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2025年12月の読書メーターまとめ

かさい
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2025年12月に読んだ本
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2025年12月のお気に入られ登録
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2025年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

かさい
最近は従来「あることが当たり前」とされていたような関係性の善性ばかりを取り上げずに、語られてこなかった悪性にクローズアップしたような作品が増えたなと。 「家族」でいなきゃいけないことの息苦しさって自分はありがたいことにもそこまで多く感じずに生きてこられたけれど、DVやアディクションの問題が知らず知らずのうちに親から子に受け継がれてしまうことが少なくないことからも、語られるべき問題ではあるよなと。 自己責任論が跋扈する世の中だけれども、「民事不介入」が責任逃れの手段にならないでほしいなとも思いました。
が「ナイス!」と言っています。

2025年12月の感想・レビュー一覧
24

かさい
綺麗なタイトルではあるけれど、長い宇宙の中で人類の一生を「激しく煌めく短い命」と例えるのは割と凡庸の類にはなるのかなと。 綿谷さんは最近人間感情をあけすけに描くところに良さを感じていて本作でもそれは引き継がれているわけですが、それだけでなく「1996年」を分厚く思い出せるような描き方をしていたところもよかったです。 「差別はそれぞれ感じてしまうものだからそれをいかに意識できるか」って話は今年のこたけ正義感の『弁論』だったり、今年読んだ『差別はたいてい悪意のない人がいる』とかでも扱われていたテーマでしたね。
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かさい
静謐な緑に囲まれた生活をそのまま文字にしたような文体とその中で人間の他人への欲求とそれを覆い隠すための拒絶の入り混じった感情描写が惨たらしいほどに綺麗に描かれているような作品。 「熊」を心のどこかで求めているような作中人物たちの気持ちをその人間感情とオーバーラップさせるような展開の数々と、それでいて自分から幸せを掴みにいきたい気持ちとそれを許せない気持ち。常に二律背反な感情のあわいで人の心が揺れているってことをあえて直接的ではないような筆致で描いているところが素敵でした。
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かさい
現代語訳が分かりやすくて、正岡子規がいかに「伝統」とか「権威」みたいなものに守られた短歌の世界を良くしたいと思っていたかが伝わってきました。 子規に寄せられる数々の意見と、それに対する快刀乱麻を断つかのごとき回答の数々は現代のTwitterでの著名人と匿名ユーザーのやりとりに通ずるものがあるなと。人間って古今を問わず討論好きなんだろうな。 源実朝への篤い信頼と、万葉集をやたらめったら腐すところ含めて正岡子規ってこんな人間的なのかとも。
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かさい
ちょうど最近ブーニンの英雄ポロネーズを聴いていたところで書店で見かけて購入。 左手がうまく動かせなくなり、最愛の母が他界し、失意の中で活動休止に至ったブーニンが妻の榮子さんとの協力体制で2022年に復帰するまでを追った1冊。 老化にまだブーニンが馴染めていない感じと、その中でそれでも自分の最善を追い続ける姿があまりにもプロフェッショナルで、これを単に「天才」としてしまうのは惜しい気がしました。 ちょうど来年1月に東京でコンサートがあるとのことで慌ててチケットを予約した次第です。
かさい
桐島聡の娘が書いたものかと勘違いして読み始めましたが面白かったです。 爆弾テロを起こした逃亡犯の娘として素性をひた隠しにして生きた12年間。父親が自首し、俳優として生きるに至った転換期。父親が釈放され脚本家としての道を歩む現在までの道のり。波瀾万丈なんて言葉じゃ済まない様な生活を生きながらも「適度に人のせいにして生きていいんです」って家族の業に囚われていないメッセージが凛々しくもあり、たくましいなと。文体から感じられる貧困や家族の重荷をものともしない生命力の強さにどこかさくらももこさんイズムを感じました。
かさい
何かに依存しないでは生きられない人間が、老いへの恐怖から美容医療にのめり込んだり、生きることへの恐怖から酒食に耽溺したり、果ては自分自身に向き合うことへの恐怖から性行動以外への興味を失ったり。 金原さんの文章は赤裸々なまでに人間の苦しみを切り取っていて、そんなところまで文章化できちゃうんだという驚きと観察眼の鋭さに毎回やられます。 巻末の朝井リョウさんの「根源的な苦しみを書くのはあけすけなまでの一人称視点だからこそ伝わるものがある」という論評に引き込まれました。
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かさい
妊娠出産から1歳までの子育てという1番女性が不安定になる時期を川上未映子の筆致で描くから解像度が高くて、男性へのいくじへの姿勢を書いているところとかは読んでいて勝手に怒られているような気分になるほどでした。 両親共働きで子供を産むことが如何に現代社会で困難を極めることになっているかだよなというのと、自分の時があるならば迷わず親の力を借りようと決意するに至りました。妊娠出産が身近になったらまた読まないとなと思いました。
ゆり
2025/12/23 15:16

