何かしらを手にしたい気持ちがおこさせる詐欺騒動。人から見たらバカみたいかもしれないけれど…この不安を誰がわかってくれる？優しい着地点でさすがの辻村深月でした。

いったいなぜ長谷川平蔵が…ばかり気になって自分の集中力が足りなくのめり込めなかった。女性陣の肝の太さや佐渡金山、遠山の金さんとか面白い話なのに。

事件が起きないところから捻りだす芸人の境地をみました。むしろそれが売りか。

そうそうたる面々の中一番響いたのは高橋秀実さんの回答。「何を見ても面白く感じません」に笑いとは肉体の波動のようなもの、と答えておられる。はぐらかされているようで真理をついている回答に思える。

センチメンタルな読書報告。「あれが最後だったのだ、と突然気がつくのである。子が大きくなれば家を出ていくのは当たり前で、そうして団欒は失われていく」「家族はけっして永遠ではない。しかし、一瞬だけのものであるから愛しいのだ」「屋根を共有しないことは他人の始まりなのだ」北上次郎の書評本が好きなわけだ。合掌。

何かしらを手にしたい気持ちがおこさせる詐欺騒動。人から見たらバカみたいかもしれないけれど…この不安を誰がわかってくれる？優しい着地点でさすがの辻村深月でした。

息子を初めてメジャーの試合に連れて行くあの文章。ここだけで大満足。自分までもが一緒に野球を生で見ているよう。こうとしか生きられない、抜き差しならない状況に自分を追い込むマックス。まごうことなきハードボイルド、堪能しました。

いいもの見つけた、宝物の本

LIVEとは！一年でとは！読んですぐこの図鑑を買いに走った。2800種増えに増えた(7000種から絞った)情熱に圧倒される。嫌いなGだってジッと見られるほど。なんかちょっと美しくすら見える。あの方がセルフィーしたやつだなとか、ネジレバネ目とかイシノミ目とか過去の図鑑には無かったなとか、あの方が幼虫から育てたやつだとか…もう昆虫図鑑の奥の世界が見るたび押し寄せてくる。わずか2500円弱、図鑑制作に参加された全ての方に感謝いたします。人生のスルメ本、ありがとう♪

「約束は守った……伝えてほしい……」この言葉を追いかけていく話はおもしろかったが。境界を易々と越えてしまう人に、自分本位に越えてしまう人に、心を添わせることはどうしてもできない。誰だって必死に生きている。

ペットボトル埴輪や鳥獣戯画ライダーなら何とか…制作のノウハウのところでなく、工作すると見えてくるのコラムのところが無知な自分にピタリ！

「その苦しみが、憎しみに変わるのよ」とか「土井先生、今日は一汁一菜も無理です…」とか恐怖！子どもに「いっしょにおりょうりしたい〜！」と言われたらとか頷きすぎて首がモゲる。最高なのはサンシャイン！サンシャインもサンシャインでいたいと思ってるのに、サンシャインなりに日々色々あるのよ〜。インスタのハッシュタグ、#本音を言うと#300日くらいは鍋がいい#鍋最強伝説だって。気が合うわ。

いつ寝るんだろう、何分寝たのだろう…レネイバラードの話を読むといつもそこが気になる。自分を痛めつけるように身を粉にして事件に取り組む。ハリーボッシュが止めるほど。対極に保身に走るロス市警の面々が描かれる。世相を映しているのだろうな。ウルトラC(?!)の解決を経てこの先どうなっていくのか、訳者あとがきを読んでワクワクドキドキ！