我らが竜崎警視長、神奈川県警に舞台を移しての第二弾。今回のヤマは、横須賀ヴェルニー公園での遺体発見を幕開けとする大事件。米軍基地との絡みなども懸念され、地元感情や地位協定の関係などから、細心の考慮を要する捜査環境の下、竜崎の原則主義は果たして吉と出るのか、凶と出るのか。それまでの第一線指揮官たる署長とは自ずから違った立場での捜査指揮。そんな中でも竜崎の竜崎らしさが光ります。『探花』というタイトル、科挙の三番手って意味だそうですが、この物語の中では、それを超えた奥の深いものも感じました。

2012年シカゴ・サミットの頃に出版された、NATO戦術核の将来に関する論稿集。米露両国の考え方、同盟の新旧メンバーそれぞれのポジション、NATOの枠組の中での議論の状況などを詳しく紹介。もう少し戦略論的な内容を期待していたものの、軍備管理論的な観点からの立論が多く、主観的にはちょっとガッカリ。それにしても、2014年のクリミア併合以前の出版だけあって、大国間関係の将来への楽観的見通しには隔世の感を禁じ得ないものあり。他方、ロシアのポジションについての考察には時代と状況を超えるものを感じ、感心。

図書館本。唐太宗から梁啓超に至るまで、中国史に大いなる悪名を轟かせる12人。そんな彼らの強烈な個性を描きながら、彼らが全人格的に取り組まざるを得なかった、それぞれの時代の課題や社会的挑戦を活写。ひいては中国という巨大で多元的な存在が抱える宿痾に論が及びます。平易でとっつき易い語り口ながら、各時代の目鼻立ちや中国社会不易の特徴を端的に示してくれているように感じられ、とても感心してしまいました。ところで、本書の王陽明のくだりを読んでいて、思わず『隠蔽捜査』の竜崎警視長を連想してしまったのはkkだけ？

図書館本。魔都上海のいわくありげな高級ホテルを舞台に、多くのキャラと複数のストーリーが交錯してクライマックスに収斂していくドタバタ・コメディ。前作からの面々をはじめ、今回も魅力的で油断のならない人々とかが縦横無尽の弾けっぷり。エンタメ的に十分楽しめました。他方、今回は、ちょっとだけ顔を出してそのままどっかに行っちゃったような登場人物が散見されます。前回のような、全てのピースが一枚の絵にピタッと嵌るってな感じはちょっと希薄かも。走りながら考えたのかな。これだけの素敵な面々、ちょっともったいない気も。

図書館本。都庁、国会議事堂、絵画館や明治生命館など、都内の名だたる建物を引き合いに出しつつ、その内装や外壁に使われている石材の特徴や地質学的な背景などを語るもの。石好き、地学好き、散歩好きには堪えられない一冊。以前に購入した『原色　石材大事典』を参照しながら楽しく読みました。かくなる上は電子書籍版を必ず購入し、東京の街を今までとは違った目線で見て歩かなければなりませぬ。とは言え、この本、石とか建築石材とかに興味のない向きには、全く面白くないこと間違いなしかも。

我らが竜崎警視長、神奈川県警に舞台を移しての第二弾。今回のヤマは、横須賀ヴェルニー公園での遺体発見を幕開けとする大事件。米軍基地との絡みなども懸念され、地元感情や地位協定の関係などから、細心の考慮を要する捜査環境の下、竜崎の原則主義は果たして吉と出るのか、凶と出るのか。それまでの第一線指揮官たる署長とは自ずから違った立場での捜査指揮。そんな中でも竜崎の竜崎らしさが光ります。『探花』というタイトル、科挙の三番手って意味だそうですが、この物語の中では、それを超えた奥の深いものも感じました。