あなたの感じ方、とてもリアルですね。 この本は、妊娠から育児初期にかけての繊細な気持ちを、本当に具体的に描いていて、共感できる部分も多いし、同時に少し「気づかされる」感じもあります。 現代社会の中で、仕事と育児を両立する親のプレッシャーはやっぱり大きいですよね。 ご両親の力を借りようと思えたのは、とても賢明で、そして温かい選択だなって感じます

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かさい
『ブラッドコバルト』に引き続き中国が現代の奴隷労働とも言える低賃金かつ不衛生な労働環境を敷いてサプライチェーンをぶっ壊してる話。第二次世界大戦におけるムッソリーニの自給自作政策がトマト缶産業発展の一助となっていることに触れつつ、現代のイタリアにおける政治的腐敗の問題から、アフリカからの難民問題や新疆ウイグル自治区にまで話が広がっていって、面白さとともに問題の根がいかに深いかを知れました。1番安くトマトジュースを作るには濃縮トマトを安価で大量輸入して薄めて添加物入れればればいいのさってブラックすぎるよなと。
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かさい
19世紀末から20世紀初頭にかけて哲学の中心の1つとして機能したウィーン学団についての本で、学団に属する哲学者たちの統一的でない思想の数々やその趨勢、シュリック教授が殺害され、ナチスから迫害を受け哲学者たちが離散していくまでが分かりやすくまとめられていてよかったです。 クリムトエゴンシーレまでいて、哲学的にも強かった文化の中心地たるウィーンが「ユダヤ的」であるものを迫害する陰謀論めいた時代の潮流のせいで廃れてしまったことは間違いなく人類の損失だよなと。
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かさい
お祈りをする時に隣の人が自分より早く祈り終わったのを見て勝ったと思う感覚。女性社会だからこそある煌びやかさと陰口の世界。風俗店の客の金に物を言わせようとする醜悪さ。現代的感覚と比べてなんら遜色のないこれらを角田さんの筆致で分かりやすく、かつ鮮やかに描いていてあまりにもよかったです。 「今のいのちは今のいのち、ひとつきり。」と言いつつもそれでも来世での恋の成就を願って自死を選ぶ初の心情描写の数々。ラスト40ページくらいはほんとに比類のなさを感じました。オチが綺麗に終われないのもある種現代的だよなと。
かさい
シャツを裁断した青い布を渡してりんかちゃんから「なんですかこれ」って言われるシーン、ああいう作中人物の自己陶酔を客観的に目の前に差し出されるみたいな展開ヒヤヒヤしちゃって好きです。 せどらーを取り扱いつつも、大手転売ヤーみたいなのとはまた違うところから切り取っていて、「価値のあるものかどうか」で人も見ちゃうところとかある種の現代病的な視点だよなと。
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かさい
コンゴが世界最貧国になり果て、児童労働を含めた過酷な労働環境をコバルト採掘者たちに強いるようになった背景の部分として、独立を求めて当時のソ連と手を組もうとしたところにアメリカが経済制裁を行ったからって…。 それで各種リチウムバッテリーを使う企業が「うちはクリーンにやってます!」ってお題目並べて、裏ではコンゴ人が垂れ流される毒ガスや繰り返す落盤事故で命を落としているとは。 いったいどこから手をつければこれがよくなっていくのか。安易に対岸の火事にしないようにしていたい。
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かさい
ポケモンの新作がパリが舞台だったこともあり、手軽にフランス史を学べるものと思い本書を拝読。 ロマン主義時代に1つの転換期を迎えたというのは、雰囲気からもなんとなく予想できました。 マカロン、フィナンシェ、カヌレあたりが元々は地方のお菓子でそれが産業革命で鉄道ができてパリに輸入されるようになったというのは初耳でした。 実際にパリでも見たあのアーケード街をパサージュということも知れたので今後使っていこうと思います。
かさい
結局どんな補助金や制度を導入しても「腐敗した人間」は一定数いて、悪用されることは防ぎ得ない。だからこそ、そうじゃない人間がいかに善意を持ってそういう悪性を排除していけるかにこの国の未来はかかってるんじゃないかなと。談合や収賄でちょっとしたお金を手に入れて、結局やることがキャバクラだの高級車だので矮小な優越感を煽るだけの生き方が軽薄だと相手にもされないような社会が作られて欲しいなと思うところです。 終盤の「雑魚だって生きてますから」いい言葉だと思ったし、記者さんの熱が伝わる文体が素敵でした。
ゆり
2025/12/12 18:24

