆算したようなフックをいくつも入れる丁寧で隙のない構成も流石〜〜〜という感じ 感情の流れを物語にするのが本当に巧くて、創作の楽しさを見せてくれて本当にありがとう……となった
しんだもずく
ポンポさん3で映画カメラマンとして大成したマズルカちゃんをフィーチャーした一作。以前のポンポさんシリーズと比べると大胆な構成のカタルシスとか、とにかく鋭利な見せ場、みたいなものはなかったように思うが、楽しかった。あとがきで事前準備なしに連載が決まって云々とあって納得したものの、それでも堅実な(ベーシックな)ストーリーでしっかり読ませるものを作れるのはやっぱり基礎力ですよね〜〜〜と私自身も勉強になる気持ちがあった
しんだもずく
生きること、生きているものを見つめること、生きているもののなかに、かつて生きていたすべてのものを透かし見ること。白いものたちを通して語られる言葉たちは、静寂のなかで、その冷たさと、冷たさを感じる身体の温かさのなかで、ひとつの喪の作業を丁寧に果たしている。清らかで淀みのない、けれど痛切な感情の重みの乗った文章は快く、今後触れる冬の冷たさのなかに、あらゆる白いものたちに、この文章から受け取った祈りを感じることになるのだろうと思う。読んでよかった
が「ナイス!」と言っています。
しんだもずく
ただ言葉だけが残される。それで、どうすればいいのだろう。特別な——えてして過剰な意味を見出すでも、どうしようもなく立ち現れる物語をただ捨象するでもなく、ただ、残ってしまう言葉を、「残してしまう」言葉を、肯定でも否定でもなく、当惑のなかで、ただ物語がそこにあるように書き残している、そんな短編集に思える。舞台も構成もバラエティに富み、統制された文体で形づくられるウェルメイドな作品が多く収められてなお、作品に通底する仄暗い雰囲気と全体性を構成することへの拒絶——作中人物にとってもそれと明瞭に示されない結末は、
しんだもずく
2024/10/02 01:14

この物語ることへの当惑において一貫しているようにも見える。それでも、「それでも」と、大丈夫だと語りかけることもまた同時に一貫したモチーフになっている。読み進めるにつけこの道はしかし袋小路ではないかと考えていたところ、後書きで袋小路だと自ら明言されていたのには驚いたが、語りと騙りを自覚的に物語のなかに取り入れ、あっと驚かせる趣向を凝らした表題作は愉快だった。差し当たっては第二作品集を楽しみに待つしかないだろう。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/06/10(2358日経過)
記録初日
2018/06/06(2362日経過)
読んだ本
894冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
200643ページ(1日平均84ページ)
感想・レビュー
676件(投稿率75.6%)
本棚
3棚
外部サイト
自己紹介

ほら、二つの青と青を重ねてごらん……私達の頭は海を吸い取ってしまう

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