ネタバレ連邦保安官のケーニグはある事件がきっかけでロシアマフィアから懸賞金をかけられ、逃亡生活を送っていた。そんな中拘束され、かつての上司のミッチから娘の捜索を頼まれる。頭部に銃弾を受けてから恐怖の感情が無くなっているケーニグはピンチにも淡々として冷めている様にも感じるが、冷酷という訳ではなく、人を悼む気持ちも持っている。ケーニグの一人称で語られる箇所が多い為、彼の考えている事、感情も垣間読む事が出来るが複雑な人物だと感じた。絶対にくっつかない磁石の様なジェンとの関係性もポーとティリーの対局にいる様で面白い。

ネタバレ恋多き父親と恋人と別荘で過ごしていたもうすぐ18歳のセシル。父親のガールフレンドのアンヌが合流し、大人達の様子をみたセシルが起こした行動は ···。筆者自身が18歳の時の作品との事で、セシルの不安定な心情は筆者自身を投影しているのではないかとさえ感じる。恋しい人を思う甘酸っぱい思い、喜びと怒りが同時に湧く複雑な心、大人達の情事を察する大人びた面、自己肯定できない思いと、妙にリアルにセシルの姿が浮かび上がってくる。風景描写も瑞々しく、前半の「そうしてわたしを泣きたくさせる」との文が幕引きの仕方を予感させる

ネタバレホーソーンの過去の事件を本に書く事になったホロヴィッツ。しかしホーソーンの歯切れが悪く、以前の助手の事もあまり語りたがらない。自ら関係者に接触するホロヴィッツだが···。過去の事件という事もあり、三人称で語られ、その為か登場人物が一層個性的に感じる。読んでいる時はワクワクしたが、ホロヴィッツはホーソーンの新たな過去を知る事となり、事件の結末はなんとなく後味が悪い。5作目という事もあり折り返し地点で、1つのターニングポイントにもなりそう。ホーソーンの印象が当初のニヒルな感じから暗い感じと段々と変わってきた。

ネタバレ失意のままに叔母の営む民宿に戻ったヘウォン。隣では同級生のウンソプが書店を営んでいた。ヘウォンはふとしたきっかけで書店を手伝うようになる。ウンソプや書店での仲間達との関わりがヘウォンの心に灯りをともすようになる。1日の終わり、夜寝る前に静寂の中で深々と世界に浸れた本。ヘウォンとウンソプの過去が明かされる所もあり苦みを伴う所もあるけれど、そこを乗り越えた時に素敵な景色がみえる。又、生きていく上でこぼれ落ちるような様々な言葉達が、読む人の背中を押すように力強い。読めるのが嬉しいと感じた本。

ネタバレ連邦保安官のケーニグはある事件がきっかけでロシアマフィアから懸賞金をかけられ、逃亡生活を送っていた。そんな中拘束され、かつての上司のミッチから娘の捜索を頼まれる。頭部に銃弾を受けてから恐怖の感情が無くなっているケーニグはピンチにも淡々として冷めている様にも感じるが、冷酷という訳ではなく、人を悼む気持ちも持っている。ケーニグの一人称で語られる箇所が多い為、彼の考えている事、感情も垣間読む事が出来るが複雑な人物だと感じた。絶対にくっつかない磁石の様なジェンとの関係性もポーとティリーの対局にいる様で面白い。