あなたの見方は、本当に核心を突いているのよ。 どんなに制度が整っていても、腐敗を完全になくすことは難しいわ。 だからこそ、誠実で専門性を持った人たちが公共のガバナンスを支えられるかどうかが、国の未来を大きく左右するのよね。 本の中で語られる「小さな人でも生きていける」という言葉が胸に響くのは、正直さに価値が残っていることを思い出させてくれるからなの。 著者は記者としての情熱で、隠されてきた現実に光を当てていて、そこがこの本のいちばん尊いところだと思うわ📘

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かさい
ノリがオモコロのそれで読みやすくて面白かったです。 最初は象になろうとするのに、それにはエンジン駆動が必要で、それじゃ困るからとシャーマンのところに行ったりする予測できなさが笑えました。 骨格の問題から始まり、消化酵素の違いをどうクリアするか、そのために消化酵素を研究目的として購入したり逐一専門家からの意見を仰ごうとするところの手の混みいり方がよかったです。 結果としてはヤギとして生きていくことは無理だけど、ヤギに馴染むくらいはできるというのもなんとも現実的だなと。
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かさい
埼玉県立精神医療センターで勤務する著者のアルコール依存症治療についての1冊。 患者の「命綱」としてのアルコール多飲、生きづらさがそれらを煽っている側面と自己治療仮説、早期的な治療効果が出せないことに焦らずいかに医療機関や福祉と関係を構築しそれを維持していけるか、AAの習慣化。 依存症治療全般に汎用できる治療指針が体系化されていて、「うわーアル中かよ、まじ迷惑」みたいなことを言っちゃう救急外来の医療スタッフ全員に一読してほしいなと。
かさい
思春期をさくらももこ的に切り取っていて読みやすかったし、エッセイでちゃんと笑いを取れるのがすごい。 性への悩みとか人生の指針を「こんなもんかな」って妥協しかけるところだったり、決して非凡とはいえない日々を過ごしながらもその中で独特の視点を磨き、順風満帆とは言えずとも漫画家としての道を歩いていく。 さくらももこのペンネームも漫才師を志した時に決めたものだったとは。 あとがきの「無事に元気に過ごして」って言葉に、グッときてしまいました。
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かさい
人工知能に「言語が分かる」ようにすることを動物だらけの寓話を通して教えてくれて、言葉の定義から言語の法則から、それらをクリアしてもなお言葉の持つ多義性がなかなか邪魔をしてくるのが難しそうだなと。 つくづく人間が言語を使いこなすに至るのに進化を重ねたのかを感じるとともに、多義的な解釈が苦手なASD気質のある人への生活訓練にAIに言語を教えるプロセスが応用できたりしないのかなと思いました。
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かさい
ある意味で自他境界を排したケアの徹底。私財を投げ打ってクリミア戦争で救護所の衛生面をよくしたナイチンゲールの苛烈さを存分に味わえる1冊。 華族とはこうあるべし、女性とはこうあるべし。そんなものを投げやって、「憑依」とまで書かしめるケアを振り撒く。しかし決して自分本位でもなく、権力にも屈せず、他人に媚び諂わずに自分を貫く。 マルクスや赤十字の創始者に一目置かれ、国家から賞を貰い、それでなお地位に胡座をかかずに90年の生涯を走り抜ける。墓標はシンプルに。 多少の脚色や演出はあれどあまりにもかっこよすぎる。
