これは不思議な物語。 「本」が"物語の書かれた紙の束"ではなく、"物語をその身に宿した物語を語る肺を持ったもの"。 間違った物語を語る「本」は、火で炙られて最後は骨だけになる。 ザ・斜線堂ワールド。 生きたまま焼かれていく激しい恐怖と、「本」であると言う崇高で魅力的な美しさがたまらない。 知っている語り継がれてきた物語が正しいとは限らない。 ちょっと目から鱗なところもあり、この世界にずっと浸っていたい。

話題の本。ようやく読めた。 怪異から人を助ける本は数あれど、怪異に思いを遂げさせる話は多くないのに、最近よく出会う。 片腕の見鬼・千早くんと、巻き込まれ型公務員・大野木さんの名コンビ。どんどん大野木さんの秘めた才能が露になってきて、惹き付けられる。 蠱毒に堕ちた男やタクシー運転手、やなやつだったなぁ。 迷家の少女、成仏できたかなぁ。

教え子を殺害した高島太一を殺したい五人。 これだけ書けば、どんな極悪人でどれだけ恨まれているのか、と思うけど、全く違う。 なんならみんな高島太一が大好き。 でも、真剣に穏便に殺害する方法を考えている。 無茶苦茶や。その無茶苦茶な雰囲気が好き。 殺し屋シリーズでも思ったけど、どこか乾いてる。 粛々と息の根の止め方を話し合ったりして、うまく言えないけど今までお目にかからなかった犯罪ミステリー。 殺し屋もだけど、事を成した後に、いかに普通に暮らせるかを一番に考えてるところが面白い。

これは不思議な物語。 「本」が"物語の書かれた紙の束"ではなく、"物語をその身に宿した物語を語る肺を持ったもの"。 間違った物語を語る「本」は、火で炙られて最後は骨だけになる。 ザ・斜線堂ワールド。 生きたまま焼かれていく激しい恐怖と、「本」であると言う崇高で魅力的な美しさがたまらない。 知っている語り継がれてきた物語が正しいとは限らない。 ちょっと目から鱗なところもあり、この世界にずっと浸っていたい。

真夜中に開く弁護士事務所。ただし依頼人は生きていない。 死者が視える弁護士と検事が、女子高生が転落死した事件の真相を探る。 死者は真犯人が正しく裁かれないとその場所に縛られるとか 丑三つ時には自由に歩けて話すことも出きるとか 物を持つことは出来ないけど一方的に触れることはできるとか ファンタジーを形作るお約束が多いけど、理論的に説明してくれて読みやすく、なんとなく納得できるw さすがだ。 がっつりリーガルミステリーではないけど、変化球も嫌いじゃない。

nexと侮るなかれ、キャラも大変魅力的だけど、キャラ小説以上の厚みがある。 あやかしに喰われても死なない男と、あやかしが大好物の男。 その上司は得体の知れない本の虫。 これは是非ともシリーズ化して欲しい。すごく好き。 加当くんは、また痛い思いをしないといけなくなるけど。 山は怖いよね。