ネタバレ「迷宮の主になり悪魔に脅かされない世界を願う」というライオスの策を最後の頼みの綱にしたがために、結果的にはライオスは理想の魔物に転身し、翼獅子はライオスの体を乗っ取る。翼獅子が生まれ成長した経緯、その願い。食欲とはなんと根源的で剥き出しな強い欲だろう。幸福が永遠に続けばいいと願うなんて随分人間くさいけど、それも人間と近しくなったが故だろうか。しかしその「欲」がライオスに食われることであっけなく終息するなんて。すべては好奇心と食欲。この物語に一貫した行動原理の必然か。次は最終巻。はたしてどう終結するのか。

ネタバレ楽しそうな冥界の面々、コレットがハデス様とますますラブラブで幸せそうにめいっぱい生きているのが嬉しくて、ずっとにこにこ読んでたご褒美巻。植物の生長の祈り方が力業だけどなんか元気でたり、天界に挨拶回りにいったり、ハデス様がコレットの兄姉たちに挨拶に行ったり。どれほどコレットが愛されてきたか、彼女のこれまでとこれからを見守ることができて、コレットへの愛で満ち満ちた一冊だった。兄姉に直接会えないのはやっぱり寂しいことだけど、でもきっとまたいつかどこかで。もっと読みたい、読み返したい、好きな作品がまたひとつ。

ネタバレロイドを妬む上司を丸め込んだり、相変わらず姉命のユーリが過多で空回りな愛情を暴投してきたり(もはやかわいい甘噛みのように見えてくるけど)、アーニャの課外授業のバスがハイジャックにあったり、きょうもフォージャー家は通常運転。それにしてもダミアン母は、前巻も様子がおかしかったけど、思考の歪みが垣間見えて、ますます闇が深い。そして投獄された〈赤いサーカス〉のメンバーがほぼ生き残っていないことに、この国の恐ろしさも思う。善悪の線引きではない何か。あるいは線引きしすぎているが故の。

ネタバレ「迷宮の主になり悪魔に脅かされない世界を願う」というライオスの策を最後の頼みの綱にしたがために、結果的にはライオスは理想の魔物に転身し、翼獅子はライオスの体を乗っ取る。翼獅子が生まれ成長した経緯、その願い。食欲とはなんと根源的で剥き出しな強い欲だろう。幸福が永遠に続けばいいと願うなんて随分人間くさいけど、それも人間と近しくなったが故だろうか。しかしその「欲」がライオスに食われることであっけなく終息するなんて。すべては好奇心と食欲。この物語に一貫した行動原理の必然か。次は最終巻。はたしてどう終結するのか。