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かさい
社會部部長の動画を最近よく観るので。 マッキンダーらの論に端を発する「アメリカは潜在覇権国ではない」「NATOの無計画な拡大がウクライナ戦争の発端」といった論展開が面白く、ただ自分の地政学の知識の乏しさゆえにこの1冊だけで地政学を分かった気になるのは危ないなとも思うのでもう少し色々読んでから改めて本書に戻ってくるのがいいのかなと。 CSISの台湾有事シミュレーションの話とか、まさに「今」中国との軋轢原因になっている話なので元の記事を読んでみようと思いました。
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かさい
生活空間を共にしていてもどこかある疎外感だったり、本心を隠した「別の顔」を晒して生きているような地続きの生活だったり、それでいて隠し通せてはおらずなんとなく本心が透けてしまっているような構造だったり。 舞台をシェアハウス的な2LDKのマンションと、繰り返される婦女暴行事件をベースにしていて、1番驚いたのはラストで明らかになる事実そのものよりもこれを2002年の段階で世に送り出している著者の先見の明でした。
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かさい
DVサバイバーという言葉が「DV被害を生き抜いた人」ではなく「被害の渦中にある人」も指す言葉であるという時点から初耳。 アディクション当事者とその家族に対するアプローチがバタラーとサバイバーの関係性にも当てはめられるのではないかと思いました。 家族は身の安全を確保して、なんだったらこっそり引っ越すとか持ち家なら家の鍵変えちゃうとかしてバタラーは当事者会とかで時間をかけて治療、くらいしか具体的な解決策が浮かばないですね。
かさい
「うわー死にてえなあ」とか笑いながらそれなりに生きていくぶんには何も問題がないのに、「死にたい」に囚われすぎて行動化に結びつき始めると途端に社会の中でつまはじきにされかねないような扱いを受けたりもする。結局「死にたい」との距離感の作り方だよなと。 「死にたいけど死ぬのも大変だしまあ生きるか」を如何に社会に落とし込んでいくかだと思うし、実際多くの人が言う「死んだら楽になれる」なんて何のエビデンスもないので、それを周知していきたいところ。 『ソナチネ』の「生きようと考えすぎると死にたくなる」を思い出した。
が「ナイス!」と言っています。
かさい
最近は従来「あることが当たり前」とされていたような関係性の善性ばかりを取り上げずに、語られてこなかった悪性にクローズアップしたような作品が増えたなと。 「家族」でいなきゃいけないことの息苦しさって自分はありがたいことにもそこまで多く感じずに生きてこられたけれど、DVやアディクションの問題が知らず知らずのうちに親から子に受け継がれてしまうことが少なくないことからも、語られるべき問題ではあるよなと。 自己責任論が跋扈する世の中だけれども、「民事不介入」が責任逃れの手段にならないでほしいなとも思いました。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/12/29(2566日経過)
記録初日
2018/12/23(2572日経過)
読んだ本
1088冊(1日平均0.42冊)
読んだページ
340296ページ(1日平均132ページ)
感想・レビュー
599件(投稿率55.1%)
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