とても魅力的なSFミステリの設定ながら、著者はあくまでSFを書こうとしているためミステリ部分がやや置き去りになっている印象は受ける。誰がなぜどうやってを推理するより、まずは壊れたAIを直すほうが先決だから仕方ないのかもしれない。あとは登場人物たちの過去とクローンにまつわるあれこれがメインですかね。下巻ではもっとミステリ的な展開（推理や謎解き）があるのかどうか。

とても魅力的なSFミステリの設定ながら、著者はあくまでSFを書こうとしているためミステリ部分がやや置き去りになっている印象は受ける。誰がなぜどうやってを推理するより、まずは壊れたAIを直すほうが先決だから仕方ないのかもしれない。あとは登場人物たちの過去とクローンにまつわるあれこれがメインですかね。下巻ではもっとミステリ的な展開（推理や謎解き）があるのかどうか。

随分遠くへ来たなぁ……と思わず遠い目になってしまう。しまむらがこんなにも安達を想うようになるとは。誰にも関心がなかった頃のしまむらも懐かしいけど、これだけ安達に愛され続けていればそりゃあ変わりもしますよね。今回はしまむら父や安達母の視点もあって新鮮。安達母はこれからしまむら母と仲良く（？）やって、いろんな楽しい感情を得られるといいなと思いました。

中身が濃すぎて一気に読むのは厳しいと判断し、結果1年くらいかけて読んだのでもう前半はあまり覚えてない。とりあえず「踊るバビロン」が奇々怪々であり「逃げゆく物語の話」が傑作であったのは間違いない。しかし一番筆がノッていたのは「演歌の黙示録」だった気はする。