単純なキリスト教連合とイスラム諸国との争いだと思っていたがかなり複雑だった。イスラム勢力に圧されていたビザンチン帝国がパレスティナ地域の奪還のため呼びかけた十字軍であったが、ビザンチンの皇帝は二枚舌でイスラムとも密約を交わすほど。パレスティナを実効支配しているのはエジプトのカリフで進軍が進んだのもイスラムやトルコの勢力が頑強に抵抗しなかったことも一因。フランスを中心とした第一次十字軍は２つの騎士団の働きもあり広範囲を治めるがその後の維持がままならない。ただキリストに捧げるという共通目的が強みの集団である。

欧州の国王が率いた第二次十字軍はあっけなく敗退。四方を敵に囲まれパレスティナ地域にのこされたキリスト教徒の不安は現代のイスラエル国民以上であろう。イスラエル王国の癩王ボードワン四世の残された命を逆算した鬼気迫る数々の活躍、身内の処遇には胸が熱くなる。イスラムの英雄サラディンは一枚岩とは言えないイスラム勢力をジハード（聖戦）としてまとめ、ほぼ十字軍前の状態に戻していく。マイノリティーのクルド民族出身というのも興味深い。やはりトップの力量と胆力が戦時（非常時）にはものをいうのだろう。

単純なキリスト教連合とイスラム諸国との争いだと思っていたがかなり複雑だった。イスラム勢力に圧されていたビザンチン帝国がパレスティナ地域の奪還のため呼びかけた十字軍であったが、ビザンチンの皇帝は二枚舌でイスラムとも密約を交わすほど。パレスティナを実効支配しているのはエジプトのカリフで進軍が進んだのもイスラムやトルコの勢力が頑強に抵抗しなかったことも一因。フランスを中心とした第一次十字軍は２つの騎士団の働きもあり広範囲を治めるがその後の維持がままならない。ただキリストに捧げるという共通目的が強みの集団である。